プロローグ
とある理由で1人の少年が世界に放り出され、絶望の先に何を見つけ何を成していくのか、世界の歯車は動き出す
季節はまだ肌寒く感じる冬の終わり、刻は陽が落ちてきた頃、鬱蒼とした森の中を何かが走る音がする。いや無我夢中に走るその様は、走るというより何かから逃げているようだ。
「ハァハァハァ・・・・・・くそくそくそ、なんでだ! なんで俺がこんな目に逢わなければならない」
一人の少年が後ろを気にしながら懸命に走っている。息遣いは荒く、顔には走りぬける際に当たった木枝による傷が少なからずあるが、少年は気にする事なく走り続けている。涙を浮かべ必死に走るその姿は、まさに死に物狂いという言葉が当てはまる。
「どこか、どこかに隠れる場所は・・・・・・」
辺りを見回すが薄暗くなって来た夕闇が邪魔をして、走りながらだとこれといった場所を見つけることが出来ない。必死に顔を左右に振りながら走っていると、地に足が着かない感覚を覚えた。
そこは背丈よりも少し高い崖になっており、下には川が流れていた。気付かずに力任せに走っていた少年は受け身を取ることも出来ず、川の中に身を投げ出されていた。
「がっ・・・うぐっ・・・・・・かはっ!」
川は浅瀬になっており、投げ出された体は川の中の石に打ち付けられた。痛みを覚えながらも周りを見渡すと、先ほど落ちた崖の下が窪んでおり、そこに痛みを堪えながら一目散に身を隠した。
「ハァハァハァ・・・・・・うぐっ痛い、痛い、痛い、もう嫌だ」
愚痴を吐くその少年、年の頃は15歳、少しふっくらした体つきに高そうな衣服を纏っている。辺りはすっかりと闇に包まれ、憎々しくも満月が光り輝いていた。光に照らされた自分の体をみると、衣服はズタズタに切り裂かれ手足には大小の傷が沢山あった。水に濡れた体を震わせながら息を殺す。
何でこんな事になったんだ! 俺が何をしたって言うんだ!
必死に逃げ回る事になった原因を少年は思い起こす・・・・・・
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