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能力考査

 悪魔が襲う人間は神を信じているものだけだという事が徐々に世界に知れ渡っていくと、世界中の至る所で神を祀る祭壇が破壊されるといった現象が起こっていた。それだけでも成果は十分だったのだけれど、僕が考えていたよりも人間は危険な存在だったようで神の信望者はことごとく迫害されていき、中には見せしめとして処刑される者も出てしまった。そこまで行くとやりすぎのような気もしてしまったけれど、明らかに戦っている天使の力が弱まっているので問題はない。僕はきっかけを与えたに過ぎないのだから。


「このままの状態が続くとあの世界から神の信徒はいなくなると思いますよ。それは他の世界でも少しずつ同じ広がりを見せているみたいなんですけど、世界によって同じことをしていてもこんなに差が産まれてしまうんでしょうね?」

「俺と神のいる世界から近いからとか、文明の発展した時期とかでも変わるんじゃないか」

「そうかもしれませんね。あのお方は直接人間と関わってきませんでしたし、ルシファー様は自分が意図していなかったとはいえ、多くの人間と関わってきましたからあちらの世界でもその足跡は確実に残っていますからね。それが記録にも記憶にも深く刻まれていたからなんでしょうね」

「俺が覚えていない事でもそうだとしたら、無駄な事は何もなかったという事になるね」

「そうですよ。ルシファー様が行った事で無駄な事なんて何一つないんですから」


 一つ一つは小さなことだったかもしれないけれど、僕のやって来たことは小さく細い糸だとしても全て繋がっていたのだと思う。その結果が目に見えて成果となった時には僕とあいつの立場も逆転しているだろう。立場が逆転したとしても楽に勝てる相手ではないだろうし、僕も何か今以上に確実に強くなれる方法を探さなくてはいけない。

 ここで今一度、自分の力を振り返る事も大事ではないかと思った。


「なあ、俺は今どんな能力を持っているか知っているか?」

「ええ、ルシファー様の能力なら全て存じ上げていますよ。御存じのモノもあると思いますが、私が説明いたします」


魔王を殺す能力

 今ではこの能力が無くても魔王を殺すことが出来るので必要はないのだけれど、何かと役に立っていたとは思う。当時の事は覚えていないのだけれど、この能力のお陰で人並みに戦うことが出来るようになったようだ。


交渉が上手くいく能力

 自覚はしていなかったけれど、この能力はかなり有効活用できていたと思う。最近ではアマツミカボシとの交渉であったり、エリスをコチラ側に引き入れたりといった事で硬貨が発揮出来ていたようだ。この能力が無ければもう少し苦労していたのかもしれないとつくづく思い知らされる。


どんな環境でも適応できる能力

 この能力はアマツミカボシと対面する時に非常に役に立つことが出来た。ただし、太陽の中の様な生物が存在していない空間には適応できなかったらしい。試したことはないけれど、深海でも適応は出来る予感がしていた。


どんな武器でも最大限にその力を引き出せる能力

武器に新しい効果を付け加える能力

 その武器本来の能力を取り戻してみたり、その武器には備わっていなかったような力を付与することが出来る能力である。切れ味の悪い武器を何もせずとも最高の状態に仕上げたり、相手の弱点属性に変えたりすることが出来るようだ。


体感速度が変化する能力

自身のスピードが速くなる能力

 この能力が発揮される場面は僕自身に危険が迫っている時が多い。自分以外の周りの時間がゆっくり流れているように感じたり、同じことを繰り返しているとその動作が早くなっていったりしていた。


命を与える能力

 この能力は命を与えること自体は出来るのだけれど、命が失われる前と完全に同じ状態にはならなかった。感情が失われていたり本来の実力が発揮出来なかったりという事が多い。僕よりも力のある者や、特別な存在になるとそう言った状況になる事が非常に多くなってしまう。


隠されている罠を見つける能力

 今では罠を仕掛ける者がほとんどいなくなっているのか罠自体を見かけることが無くなっているので、あまり使う場面の少ない能力だったりする。罠だけではなく隠されている物なども見つけることが出来るのでそう言った面では活躍が期待している。


魔力を分け与える能力

 今では新しい悪魔を創りだしたりすることに使っている事が多い。新しい世界を創る際にも使うことは出来るのだろうけれど、世界を創る時に与えられるほど僕には多くの魔力が備わっていないので世界自体に魔力を与えることは行っていない。


即死攻撃を反射する能力

 その名の通り即死攻撃を反射してしまう能力である。反射したとしても大抵の使用者はその攻撃に耐性を持っているので効果はないが、不意に攻撃された時などに役に立ちそうではある。


「ルシファー様の能力があればあのお方とも渡り合えそうな気はしていますけれど、ルシファー様の中にあのお方の力がある限りは上手くいかない可能性もあるんですよね。正直に言いまして、今時点の力関係にそれを考慮しますと勝てる可能性は限りなく低いと思うのです。このまま世界の信仰心が無くなっていけば勝てる可能性が高くなるとは思うのですけれど、信仰心が世界から消えることはないと思います。そこで、信仰の対象があのお方からルシファー様に変化していくようにしていきましょう。あの世界を創ったのはあのお方ではあるのですが、今の形に創りかえたのはルシファー様なので問題ないと思います」

「その辺はエリスに任せるとして、一ついい案が思い付いたのだけれど聞いてもらえるかな?」

「なんでしょうか?」

「俺の代わりに天使と戦っている俺の分身たちなんだけれど、そいつ等を俺が殺してその力を俺のモノにすれば多少は強くなれるんじゃないかな」

「そうですね。系統の違う悪魔や天使よりもルシファー様に近い分身体を殺した方が効率的に成長することが出来るかもしれないですね。天使を倒して強くなっている悪魔を倒した分身体を倒すことは大きな効果が期待できそうです」


僕の最大の能力にして他の天使や悪魔に備わっていない能力


“成長する能力”

 訓練や戦いによって成長することもあるのだけれど、一番大きく成長するのは相手を倒した時である。その力だけではなく場合によっては固有能力や特性を自分のものとして手に入れることが出来る。生物として成長して進化することが出来る能力であるのだ。

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