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偶然の出逢い

ルイーズとジャンの恋の手助けをしてくれたオリヴィアを今度はふたりが助けます。



オリヴィア、僕のお姫様。

美しい人、どうかこの手をとって下さいませんか?

オリヴィア嬢、君は運命の人だ。

君と出会ってぼくの世界が色付いた。

君こそ、僕に相応しい。オリヴィア、愛してるよ。




幼馴染みや騎士から第二王子に至るまで周りの男達は私ことオリヴィアに夢中である。

当のオリヴィアにとっては彼らの熱い視線は全く以て意味をなさない。

何故ならばオリヴィアの思い人は全く別の人なのだから。


従姉妹ルイーズの思い人、ジャンの兄にして現宰相補佐のグレン・ミドルトンである。


若干22歳にして宰相補佐にまで上り詰めた手腕は彼の父の宰相は元より国王からも一目置かれている。


グレン様との出会いは本当に偶然だった。

以前に参加した夜会でルイーズを見かけたので話しかけたところルイーズ達と談笑していたグレン様を紹介されたのだ。


「オリヴィア、こちらはジャンのお兄様のグレン様よ。グレン様、こちらは私の従姉妹のオリヴィアですわ」


癖のない金色の髪に空色の瞳。

髪の色と瞳の色は弟のジャン様と同じなのにこんなにも印象が違うのはまとっている空気のせいかしら。


ジャン様はわんこ系?

柔らか少し癖のある金色の髪に空色の瞳。

いつも屈託のない笑顔を浮かべている。


ルイーズやお兄様のグレン様が大好きって事がひしひしと伝わってきますわ。

ぶんぶんと尻尾を振っているように見えてくるから不思議ですわ。


逆にグレン様はとても理知的な印象。

ジャン様とは対照的に癖のないストレートな金髪にジャン様よりも少し濃いめの空色の瞳。


話してみるととても柔和な印象だが、黙っていると鋭利な刃のように鋭い印象をうける。

それは宰相補佐という職業柄なのか彼が本来持っているものなのかは謎だけれども。


「グレン・ミドルトンです。オリヴィア嬢初めまして」


グレン様は爽やかな笑顔とともに私の手に口づけた。


「オリヴィア・ベイカーですわ」


にっこり淑女に見えるように微笑んだ。


この人も他の男性と同じかしら。

容姿だけでなく私の事を見てくれる方は現れるのかしら。


どこか冷めた目で男性を見てしまうのは今までの経験からであってグレンが必ずしもそうだとは限らない。


目の前の男を見定めようと見上げると不意にガラス玉のように澄んだ空色の瞳と目が合った。


まるで吸い込まれるような、

すべてを見透かされるような、


そんな瞳だ。


しばし見つめ合うような時間が続いたかと思うと音楽が流れ始めた。


隣にいたルイーズはジャンに手を取られ、ホールの中央へと消えていく。


「オリヴィア嬢、私と踊って頂けますか?」


私はにっこりと頬笑むとその手を取ってグレン様とダンスホールへと向かった。








「みんなオリヴィア嬢を見ているね」


ダンスを踊りながらグレンが話しかけてくる。


「そうでしょうか?私には令嬢達がグレン様を熱い視線で見つめているように見えますわ」


オリヴィアの感じていることもグレンの感じていることも強ち間違っていない。


オリヴィアはいつも令息達からの誘いをルイーズと一緒にいることを理由に断っていたし、グレンに至っては一見穏やかな笑顔を貼り付けて令嬢達を拒絶していたのだから。


「皆さん私の外見しか見ていないのにお互いに牽制し合ったりして険悪な空気になってしまうのですわ。私のいないところでやって下さればよろしいのに」


面倒だという感情を隠そうともせずにオリヴィアはため息をついた。


「では私を利用してはいかがですか?」


そんな言葉にオリヴィアが視線をあげるとグレンが不敵に微笑んでいた。

拙い文書を読んでくださり、ありがとうございます。

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