決戦!
大きな扉が音もたてずにゆっくりと閉じていく。入口と違って相当の広さを感じる
薄暗かった部屋が段々と明るくなって、天井は高くはるか上だ。ドーム型球場を思い出す。何の音もしない
壁もツルツルのドーム状で、これでは壁を登るのは無理のようだ
地面は中央部分が若干高くなっている。そしてこの場所からボコボコとモンスターが湧き出てきた!
牛の頭のごつい奴ら。犬の頭はそれより大分小さいが動きが早そう。
「牛頭12、犬頭12、ハイ・スケルトン12!」
紀州が叫ぶ。数えるのが早い。キャラクターの能力だろう
頑丈なスケルトンの事をハイ・スケルトンと呼ぶことにした
この一週間でいろいろな調べた。装備も確認した
やはり私達全員基本能力は同じで、それぞれのキャラクターの力を使う時はその力が2、もしくは3倍になっているようだ
私は、僧侶1を選んで武器を変えスケルトンに向かう。先に石の付いたロッドを構える
「神よ、力を!」
叫んでロッドをスケルトンに向けた。そして、慌てて移動する。次のスケルトンに切りかかられたからだ
「祈りの力を知れ!」
そのスケルトンに叫んでいると、最初のスケルトンにゆっくりと魔法が効いて、ゆっくりとバラバラになっていくのがちらりと見えた
その向こうでミサイルも飛んでいる
「敵が多くてこれじゃダメだ。分身を増やして対応する」
犬頭の集団から走って逃げ続けているだけになっていたラスティが叫んだ。たぶん一番運動神経のいいキャラクターのジムが飛び出してきた
「アーケード1!」
私も鉄の機体に乗り換えてレーザーで攻撃。緑色の光線が牛頭の腕に当たる、腕が落ちた!血が噴き出る。速度が出すぎて近寄りすぎる。敵は残った方の腕を振り上げた。とっさに頭を下げる
ガンと私の頭に衝撃が来る。うわ、かすった。ヘルメットで助かった。牛頭の胸にとんと機体の前右足をついた。
「ザシュ」
パイルバンカーがその胸を貫いた。牛頭は一瞬ポカンとした顔をした
牛頭の姿が消える。血も消えるんだな
ふふ、勝った。脚は止めない
ドームの中は物凄い音になっている。叫び声や金属音。歌声。歌声?
歌魔法のキャラクターは人間族じゃないはず、大丈夫か!
「ロボットになる、誰か乗って!パイロットいないの?」
誰かが叫び誰かが乗っている。大型の人型ロボットのキャラクターがいるのでその力が使えるのだ
パイルバンカーでスケルトンの頭の骨を狙ってキチンと破壊する。ばらけただけのスケルトンが復活するってほんと何なの。
五人乗りの鉄の脚で踏んでも割れない頭蓋骨って何なの。走り回りつつ攻撃する。
骨め。我が杭打ち棒の餌食となれ
ジムが私と同じ機体を出して戦っている。何故だ、私より乗りこなしてるし!
敵は犬頭が残り3匹となった。ちょっとホッとした雰囲気になる
ドームの中央部分で今度は風が渦巻き始めた。何か出てくる気配がする
時々、形になる前に攻撃してしまえばいい。っていう人がいるけど、下手打ってそれと合成されちゃったりとかしたらどうすればいいのか?
私達は元が一緒なので同じ意見でみんなで待つ。結界魔法をいうものをそれぞれかけた
とりあえず、距離をとって待っていると突然うわっと巨体が浮き出てきた
「ドラゴン2、でかい蛇2!ラスボスなのに一匹じゃない」
紀州が叫ぶ。みな同意見に違いない。
ドラゴン2体が左右それぞれに火を放つ、ドラゴンと同サイズだったからかロボットはもろに攻撃された
「ジェーンさん!」
ロボットはあっという間に火だるまになって、消えた。中から落ちてきた子が叫んでいる
私達は距離をとったまま4体を攻撃する
飛行スキルで飛ぶものもいてこちらは立体的に攻撃。騒がしくなる
「特殊戦装備2にガスマスクがあるから、蛇相手で使って」
「この毒は我々には効かないから大丈夫」
「ジェーン戻ります!」
何人かは魔法をそろえて使うことで威力を上げている!
ドラゴンは硬い、レーザーは確実に切れるが時間がかかって使えない
「ファスト、乗せてくれ」
私の返事を待たずにアリオスとヘンデクと知らない魔法使いのキャラクターが乗ってきた。私の倍以上の魔法の力のある人達だ
「混乱の魔法で同士討ちができるかやってみたい」
機体で出来るだけ近くによって全員でかけてみるつもりだね
蛇にダッシュで近づく。
混乱の魔法は効いていない。ロボットが三台になっていてドラゴンを少しずつ弱らせている
3人の魔法使いが蛇を地面からでた槍で串刺しにしたので、戦士キャラが剣でめったやたらに攻撃している
毒の槍をドラゴンの目に刺すことに成功。すかさず、雷の魔法で止めを刺し一体になった
残り一体になった時
「ウオォォォン」
ドラゴンが叫んで、体の傷が見る間に無くなり白くなった
「やり直し?!」
ドラゴンが今度は白い炎を放つ。氷の炎だった
ロボットの一体が中のパイロットごと消えた
尾の一撃で戦士も一人消えてしまった
「風の魔法でドラゴンの動きを止める」
一瞬動きの鈍ったドラゴンを見た二台のロボットがガッチリ首を押さえた。
そこに光の道が見えた気がした
全速力で黒いボディのロボットの背を駆け上がり
「肩を借りるよ!ごめんなさい!」
ロボットの硬い肩に後ろ脚のパイルバンカーを打ち込んだ。前脚を持ち上げドラゴンの目を殴りつけ、その瞬間にパイルバンカーを打ち込んだ
「ザシュ」
何かが体に満ちる感じがする中、ドラゴンがゆっくりと前のめりに倒れていった




