人のいない町3
私達はそれぞれ緑色の液体の入った小瓶を持って棚をバタンと閉めた。すると扉から取ってが出てきた
引いて開けてみる。今度は扉になっていた
真っ暗ではなく建物の通路みたいなところに繋がっているようだ。薄明るい
闘技場で勝てば次の場所じゃなかったな。紀州について歩いて行くと外に出た
眠くてたまらない。
さっき見に来ていた人達がいた。冒険者風の人達、冒険人達が待っていてくれたっぽい。武器は身に付けてはいるが手に持っていないので敵意がないのだろうね
しかも何か口々に言っているが全く解らない
言葉が解らない事を説明できないのでこっちも日本語で話しかけまくる
そして静かになった。アリオがあくびをして見せて、眠いんだアピールをする。
冒険人達が笑っている。この世界にもあくびはあるんだなあ。
私以外は外見年齢を15歳設定に揃えているので、子供の集団に見えているのかもしれない
成人年齢を聞きたいところだ
ゆっくりと手招きしてくるので付いて行った。闘技場のすぐ近くの建物に入っていく
一階の中はフロアになっていて結構広かったが、何もなかった。両サイドに階段があって二階に行ける
私のイメージは、一階食堂二階宿屋のファンタジー世界の建物だ
エルマが女性の冒険人にトイレの使い方を教えてもらっている
私は二階から三階に上がり案内されて部屋を開けて見せてもらった。大部屋が3室小部屋が3室だ。
埃っぽさなどもないが、テーブルなんかも何もなかった
恐らく二階は冒険人が使っているのだろう
「すぐに寝たい人は部屋に来て!」階段から下に向かって声掛けする
みんながぞろぞろ上がってくる。大部屋に男女に分かれてとりあえず寝ましょう
冒険人に丁寧に頭を下げて部屋を出てもらい(というか追い出し)鍵の魔法をかける
便利だな、魔法
木の床である。登山家の装備品は完全雪山冬装備なので上等な寝袋が入っている。体を浄化で綺麗にしてから寝間着の装備に着替えて入って寝ることにする
ちなみに私はチェックのパジャマ姿、エルマがズドンとしたワンピースっぽい服(透けないネグリジェ)、でアイダホと同時にパイロットででてきたイリノイは肌にピッタリくっついている服?あまりに素材が薄くて体に沿っているのでそれ、裸に間違われないか?青と水色のSF全身タイツは刺青に見えちゃうよ。
六時間後にセットして寝た
目覚めた時も外は明るかった。ここにも夜はないみたい
イリノイはいなかったので、同じように起きてきたエルマと二人で階段を降りて行った
一階にはイリノイとアイダホがいて冒険人と意思の疎通をすべくかんばっていた。
学生鞄の中のノートを取り出して、いろいろ書いている
そっか、ノートを取りながら聞けばいいのか。冒険人の女性が二階から降りてきた
「ヘイ!カモン」
思わず、普段使ったことがないような呼びかけをしてしまう。ちょっと恥ずかしい
彼女も寝ていたのか、あくびをしながら近寄ってきた
まずは名前からだ。自分を指して言ってみる
「ファスト。ファスト」
「ファスト。アビー」
彼女がまず私を指してから、自分を指していった。通じているね。しかし、次が続かない。聞きたい事だらけなのになあ。食べる仕草をして
「食べる。何食べてる?」
もう日本語である。ここに来てから現地の食べ物を見たのは闘技場の中の食堂のみ。あれって、生きてたから食べれたんだもんね。
それとも闘技場のフィールドの中では死人は出ない仕様なのか
アビーが何か言いながら外についてこいの仕草をしたので、軽いノリで付いていく。何処から来たのか大慌てでラスティがついてくる
アビーは闘技場の隣の小さな建物に入る。闘技場がとにかく大きいので小さく見えたけど、体育館みたいだ。中心の位置にテニスコート位の広さの小さいフィールドがあって周り4段の席がある
アビーはそのままフィールドの中に入って行った
手招きして叫ぶ
「ヘイ!」
さっき呼んだのを覚えていたのかしら。私とラスティもテクテク入っていく
すると、闘技場のフィールドと同じように閉じ込められるような感じがした