表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉄の馬を佩く  作者: テーさん
16/22

人のいない町2

冒険者風の人達は十人を超えていたので、数えるのはやめた。立ち上がり、手を振ってくれている


どうしたらいいのか全く分からない。敵の出てきた扉に行くのが正解なのか。鍵の使える扉を探してそこから出ないといけないのか。もたもたしていたら時間制限があるかもしれない


「アリオ、どうすればいいのかな?」

ラスティがアリオに向かって話しかけている。冒険者風の人達、もう略して冒険人でいいや、に言葉通じないアピールをしているのだ


少なくとも敵ではないが、観客だってことは悪意を持たずに見ていて面白い方に誘導される危険もある

信用はできない。私的には悪手だと思う


『いつから見られてたの?』

紀州に聞くと、ゴーレムの途中かららしい。ロボット化を解くところも出来れば見られたくない

別の階でさんざんやらかした後だけど。


なんと、冒険人たちは席を立って出ていこうとしている。引き留めるのはやめておいた

その中の一人が鍵を開ける動作をして、アリオに向かって闘技場のフィールドに行けという感じのジェスチャーをして見せた。

そして笑顔で出て行った


私達だけになったので、ロボット化を解いて今は9人になったメンバー全員でフィールド上で鍵が使える何かを探す。扉は開いているところしか見当たらない


そう、敵の出てきた扉は開いたままだ

扉の向こうはやっぱり真っ暗で、光が差し込まない

「入りますか」

疑問形ではなくヘンデクが言う。フィールド上の結界が解かれているのだからそのままここから出るか、この黒いところに入るかの二択


お約束だが9人で手をつないで入っていく。入ると小部屋だった。

テーブルの上には食べ物が乗っている。大皿の上には調理された何かの丸焼き。頭とかは落としてあるので何かは分からないけど。こんなに大きくて中まで火が通っているのかな

ワインが入っていそうな瓶が9本。色付き瓶なので中身は解らないが水かも知れない

そして他にもいろいろな料理が並んでいる

戦っていないものも含めてメンバー全員分なのだろうが量が多い

「食べる勇気のある人~」

沈黙。しかし、私は空腹に耐えられなかった。パッと手をあげた。

アリオもあげていた。ここに来てから初めてのまともな食事


「私はアンドロイドですし、ほかの全員が死んでも何とかなりますよ。冷めてしまう前に食べませんか?」

湯気を上げる丸焼きを前にしり込みしてしまう。紀州がササっとアイテムボックスに回収した

炒め物の大皿や、茹でた鶏肉?をのせたサラダや鍋はまだあるのだからいただく事にしましょう

「いただきます!」

お箸は無かったけど、ナイフとフォークは知っているものと同じようなもので、金属製だ


結局、残した。鍋のシチューのようなものは取り合いになったが、丸焼き抜きでも量は多かった

主食系のパン類もなかったので、おかずでお腹いっぱいって感じ

エルマが、残ったサラダをアイテムボックスに入れたり出したりしている。盛り付けとかも全くそのまま出てきている

残した食事もすべて回収しておく

「ごちそうさまでした」


瓶の中身はワインだったので、飲まずにしまい込んだ

水は結局魔法で出した、なんちゃって水をワイングラスで飲んで、この部屋の食器類も洗浄魔法で綺麗にしてから1人1セットずつ持って帰る事にした。お皿、フォークとナイフとスプーンはありがたいですな


もらえるものは全て頂いておこう作戦だ

そして、入ってきた方とは反対側の扉に鍵穴があったのでラスティが差し込もうとしたときに

「ちょっと待って」

エルマが止めて、鍵を使わずに扉を開けた


部屋じゃなくて棚だった。

中ほどの段に5cmほどの香水瓶のような小瓶が9個。ただそれだけだった

意外と人がいました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ