迷路4
目の前の扉の向こうは真っ暗だ。何処かに続く道だ
『そっちに合流した方がいいか?』
ヘンデク達が聞いてくる。
今までの扉は次の場所に出たら戻ることが出来ない仕様になっていた(振り返ってみても扉はなかった)
だから、扉を通ってしまうとそこの扉がどうなるか、同じ場所に繋がっているのか判らない
『合流はしよう。だけど、全員で飛び込むのはやめておこう』
アリオは顎に手を当てたまま、じっと考えこんでいる
チりン、チリン!自転車のベルをめったやたらに鳴らしまくって三人がサイクリング車で現れた
ダンジョン内部を自転車に乗って駆け巡る!
その体にフィットするウェアは何!エルマはナイスバディだからいいけど私は無理だよ
それにアンデッド系しか出てきていないからって、その軽装は怖いです。勇気あるな
何て言っても手が塞がっているもの
「一郎さん出る気あるなら先に一緒に行ってほしい」
そう言う紀州と、ヘンデクが先発隊に行く気のようだ。爽やかな雰囲気のヘンデクって自転車に乗っていても違和感がない
「じゃ、行ってらっしゃい」
ラスティが笑って手を振る
ヘンデク、紀州、一郎が手をつないで暗闇に向かって行った
音はしなかったけど、バタンと扉が閉まったその瞬間、私達は通路の扉の前に立っていた
さっきと同じ場面?
「もしかして」「もう一度なのか?」
アリオと私の声が重なった。私は恐る恐る扉を開けた
しまった!ついつい開けてしまった
中には黒い亡霊がビュンビュン飛び回っている。恐らく奥に大きな亡霊がいるに違いない。
そっと扉を閉めた
中に入らなくてもいいし、閉めれるんだね
「紀州達からの連絡を待ちましょうよ」
エルマの意見はもっともだ。ここでは全く他の冒険者たちにも合わなかったし、焦ることもない
『天井が高いけど、また迷路だよ』
ヘンデクの声がプレートから伝わってくる。映像も入るが確かにここと似ている
こちらの方は曲がり角から大量のゾンビが現れた。気持ち悪いんだってば
「浄化!浄化!浄化!」
大声でエルマが叫びまくって、ゾンビを砂と石に変えてる。
死んじゃったトラウマあるもんね。砂も石も上手に回収している
反対側から現れた亡霊を私も倒す
『うわぁ、ゴーレムだよ。巨人の倍以上の大きさだ』
スケルトンも出てきている。一郎が一気に蹴散らしているようだ
しかし、ゆっくりとはしていられなかった。こっちにゾンビやスケルトンが絶え間なく出てくるようになったからだ
仕方なく部屋に入った。
亡霊軍団との戦いだ。
二度目なのであっさりと終了。扉を開けてみんなで手をつないで入った