ステータス確認
僕たちがいざ竜皇国に向かおうとしていたら、思い出したようにジルベルさんが話し出した
「そういえば守よ、おぬしのステータスはどうなっておる?一度見せてくれんかのぅ」
「・・・・・・ステータスって何です?」
「ステータスとは、自身の能力を数値化したものだ、守の世界にはなかったのか?」
「そんな便利なものありませんよ、皆体感でなんとなく自分の限界を知っています」
「・・・なんと!不便じゃのぅ、困らなかったのか?、敵と戦うときとか・・・」
「いや・・・それは・・・でも、それが普通だったし・・・・・・」
「そういうものかの、ああ、ステータスは心の中でステータスと唱えれば出てくるぞ、早速やってみてくれ」
ジルベルさんに急かされ、僕は半信半疑で心の中でステータスと唱えた、すると、目の前に薄く輝く大きな板が出てきた、
「おお、それじゃそれじゃ、見せてたもれ、」
「ああ、はい、どうぞ・・・」
僕が困惑していると、横からジルベルさんが板を掻っ攫っていった、ええ・・・僕より先に見ちゃうの?
「ふむ、ふむふむ、守のステータスはスピードアタッカー(速度重視の攻撃型)じゃな、基礎身体能力はすこしひくいかの、じゃが、敏捷が100も有るのは凄いぞ、これは即戦力じゃな」
「ちょっと、僕にも見せてくださいよ、もともと僕のステータスなんですから!」
そう言ってジルベルさんから板を取り返しじっくり確認する・・・おお!
名前 守
種族 ドラグーン(半竜人)
職業 無し
祝福 商売と交易の神フェア
体力 30(ゼロになると封印される、半竜人なので死なない)
魔力 20(魔力の総量ゼロになると気絶する)
気力 30(スタミナ、気力の総量ゼロになると気絶する)
筋力 80(力の強さ、相手に与えるダメージに影響する、筋力+敏捷=ダメージ)
耐久 10(肉体の頑丈さ、敵のダメージ総量が耐久を下回っていた場合ダメージを受けない)
敏捷 100(速度と回避率、敵の器用さが10の場合90パーセントの確率で攻撃をよけられる)
器用 50(命中率、敵の敏捷が50の場合100パーセントの確率で攻撃が当たる)
精神 20(魔法威力、魔法抵抗力、1の魔力を消費し20ダメージの攻撃ができる、また20の魔法威力を無効化する)
運 30(様々な補正がかかる)
魔力属性 雷(火、炎、水、氷、風、雷、土、木の8種類ある雷は風の上位強化版)
闘気資質 速(力、癒、体、速、特、の5種類がある)
ギフト 異世界通販 レベル10 現在、地球とオーロラの二種類を選択可能
お、おお、結構いい感じじゃない?
「結構いい感じじゃないですか、っていうか、普通の人のステータスが分らないから判断できないですけど・・・」
「普通はレベル1なら1~3じゃな、じゃがドラグーンなら40~50位じゃ、トータル的に少しだけ劣ってるのぅ」
「いや、常人の10倍の戦闘力なんていりませんから、こん位で十分です、というかレベル?、そんな表記は無かったですが?」
「レベルは職業に就けば与えられる、まあ、無職ならこんなもんかの・・・」
無職という言葉に言いしれない不安を覚えた、早く就職したい、・・・あれ、就職ってどこで出来るんだろう?
「就職は何処で出来るんですか?、此処で出来ますか?」
「此処では出来んのぅ、神殿に行かなければ、そうじゃの、竜皇国には神殿もある、早速行こうかの」
「おお、マジっすか、ぜひお願いします、そう言えば、職ってどんな物が有るんですか?」
「千差万別じゃよ、それこそ無限にある、戦士や魔法使いといったオーソドックスなものや宝石職人とかヘアメイクアーティストなどのニッチなものまで沢山あるぞ」
「それは好きなものになれるのですか?、例えば宝石職人にどうしても成りたい人がいて、狙いどうりなれるものなの?」
「うーむ、答えを先に言えば否じゃ、職は選択式で、表示されていない職にはなれぬ、しかし、ある程度の職は成るまでの過程が判明しているから余程希少な職でない限りなる事は出来ると思うぞ、さっき言った宝石職人なら、まず商人になり、次に細工師になれば、そして、両方のレベルが10ならば選択できるはずじゃ」
「へー、じゃ二つ同時に職ってとれるんですか?」
「いや、そうではない、一度商人のレベルを上げ次に細工師に転職、最後に宝石職人に転職じゃ」
「転職って物も有るんですか、・・・まるでゲームだな」
「ああ、あと偶にその者だけが成れる固有な職もある、これは総じて強力ではあるが本当に数が少ない、ワシも知っておるのは3人位じゃ」
「その3人の職業は?何だったんです?」
「1人目は魔界の鎖鎌使い、2人目は光輪の聖女、3人目は魔界の血の貴婦人じゃ」
・・・僕の職はなんだろう、どうせなら固有の職がいいな
「さて、もうそろそろ出発せねば、守よ準備は言いな?」
「準備って言っても・・・何もする事が無いんですが・・・」
「心の準備じゃ、竜皇国に着くまでワシにしがみ付いて行くのじゃからのぅ」
えッ、聞いてないんだけど!どの位の距離なんだろう
「うむ、大陸2つ分じゃ!意外と近いじゃろ?」
それは、普通に死ぬんじゃないかな、僕にはそれで生き残る姿が見えなかった
そんな時に洞窟の入り口付近から野太い声が聞こえた、僕が振り向くとそこには130センチ位の髭モジャでガッチリしたガタイの良いオッサンがいた・・・
「おーい、おーい、ジルベル様ー、今年の貢ぎ物もってきたぞー」
そんなことを言っている・・・・・・誰?このオッサン?