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入学式

 新入生もそろい、スタッフもそろい。

 数ヶ月の準備を経て、ようやく学園は入学式を迎えることが出来た。

「校長、いよいよ……ですね」

「ええ。それに……ちょっと緊張します」

 その言葉に、ルクレツィアは驚くように目を見開いて。

「校長でも、緊張するんですか?」

「誰だと思ってるの? 校長する前は、ただの一兵だよ。あまり人の前に出るのは、得意じゃない」

 そういった後、校長は放送で呼ばれて、壇上へと上がっていった。


「皆さん、ノウレッジ学園へようこそ。

 この学園は、突如襲ってきた敵であり、巨大で驚異的な強さを誇る宇宙怪獣……そう、『ヴァール』と対峙し、戦うパイロットを育成する学校となります。

 かつて、ヴァールと初めて対峙し、戦った【連合戦線】では、我が母星では多大な被害を受け、多くの人々が辛く悲しい日々を過ごしました。

 そして、迎えた【機甲大戦】。この戦いでは、多くの戦果を上げただけではなく、数多くの英雄をも生み出しました。皆さんもご存じの英雄大戦です。中には、身内の方が参加したという人がいるかもしれませんね。

 ですが……戦いはまだ終わっていません。

 また、ヴァールが襲ってこないとは限らないのです。

 相手は強大で、未知の部分が多いです。

 そんな彼らと対峙し、強靱な意志と力と技量を持って、戦って欲しい。

 そして一人でも多くの者達が、生きて帰還できるようにするのが、我々教員に課せられた課題であり、皆さんが越えていくものとなります。

 厳しいでしょう。

 辛いと思うことも、投げ出すこともあるかもしれません。

 それでも、皆さんには、この学園を卒業して、大いなる脅威と戦える戦士として、赴いていただきたい。

 そう、私は思っています。

 皆さんの手に、我々の未来はあります。


 改めて、皆さん、入学おめでとう!

 我々は、皆さんの入学を歓迎します」


 ルクレツィアの瞳には、涙がにじんでいた。

「いつの間に……でも、緊張しているとか言いながら、そんな素振り、全く見せてないじゃないですか、もう……」

 そういって、見られないうちに涙を拭い去ると、近づいてくる校長へと睨むのであった。


●学園名

ノウレッジ

英語で「知識」を意味する。

教練を施し、「知」を以て外敵を打ち倒す。そんな意味が込められている……のかも知れない。


●敵の名前

ヴァール

元はドイツ語で「クジラ」を表す言葉だったが、巨大な外敵を形容する言葉が見当たらない為、便宜上付けられた名前である。

しかし、正式名称を知っている人間は当然存在せず、便宜上使っていた名前がそのまま使用されるようになってしまった。

それだけ当時の混乱が凄まじかったという事でもある。


●大戦名

連合戦線

外敵との初邂逅を経て、人類の存続の為には手を結ぶこともやむなしとされた。

国家のしがらみ、企業の利益を度外視し、人類が一丸となって戦った事から(少なくとも表面上は)連合戦線と呼称された。


機甲大戦

先の連合戦線で得た情報から、ある程度はHFの効率・効果的運用が可能となった。戦場を駆け抜けるHFが大きな印象となり、機甲大戦と呼称される。

ただし、この機甲大戦ではHFだけではなく、それを操るパイロットも大きく印象に残った。その為、この戦いを英雄大戦と呼ぶ者も少なくはない。


上記発案:秋久 麻衣 さま

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