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グラウンドでの一幕

 銀髪の青年、いや、この学園の校長の姿は、学園のグラウンドに立っていた。

 傍らには、あの秘書であるルクレツィアを従えて。

「Heroic Frame (ヒロイック・フレーム)、略称HF、か」

 彼の愛機がそのワンオフ機であった。

 目の前にあるのは、その練習機。

「ガーディアンⅡ、ですね」

 ルクレツィアの言葉に校長は、力強く頷いてみせた。

「僕達が戦果を上げた大戦よりも、前の戦線で活躍した名機だよ。エイリアンと初めて邂逅をを果たした、あの悲劇の戦いの、だね。彼らのおかげで、なんとか始めの戦いを撃退という形で迎えることが出来たんだよ。もっとも、こっちは大打撃。もう少しでやられてたのは、僕らの方だったかもしれない」

 ゆっくりと校長は灰色に輝く機体に近づき、見上げる。

「確か、そのときも校長は戦ったのですよね?」

「まあね、酷い戦いだったよ。僕も酷い戦い方をした。あんな戦いをしないよう、僕らはこれから来る生徒達に教えなくてはいけないし、伝えなくてはならない」

「私は……ただ、メディアで見ただけで真の戦いというのは、よく知りません」

 その言葉に校長はふっと笑みを浮かべた。

「? 校長?」

「ああ、不快にさせてしまったかな? けれど、君のような戦いを知らない者達がいるというのが、嬉しくてね。戦いという物は、知らない方がいいんだよ。知らなければ、戦うという選択は滅多に出てこない」

「…………」

 ごめんと、校長はもう一度、謝った。

「この学園を始めるっていう者がこんなこと言ったら、怒られてしまうね。まあ、現に怒られてしまっているけれど」

 そっと、綺麗な機体を触りながら、校長は続ける。

「灰色の機体ならば、後でペイントするのも楽そうだね。この『子』もこれから来る『相棒』を楽しみにしているみたいだしね」

 さてと、校長は振り向き、ルクレツィアを見た。

「もうすぐ、僕の愛機も来るそうだね。軍は所持したくないって投げ出したから、慰めてあげないと」

「慰めるって、相手は機械、ですよ?」

 ルクレツィアは不思議な面持ちで、口を挟んだ。

「ふふ、かもしれないし、そうじゃないかもしれない」

「??」

「さて、行こう。そろそろ船が着く時間だよ」

「は、はい」

 校長は少し機嫌が良いのか、鼻歌を歌いながら、グラウンドを後にしたのだった。

人間側が使う機動兵器の名称および、練習機設定:XICSさん


以下、詳しい設定です。

名前:ガーディアンⅡ

形式番号:HF-F-55002

全高:8.8m

動力:高出力バッテリー

色:灰色(練習機)、ダークグレー(実戦機)

武器(練習機用):

ペイントガン×1、疑似ソード×1

武器(実戦用):

HF-FW-306ビームガン×1、HF-FW-206ビームソード×1、HF-FW-506頭部ビームバルカン×2

概要:

エイリアンに対抗して造られたヒロイック・フレーム。十数年前はエイリアンとの戦いで大量に量産されて戦争に投入されたが、現在は新しく造られた量産機(ガーディアンⅢ、ガーディアンⅣ)が戦闘の主力になっており、大半が戦線から退いている(それでもこの機体を好んで使い続けるパイロットはいるが)。その後は学園の練習機として使われるものもあれば、宇宙船の修繕や製造を行う作業用の機械として民間企業に払い下げられたものもある。

練習機として基本的な動作は全て学べるようになっており、模擬戦用の装備も整っている(バルカンは練習機ではOSを弄られて使えなくなっている)。しかしいざとなれば、リミッターを外したり換装したりして練習機を実戦仕様にすることもできる。

ビームガンやビームソードは型落ちのもので出力は低いが、最低限の戦闘はこなすことができるようになっている。バルカンは専ら牽制に用いる。エースパイロットの中には、装備の一部を換装して自分専用の機体に仕上げている者もいる(それはガーディアンⅢとⅣも同じ)。


特徴

装甲はスチール合金でできており、分厚い装甲が中のパイロットを守る。

カメラアイはツインアイを採用しており、保護のためにゴーグルのような形状のバイザーを装着している。


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