表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

新しい学校生活のはじまり シーン1:もうすぐテストだ、勉強しよう!

 サンドーノはさっそく、テストのための体力作りや勉強をボイコットしようと、こそこそと教室を離れようと……。

「おっ、サンドーノ!! わざわざジャージに着替えて、やる気満々だな!!」

「え、あ……これは……」

 制服を汚したくない一心で、着替えただけなのだが。熱血で熱い先生、ベルンには、それが全く、欠片ほど理解されていない。そう、ボイコットしようとしているなんて、微塵も感じていない。

「えっと……先生?」

「さあ、行くぞ!! やる気のある生徒は大好きだ! しかもお前はあの英雄の弟だからな、期待して居るぞ」

「え……あ……その……」

 逃げようとしたのだが、ベルンのガッツリホールドに抵抗できる力は、残念ながら、サンドーノ、持ち合わせていなかった。

 ちょっぴり涙目で、ベルンに引きずられながら、サンドーノは外のグラウンドへと運ばれていった。


「フィリア、大丈夫?」

 少しだけしんどそうに走っているのは、フィリア。ライは、汗をかきながらも、まだ余裕を残しているようだ。

「まあ……なんとか、ね……。でも、あの先頭に行ってる……えっと黒髪のあの子」

「ああ、アキラだね。確か体力はあるって言ってたっけ」

「そうそう、そのアキラ! 凄すぎない? こんなに差を付けられちゃって……」

「悔しいの?」

「私、運動しか取り柄がないから……これはもう少し、走り込まないと、だな……」

 むっとした表情を浮かべて、フィリアは徐々にそのスピードをあげていく。

「ちょ、無茶したらダメだよ。先生も言ってたじゃないか」

「少しくらい無理してもいいの! だって、校長先生に見て貰いたいもの!」

 突き進むフィリアに、ライは思わずため息をついて、彼女の後を追いかけるのであった。


 と、もの凄く後ろの方では……。

「ぜえっ、ぜえっ……て、天才に腕っ節や足の速さなど不要……最後にモノを言うのは頭脳なのだっ……」

 エメットがふらふらしながら、走っていた。

 その隣では、かなり余裕の顔で、メルヴィナがやる気なさそうに走っている。

 ついでに先ほど捕まったサンドーノは、エメットと同じようにへろへろになっていた。

「だ、だから……休みたかったのに……」

「ほらー、三人とも、頑張ってー!! まだまだ先は長いわよー!」

 後ろから、自転車に乗ったシエナが応援していく。

「……なんか面倒になってきた。先に行こ」

「え? ちょ……」

「抜け駆け……なんて、ゆる……さない……ぞっ!」

 止めようとするサンドーノとむきーと不機嫌になっているエメットを余所に、とっとと先へ向かい。

「お、頑張ってるな。あまり無理するなよ」

 と、歓迎会に使う荷物を運ぶグレイグと、もう一人。

「ん? ……ああ、走ってるのか。まあ、頑張れよ」

 クレイグの荷物運びを手伝う、リンフォードが声を掛けた。リンフォードは走る学生ら全員へと声を掛けたつもりだったのだが。

「リン!? ええ、ええ!! メルは貴方のためにトップを目指すわ!! 今から!!」

 驚くべきスピードでメルヴィナは駆け出す。

「ちょ、ちょっとメルヴィナ!! ペース速すぎよ!!」

 シエナが急いで、メルヴィナの後を追う。

「……大丈夫かな、彼女」

「大丈夫なんじゃないか。……たぶん」

 クレイグの言葉に、リンフォードはちょっぴり心配そうに駆けてゆく生徒らを見送ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ