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新解釈童話・昔話シリーズ

赤ずきんの下

作者: イソジン

久しぶりに新解釈昔話書いてみました。

今回は赤ずきんちゃんです。

ずっとなんで赤いずきんを被ってるのかな…って考えていて、そっから発想をとばしました!

とある田舎の町に【ミッシェル】と言う女の子がお母さんと住んでいた。

その子はいつも赤いずきんを被っていることから町では赤ずきんちゃんと呼ばれていた。


でもなぜ彼女がずきんを被っているのかは誰も知らない…


「お母さん。このずきんもうキツいからそろそろ新しいの作って」

「そうね…。」

ミッシェルが生れた町では小さい女の子はずきんを被る文化があります。

しかしミッシェルはある程度大きくなってもずきんを脱ぐことはなくミッシェルの同世代でいまだに被っているのはミッシェル一人でした。

お母さんもその事を心配していました。家でもずきんを被っていないときを見たことがありません。

なぜそこまでミッシェルはずきんを手放さないのか不思議でなりませんでした。


「ミッシェル…そろそろずきんやめにしたら?町で赤ずきんちゃんなんて呼ばれてるのよ?恥ずかしくないの??」

「…そんなことない。お母さんには関係ないことなんだから好きにさせて!!」

今までにないほどの大きな声でミッシェルは怒鳴ると家を出ていってしまいました。


ミッシェルは行く宛もなく、家の裏の窓に反射して写る自分を見ていました。

「私だって…もうずきんを脱いで生活したいよ…。でもこれじゃ人前で歩けない…。」

ミッシェルのずきんの下。頭の上には犬のような耳がはえていました。

いつもはえているわけではないのですが怪我したり泣いたり嫌なことがあると、はえてきてしまうのです。


それに気づいたのは6歳のとき友達と追いかけっこしていたときでした。

友達を追いかけていたところ転んでしまいずきんがぬげました。そして泣いていると友達がよってきて言ったのです。

「頭になんかはえてるよ?」

頭をさわると耳が生えていました。そっちから音が聞こえるとかそんなこともなくただあるだけのようでしたが確かに髪の毛の間からはえていたのです。

友達はどうにか言いくるめ偽物だと思わせることができたのですが何回も続いてしまってはそれもできなくなってしまいますし気味悪がられてしまいます。

それ以来。家でも家族の前でもずきんは脱がないようにしました。いつ耳がはえてきてもいいように…



ミッシェルは泣くのが落ち着くとまたずきんを被り、家に帰りました。


家に帰るとお母さんと目が合いました。

「さっきはごめんね…ミッシェル。なにか理由があるのよね?なのにあんな言い方ないよねごめんね。」

お母さんはなにも悪くありません。それは自分でもわかっていました。

「もういいから。」

「うん。あ、ずきん作っておくからね。だから私のお願いも一個聞いてほしいんだけど…」

お母さんは指を申し訳なさそうに一本立たせてそういいます。

「いいわよ。なあに?お母さん」

「これをおばあちゃんのところに持っていってほしいの」

そういうとお母さんは木のカゴに入ったアップルパイを手渡します。

さっき怒鳴ってしまった罪悪感もありいつもなら嫌だという所なのですが引き受けました。



おばあちゃんの家は町から回ると一時間かかるところにあります。

「ミッシェル。気を付けてね。町の方からいくのよ?時間はかかるけど安全なんだから。ね?」

お母さんは念をおしてきます。

「わかったよ!」

そういったのですがミッシェルは町の方に行くように見せかけ森の方に行きました。

実は森の方から抜けると30分で行くことができるのです。しかし森には狼や、悪い人がいるらしく一人では行ってはいけないと言われていました。

「30分も早く行けるんだからこっちに道作ればいいのに…町長は本当に…」

そんなことをいいながらミッシェルは少し薄暗い森を歩いています。

10分ほどたったでしょうか。森の中にお花畑を見つけました。

「これ、おばあちゃんに持っていったら喜ぶよね。摘んでいこう!あんまり早く行きすぎてもお母さんにバレちゃうしね。」


「赤いのと…黄色いのと…」

10分ぐらいたったでしょうか。花を少し摘んでいると後ろから視線を感じます。

「誰かいるの?」

返事はありません。怖くなりミッシェルは急いでおばあちゃんの家に行きました。。


おばあちゃんの家につくとおばあちゃんは顔まで布団をかけて寝ています。

「おばあちゃん。ミッシェルだけどー、これお母さんに頼まれて持ってきたよ。」

「あ、ミッシェル…ありがとうね。どれ、こっちに来て顔を見せておくれ…」

おばあちゃんは鼻声?でとても苦しそうに話していました。

「おばあちゃん調子わるいの?どうしたの??」

近くによると獣臭いような気がします。そう思ったのも束の間、布団が勢いよくめくれ中から175cmはあるでしょうか。男が出てきます。

「ふふはっははははは。かかったな!!俺は人狼のオレオ。お前を食べるために待っていた!!」

「…人狼?」

「ミッシェルと言ったか小娘。人狼も知らないでよく生きてこれたな。どうせ死ぬんだ教えてやるよ。ほら俺の頭を見てみろ」

男は少ししゃがむと頭を見せてきます。

頭には耳がはえていました。

「見えるか小娘!耳がはえているだろ?これが人狼の証だ。俺はまだ子供だからこれだけだが大人になると満月を見ることによってもっと狼によった姿にもなれるんだ。どうだ!怖いか!!」

「う、…うそ…」

「嘘じゃねぇぞ!!泣いたってもうどうしようもないさ!!食う前に顔をしっかりみたいな。」

オレオはミッシェルのずきんを取ります。

するとずきんの下からピョコンと耳が出てきました。

「はぁ!!!お前も人狼かよ!!早く言えよ!!!泣く演技までしやがって!!!」

オレオは残念そうに肩をおろします。

「私…人狼だったのね…」

「なんだ?知らなかったのか?」

「ずっとこの耳がいやで隠して生きてきたの…ほら…こうやって泣いちゃうと出てきちゃって…」

「え?自分で狼化コントロールできないのかよ。。それじゃ人間食べれなかっただろ。まぁ俺もまだ食べたことないんだけど…」

「人間なんか食べないわ!!でも…これコントロールできるの?」

「ん?あ、ああ。見てろ」

そういうとオレオは耳をしまいます。

「なんかこう。シュッ。ピタッ。って感じだぞ。」

「分かりにくい…あ、そういえばおばあちゃんはどうしたの!もしかして…」

冷静になったミッシェルはおばあちゃんのことが気になりました。

「食べるわけないだろ。老人は美味しくないって言ってた。」

「ならいいけど。おばあちゃんどこ行っちゃったんだろう。」

「さっきお前が花摘んでるときに後ろ通っていったぞ」

「すれ違っちゃった。。って。え?花摘んでたの何で知ってるの??」

「美味しそうな子がいるなって思って見てたんだー」

「こっわ。ストーカーかよ。」

「は?なんか急に強気だな。あんまバカにしてっと痛い目みんぞ?」

「できるの?人食べたことないんでしょ??」

「ん。まぁ…」

「あなたの家につれていってよ。」

「急になんだよ。嫌だよ。」

「私もそこで生まれたかも知れないでしょ?早く。」

「うるせぇ女だな。わかったよ連れてきゃいいんだろ。」


ミッシェルは机におばあちゃん宛の置き手紙を書くとオレオについて行くことにしました。。


森の奥を進んでいくと集落が見えてきました

集落に入るとオレオと同じくらいの身長をした男がよってきます。

「お?オレオが女の子連れてきたぞ!!!ヒューヒュー。どこの村の子だよ!!」

「うるせぇ!カルマ!それにこいつは人の村の子だよ!」

「…お前…なるほどな。その子を食うのか。すごいな。いいなー」

「だからうるせぇ家帰れ!」

「よろしくやれよww」

そういうと男は私に手を振ってどこかえ行きました。

「ここが俺の家だ。お前の状況はめんどくさいからお前が自分で話せよ?」

「ありがとう。オレオ」

「名前で呼ぶんじゃねぇよ小娘」

「年同じくらいでしょ」

「うるせぇ。小さいから小娘なんだ!!」


家に入るとオレオの家族がいました。オレオがみんなを集めてくれ私は今までのことを話したのでした…


「なるほどな…それは大変だったな。お前お父さんは?」

オレオのお父さんが言います

「わかりません。物心ついたときにはお母さん一人でした。」

「お母さんと顔似てるか?」

「よく似ていないって言われます。」

「年は?」

「今年で16です。」

「なるほどなるほど…。お前はフェルトさんの家の子だな…」

オレオのお父さんがそういうと

「あ、ほんとに言われてみればフェルトさんの奥さんにそっくりだわ」

オレオのお母さんもうなずきながらそういいます。

「16年前。私もこのバカ息子を産んだんだけどね。フェルトさんの家でも赤ちゃんが生まれたのよ。でもその日満月でね…フェルトさんあんまり狼化コントロール上手じゃなかったし、産後だったのもあって狼になりすぎちゃってね…我も忘れて人里に降りていってしまったのよ…狼の姿で。それで猟師に…」


「じゃ…私はそのときに…」


「そうだと思うわ。きっとあなたは拾われてそこまで育ててもらったのね…辛かったでしょ…でも大人になる前に気づけてよかったね。あと少しで家族を狼になって襲ってしまうところだったのよ。」


「…よかった」


「それと…オレオ…」

お母さんはさっきまでとはまた違った暗い声でオレオに話しかけます。

「なんだよ母ちゃん」

「人を食べるって…そういうことじゃないのよ…我を忘れて狼化したならともかく…どんだけばかなのあんたは…」

「え?違うの??え?」

「そこまでバカだと思ってなかったわ…さすがに頭がいたいわ私…」

オレオのお母さんは頭に手を当てている。

「じゃ、どういう…」

「カルマ君にでも聞いてきなさい…」

「わ、わかった!聞いてくる」

走って聞きに言ったオレオがひどく赤い顔をして帰ってきたのは言うまでもない。


「たまにおいで。そのときはこのバカ息子を向かわせるから安全にここまでこれるよ。コントロールの仕方覚えないとね!」

「バカ息子バカ息子って!…」

「ありがとうございます。また来ます。」

「あ、人間には人狼だって言わない方がいいわよ。このバカみたいに人間食べるって思ってるから。後お母さんともそのまま仲良くするよの?実の親じゃないのにしっかり育ててくれたんだから」

「そうですね。あ、これ以上遅くなるとお母さん心配するので帰ります。」

「ほら!オレオ送ってきなさい。」

「は、はい…」


来るまでは俺についてこいと言わんばかりに歩いていたオレオだが恥ずかしいのか下を向いて一言も話さない

「オレオwwwさっきまでの調子はどうしたのーwww私を食べるんだっけ??ww」

「もう…やめて…ごめんって…」


からかいながらあっという間に家につく。

「なんだ…その悪かったな…」

「いや。ありがとう!オレオのおかげで私のことがよく知れたし。」

「またな。ミッシェル」

「うん。ばいばいオレオ」



家に入るとおばあちゃんとお母さんが話をしていた。

「遅かったわね。ミッシェル」

「すれ違っちゃったみたいでごめんよぉミッシェル」

「んーん。大丈夫!それより早くご飯食べよう!」


私は途中で摘んだ花を二人に渡すと久しぶりに笑顔でご飯を食べたのでした。






このあとオレオはミッシェルを食べれたんですかね(笑)

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