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彼自身と彼の思い出の話  作者: 毛利 俊彦
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Ⅲ.雲のない夜に星が空に見えることと同じように

 少年は狭い船内の座席に彼は座っていた。また、運転席には髪の薄い中年の男性が座っていた。少年のことに気づいているのかいないのか、毎日と同じ運行ルートを取っている。彼は少し時間があったので目をつぶって、今朝のことをもう一度考えていた。

 今朝起きた時の感覚を彼は、少年はよく覚えている。体を起き上がらせ、初めて思ったのは「何かが欠けている」ということだった。秋に足元に枯れ葉の落ちていない裸木を見ているような気持ちだった、入り組んだ結果だけ残して原因が消えてしまった(あるいはその逆かもしれない)。彼はしばらくそのざわざわした気持ちを抱えながら自分の部屋の壁を眺めていた。すると旅に出よう、この空っぽを埋めに行こうというという気持ちが湧いてきた。それは至ってシンプルで自然なことのように彼には思えた。彼は支度を始めた。そこに強い熱情は無く、やはり何かが欠けていた。代わりに得たことがあるとしたら、この不思議な法則くらいだ。頭の中で何かをイメージしながら右手を左右に振る。するとイメージしたものがどこからともなく降ってくる。それを少年は、雲のない夜に星が空に見えることと同じように自然に受け入れていた。

 船のスピードが落ちたことに、彼は船の揺れで気づいた。どうやら目的の島に着いたらしい。


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