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9話 目覚めると


 それからどれくらい時間が経ったのか、僕は肌寒さを感じながら目を覚ました。

 周りを見ると、どうやら下が丁度川だったらしく、死にはしなかった様だ。


 「とにかく、場所を確認しないとな。現在地はどこか分かるかな?」

 『A.現在地はダンジョン<シキャント王国・実験場跡地>の219階層です』


 え、219階層?え、マジで?


 『A.事実です』

 「んなぁ、っ!っと、ここがそんな危険なところなら、大声は出さない方が良いな」


 しかし、これからどうするか。

 ここから動くのも危ないし、出来る事をやっておくかな。

 周辺探知を使って、一応近くに魔物は居ないのを確認する。

 最初は、ステータスの確認。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

«リツキ・アコウ»

«種族»

[人間<Lv28>]

«職業»

[勇者<Lv19>][創造士<Lv31>]

体力値 A

魔力値 S

筋力値 A

耐久値 A

敏捷値 A

知力値 S

精神値 SS

«スキル»

[固有スキル]

『創造<Lv5>』『英知<Lv4>』『オーラ魔法<Lv3>』

[創造スキル]

『絶対再生』

[種族スキル]

『幸運<Lv2>』『適応<Lv1>』『観察<Lv1>』

[職業スキル]

『異世界言語理解』『経験値1/2』『成長』『使徒化』『予想図』『自動調整』『性能強化』『素材調和』

[通常スキル]

『整理<Lv8>』『理解<Lv9>』『鑑定<Lv6>』『思考加速<Lv7>』『刀術<Lv9>』『周辺探知<Lv2>』『魔力視<Lv4>』『時空魔法<Lv2>』『淫魔法<Lv1>』

«称号»

[異界の勇者][創造神の加護][性の調教師][格上殺し(ジャイアントキリング)]


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 「うわ、凄い事になってるなぁ………まあ、あの親蜘蛛はLv的には僕達四人よりも格上だったし、それまでにも結構倒してたから、スキルの効果も合わされば当然なのかな?」


 ともあれ、詳細を確認する。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

『適応』

・様々な状況、現象に適応する。

『観察』

・視認した中で、違和感、変化を見抜く。

『使徒化』

・神の使徒<勇者>としての能力を一時的に解放して、全能力を急激に上昇させる。創造神の使徒は、スキル発動時、眼が青になる。

『自動調整』

・不具合を自動で調整する。

『性能強化』

・創造で創ったものの性能を、一段階上に強化する。

『素材調和』

・創造で使った素材同士を調和させて、完全に同調させる。

[格上殺し]

・格上の敵を殺した証。自分より強い相手と戦う時に、ステータス上昇補正。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 「やっぱり凄い事になってるなあ。まあ、今は嬉しい事だけど」


 ステータスの確認も終わり、次は装備の確認だ。

 どうやら、全て身に付けてはいたが、ヘッドフォン、ペンダントの二つが壊れていた。

 他は傷だらけだが、壊れてはいない。

 恐らく、僕が生き残れたのは守護のペンダントと、下が川だったお陰だろう。

 いくら絶対再生があっても、死んだらそれで終わりだからな。


 「まあ、無くなって必ずしも困る物じゃなかったから、別に良いかな。さて、もう確認は終わったけど…………そろそろ、移動してみるか。ここから動かない訳にもいかないし」


 助けが来る確率は、全く無いと言って良い。

 僕は、とりあえずこの階層の魔物を確認してみようと、一番近い位置に居る魔物に近づいていく。

 ばれない様に、こっそりと。

 そして、それを見てしまった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

«種族»

[狂恐竜(バーサークダイナソー)<Lv376>]

«スキル»

[種族スキル]

『狂化<LvMAX>』

[通常スキル]

『破噛み<LvMAX>』『竜鱗<LvMAX>』『突撃<LvMAX>』『割脚<LvMAX>』

«称号»

[狂う者]


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 どうやら、魔物の場合は能力値は見れない様だ。

 しかし、それでもこの魔物の異常な強さは分かる。

 しかも、この魔物と同じ位強い、もしくはこいつよりも強い反応がこのスキルの範囲内から沢山感じられるのだ。

 つまり、この強さの魔物がウジャウジャ居ることになる。

 僕は急いで、先程の川まで戻る。


 (何なんだよ、あの強さは!勝てる訳が無い、僕、詰んだ…………)


 精神的に大きなダメージを受けたので、川の水を飲んで、一息つく。

 しかし、そこで頭に声が響いた。


 『おい、お前。お前は人間か?』

 「!!?」


 その瞬間、地面に押しつけられる様な、強烈なプレッシャーを感じた。

 固まる身体をなんとか動かして、後ろに振り向く。

 そこには、白い体毛を血に汚し、赤い両目をギラギラと鋭く細めた僕の二倍程の大きさの狼が立っていた。


 『聞いているのか?お前は人間かと聞いている』

 「う、うん、僕は人間……名前は、リツキ・アコウだよ。それで、あの、君は………?」


 何でそんな事を聞くんだ?この階層に、人類は一人も来た事が無い筈じゃ…………。


 『俺か。俺は名持ちの魔物、名前はガイビャクだ』


 どうやら名持ち………普通よりも強い個体らしい。

 鑑定をガイビャクに向けて、使ってみる。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

«ガイビャク・ルートエンド»

«種族»

[白雷大狼<Lv2734>]

«スキル»

[固有スキル]

『雷神<LvMAX>』

[種族スキル]

『白雷砲<LvMAX>』『白雷脚<LvMAX>』『白雷刃<LvMAX>』

[通常スキル]

『飛刃<LvMAX>』『瞬歩<LvMAX>』『抉顎<LvMAX>』

«称号»

[元・勇者の従魔][白狼の雷帝]


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 どれも凄そうだけど、一番気になるのは、称号だ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

[元・勇者の従魔]

・勇者«アキト・タイラ»の従魔だった証。勇者を判別出来、通常よりも大幅に強くなる。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 勇者アキト…………僕達の何世代か前の勇者なんだろう。


 『お前からは……何故か我が主と同じものを感じる。お前は、今代の勇者、なのか?』

 「うん、僕は勇者だよ」

 『ふむ………ここで出会ったのも、何かの縁か。ついてこい、安全な場所に案内してやる』


 ガイビャクは、そう言って歩き始める。

 はっきり言って、まだ完全に信用は出来ないが、今はついていくしかないだろう。

 僕は遅れない様に、ガイビャクの後ろをついていった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 『ガハハハハハッ!そうか、今の地上はその様になっているのか!』

 「そうそう、ケーキは美味しかったよ。向こうの世界と同じ位の美味しさだった」


 あれから数時間後、僕とガイビャクはすっかり打ち解けていた。

 あの後案内されたのは、ガイビャクが普段寝床にしている、大きな空間だった。

 最初は緊張していたが、話している内に、いつの間にか警戒が解けていた。

 ガイビャクの話では、勇者アキトが死んだ後、勇者アキトが最後の力でガイビャクを安全な(ガイビャクにとっては)に転移させたみたいだ。

 まあ、こんなに強い魔物に主が居ないんじゃ、危険で仕方ないから、討伐されるだろうな。

 いくらガイビャクが強くても、ずっと戦い続ける事は出来ないし。

 ガイビャクが話した後は、僕がここに居る理由も話した。

 ガイビャクの話では、僕の実力では、魔物の相手をする事すら出来ないらしい。


 「じゃあ、どうするかなー。僕はここから出たいけど、ここで生きる事すらままならないなんて」

 『………リツキが良ければ、俺が鍛えてやろうか?お前は鍛えれば、なんとか一番弱い魔物には勝てる様になるかもしれないぞ。それに、上に上がっていくのは時間がかかるが、このダンジョンを攻略すれば、それよりも早く出られる』


 うーん、ガイビャクに鍛えてもらえるのか。

 正直言って、かなり魅力的な誘いだ。

 ダンジョンを攻略した方が早いなら、尚更だ。

 よし、決まりだな。


 『どうだ、やってみるか?』

 「うん、頼むよ、これから宜しくね、ガイビャク」

 『こちらこそ、だ。宜しくな、リツキ」


 こうして、僕は魔物に教えを乞う事になった。



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