先生、国語便覧は忘れ物に入りますか。
「入るに決まってんだろうが!この寿司野郎がああああああ!!!!!」
先生は怒り狂った。忘れ物チェックの際に、僕が「国語便覧は忘れ物に入りますか」と何の気なしに言った瞬間この有り様だ。
「え、だって使わないときの方が多いし」
先生のあまりもの怒りっぷりに若干引き気味ではあるが、一応口答えをしてみる。
「じゃあお前はあれか?使わないことの方が多いからってかいりきを覚えたポケモンをずっとパソコンに入れとくのか!?」
「僕は秘伝マシン用のポケモンを一匹入れて進めてるんで」
「だーったら国語便覧もそうしろよ。お前の鞄の中のパーティーに便覧も加えてやれよ。入れてあげないと可哀想だろうが。お前はなあ、せっかく捕まえた便覧にかいりきを覚えさせてマサキのパソコンに入れっぱなしにしているんだよ!!!」
「便覧にかいりきを覚えさせるっていうのは一体どういう理屈で…」
「うん、冷静に考えてみたら意味不明だった。今のは先生が悪い。とにかく忘れ物だから授業態度の点数を減点するからな」
先生は咳払いをした後、ビシッと僕を指さし減点を宣言した。人を指ささないの。
「それで今日の授業で便覧を使うんですか?」
「ん?使わないけど」
「え、だったら減点しなくていいじゃないですか!」
「駄目だ。忘れ物は忘れ物だ」
出た!たまに学校である意味不明な理屈。
「理不尽だ!清々しいまでの理不尽!大体、便覧なんてテスト前に『ここ出るからチェックしとけー』とか言うだけじゃないですか!」
こいつら国語教師は便覧なんてほとんど使わないくせにテスト範囲表にしれっと「便覧P.16~32」とか書きやがる!一体いつやったんだよ授業で!!!
そんで見てみたら故事成語とことわざ合わせて五十個って。覚えられるかそんなもん!!!挙句の果てにテストで実際に出たのは選択問題で二つってぶっ殺すぞホント!!!!
余りの理不尽さにこちらもヒートアップしてしまい、気付いたら先生を睨み付けていた。
「き、貴様!学生の分際で便覧を舐めるな!このイエローモンキーがああああああ!!」
「日本人から言われても全然ピンとこねえわその悪口!!!おめえもイエローモンキーだろうが!!!」
先生をイエローモンキー呼ばわりした僕は、その後職員室を通り越して校長室に呼ばれ、訓告処分になりましたとさ☆