始まったばかりのトリオ
ビットロト大陸…この世界で異世界からきたものはサバイバーとして生きていくしかない。
サバイバーとはギルド会館に登録した冒険者に与えられる称号である。
ブロンズランク、シルバーランク、ゴールドランクといった様にサバイバーはランク付けされている。
おれらはここに来たばかりの新人サバイバーだからブロンズランクのサバイバーだ。
現実が嫌になった俺は異世界に憧れていた。今までの生活基盤を捨てなけれならなくても俺はこの異世界での生活を望んだ。
この世界に来るには条件があり、男女を含めたトリオである事が条件だった。よく飲みにいく友達のたかひことゆかりを選びこの世界に来た。
二人が恐らく異世界での生活なんか望んでいないだろうと分かっていたが、どうしても異世界へ行きたい気持ちから二人を許可なく二人を選び、異世界への扉を開いた。
俺がこの異世界に連れて来なければ二人はごく普通な生活をしていたはずだ。俺も一般的な社会人だったがサボりぐせが原因で仕事を退職したばかりだった。職があったとしても恐らくこの世界を選んでいたとは思うけど。
この世界は本当の俺が望んでいた世界だった。剣を振ったり、弓を射たり、魔法を唱えたりして化物と戦う完全に異世界だ。怪物から奪った戦利品を商業施設でサイダーと言われる通貨に交換して生活費を稼ぎ生きていく。サイダーを集めれば自宅を購入することだってできるし、土地を買えば会社も設立する事もできるらしい。
だから今、俺たちトリオは怪物を見たさで最初の森に向かって歩いている。
「いやー、この世界に飛ばされて良かったわー。なぁーお前らもそう思うだろう。」
「は?!何を言ってんの仕事の最中にこんな所に急に飛ばされていい気な訳ないだろ。商品の納品のために車で移動の最中だったんだぞ。」
「そうだよ。私だってこれから出勤して仕込みする予定だったのよ。てか、なんでこんな意味不明な世界で変な化物と戦わなければならないの。」
「まあまあ、俺もなんでこんな世界に来てしまったのか分からないけどさ、生きていくためには仕方ないんだろ。まずは怪物がどんなもんか見てみたいしさ・・・・。そんな事より、たかひこ前。まえ!」ジュエル(怪物)がたかひこの顔に取り付いてきた…。
「おい!まづぃ‥かぁよ。」たかひこは焦りから手をバタバタして暴れている。こっちを見ているたかひこが『なんとかしてくれー。』と助けを求めている様に見える。
トリオの異世界生活はここから始じまった。