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「凛には迷惑かもしれないけど、でもこの気持ちを伝えたかったから。それだけ」
本当にそれだけで、理子はすぐにいつものお調子者の顔になって、お腹空いちゃった、教室に戻ろうといった。
でも理子の告白は、その後もなんどか続いた。
ところ構わずというわけでもなかったけど、ふたりきっりになったら大抵は、あの時のように真剣な顔つきなって、想いをふた文字に込めて私にいい放った。
まっすぐな性格の理子のことだから、言葉に出して伝えることが一番自分らしいやり方だったのかもしれないけど、私としてはそうなんどもいい寄られるとかえって煩わしさを感じて、次第に理子と距離を置くようになった。
そんな私の態度をわかっていながら、理子は構わず私に声をかけては絡んできた。