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「ねぇ、凛。一緒にごはん食べようよ」
「あのさ、凛。ちょっと宿題で訊きたいことがあるんだけど」
「凛、この後ヒマ?」
何かにつけて理子は私に絡んできた。
理子は高校に入って知り合った娘で、つき合いとしてはまだ一年半。なんの奇縁か二年生になっても同じクラスだった。
小柄でクセ毛のショート、クリクリの瞳と整った鼻筋はどこか犬っぽく、どこのクラスにもひとりはいる憎めないお調子者で、それゆえ男女問わず友達も多く、先輩や後輩はもちろん、先生からも好かれていた。裏表のないまっすぐな性格は嫌いじゃないけど、時々空気を読めない態度は好きじゃなかった。
もちろんそれだけが理由ではないのだけど――。