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もしもそういう未来があるのなら、私はそっちを選びたい。
そしておばあちゃんになってもずっとずっとずーっと、こうして理子のそばにいたい。
でももし、そんな未来がなかったら?
なかったら――作っていけば、いい。
そう。理子と一緒に、ふたりで積み木を重ねていけばいい。
理子とふたりなら、きっとできるはず。
私ひとりでは一度も完成しなかった塔が。
この展望台なんかよりも、ずっとずっと高い塔が。
ひょっとしたら天国に届くかもしれない。
そしたらおばあちゃんに私のことちゃんと紹介してもらおう。好きな人だよって。
ねえ、理子。
理子――。




