27/32
27
ずっと私を好きでいてくれた。
これからもずっとずっと好きでい続けるといってくれた。
それが上辺だけじゃないことは、手のひらで感じたあの途絶えることのない優しい響きからも明らかだった。
そんな理子に、私はウソをついて――あまつさえ、神さまになってすべて壊してしまおうとまでして。
本当は誰よりも、壊れてしまうことを恐れていたはずなのに。
それはきっと、理子も同じはずで。
「ねぇ、理子」
置きっぱなしにしていたスクールバッグを取ろうと離れかけた理子の手を、私はぎゅっと握った。
理子の動きが一瞬止まる。
振り返られたら、理子の顔を見たらきっといえないだろうから、言葉にするならその時だったのに。
私の口は開きかけたまま止まってしまった。




