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「そんなのわかってる」
わかってるけど。
でも。
「不安だよね。怖いよね」
あたしも同じだよ、といって理子は少し声を落とした。
「あたしは凛のことが好き。本当に、誰よりも大好き。この気持ちがずっと続けばいいって思ってる。思ってるけど、凛のいうようにこれから先はさ、正直にいってあたしだってよくわかんないよ。そう考えたらさ、やっぱり怖いよ。不安だよ。この気持ちがウソなのかなって、夢みたいにいつか覚めちゃうのかなって」
でもさ、と理子は強くいって、そしてこう続けた。
「そういう未来があるなら、そうじゃない未来だってあるはずでしょ? 夜に見る夢は覚めちゃうかもしれないけど、未来に見る夢はさ、覚めないじゃん? だったらあたしはそっちの夢を見ようって思う」




