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「凛はさ、いつも一生懸命だよね。あたしは学校での凛しか知らないけど、でも誰よりも努力してるところとか、自分に厳しいところとか、本当は負けず嫌いなところとか――そういうのって昨日今日の話じゃなくて、きっとずっと前からそうだったんだよね。そうじゃなかったら、どこかで投げ出しちゃってるもん。でも凛は一度もしなかったよね。あたしね、凛のそういうところが好きなの。顔とか、性格とかじゃなくて、誰よりも努力して、自分に厳しくて、負けず嫌いで、いつも一生懸命な凛が、本当に好きなの」
大好きなの、と理子はまっすぐ私を見つめていった。
「凛はさ、本当に一生懸命だから、今だけじゃなくて、きっとずっと先のことまで考えてるんだと思う。でもずっと先に起こることはずっと先にしか起こらなくて、今それが起こるわけじゃないから――今はさ、今しかないんだよ」




