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「私は理子が嫌い」
自分でもわかるほどに、それは弱々しい声だった。だから間を置かずに、今度はいくらか語気を強めてもう一度いい放った。眼下に広がる街並みに届けとばかりに。
「私は理子が嫌い」
でも理子は、私の言葉なんか耳に入らないとでもいうように、
「あたし、凛が好き」
と、またしても同じ言葉をくり返した。
まっすぐ、私だけを見つめて。
校舎裏で初めて口にした時と、声も視線も何ひとつ変わらないまま。
本当に何ひとつ変わらないまま。
「あたし、凛が好き」
「私は理子が嫌い」
自分でもわかるほどに、それは弱々しい声だった。だから間を置かずに、今度はいくらか語気を強めてもう一度いい放った。眼下に広がる街並みに届けとばかりに。
「私は理子が嫌い」
でも理子は、私の言葉なんか耳に入らないとでもいうように、
「あたし、凛が好き」
と、またしても同じ言葉をくり返した。
まっすぐ、私だけを見つめて。
校舎裏で初めて口にした時と、声も視線も何ひとつ変わらないまま。
本当に何ひとつ変わらないまま。
「あたし、凛が好き」
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