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この先ずっと理子が私を好きでい続けられると誰がいえるだろう。理子本人でさえそれは難しいはずだった。口ではなんとでもいえるし、宣言でも誓いでも同じ、いうだけなら簡単なのだから。
そもそも私のどこを好きになったというのだろう。
見た目?
それとも性格?
どちらにしろ、それは勘違いだといっていい。齢を取れば顔も姿も変わってくるし、性格にしても今のままでいられるかはわからない。
完璧や永遠なんてどこにもないのだから。
すべては夢。
そう、夢なのだ。
きっと理子の夢もいつかは覚めてしまう。
塔を作るという私の夢が簡単に崩れてしまったように。
それなら、いっそのこと――。