表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/66

第4話 お前の意志は私のもの、私の意志は私のもの

 「あ、あれー、おかしいなー。何か呪い(のろい)とか聞こえた気がしたぞー? 呪い(まじない)の間違いだよね? やだなー母さん、そんな言い慣れない冗談を言うなんてー」

 「いいや。言い間違いでも聞き間違いでも冗談でもなく、そいつらは一級品の呪詛が籠った装備達さ」


 あははーなるほどねー、一級品の装備かと思ったらそこに籠められた呪いが一級品でしたー。わーおもしろーい。


 「って、何をやってくださってますか!? どこから見ても普通の鉄装備に呪詛って!」

 「いやぁ、その装備を着けてる時にうっかり悪魔を蹴り殺しちゃってねぇ。そいつの返り血を浴びたもんだから、装備は汚れるは呪われるわであの時は大変だったねぇ。あっはっはっはっは!」

 「いや笑いごとじゃねぇだろ!? 呪われてる装備なんて着てられっか! こんなもんすぐに脱いでやる……、あれ、すぐに脱いで………」


 あ、あれ…………脱げない…………とういうか、さっきまであった留め金とか金具が無くなってる!?


 「ああ、もちろん脱げなくなる呪いは標準的にかかってるよ。脱ぎたかったら大司祭にでも頼むしかないね。ま、諦めて受け入れな」


 なんて母さんは軽く言ってくれてるけど、大司祭しか解けない呪いってなにさ!? そんなもん上級悪魔クラスの呪いじゃないか!

 確か、上級悪魔一体で一国の戦力に匹敵するんだったか…………え、じゃあそれを蹴り殺した母さんは何者? ああ、戦乙女様でしたね。


 「簡単に外せないのは分かったし受け入れるけど、こいつら他にどんな呪いがかかってんだよ。さすがに即死級のものはないみたいだけど」

 「何だったかねぇ。うーん……外せないのと………昔すぎて忘れちまったよ」

 「ああ、なるほど。忘れたんならしょうがない。うん、しょうがない。………とでも言うと思ったか馬鹿母! 何だよ忘れたって!息子の一大事だぞ!?」

 「ああもう五月蝿いねぇ。何も死ぬようなことにはならないよ。男が細かいことをグジグジ言うんじゃないよ、まったく」

 「ちょま、呪われることが細かいとかどんだけ非道」

 「それとも何かい? 森に行くのを止めて、三日間くらいぶっ通しで私と組手でもする方がいいかい? 私はそれでも構わないさ」

 「いいえ、滅相もございません。お供させていただきますお母様」


 残像が残る速度で土下座フォームへと変形する俺。

 いやほら、やっぱ親の言うことはちゃんと聞いとかないとね。決して組手が怖いとかじゃあありませんよ。今(組手で)死ぬか、後(森で)死ぬかの二択で後を選んだなんてこともありません。

 それに、母さんも何の勝算もなく無茶を言いだしてる訳じゃないだろうし。


 「さて、それじゃあ早速出発するよ。なに、あたしがついてるんだ大船に乗ったつもりでいなよ」

 「分かったよ。それで、荷物とかは準備出来てるんだろ?どこに置いてんの?」

 「…………………」

 「………………思いつきだから何も準備してない?」

 「………冒険ってのは準備の段階から始まってるんだ。そこで、その準備からあんたに任せようと思ってたんだ。さあ、早速準備に取り掛かりな」


 ………………大丈夫かなこの大船。

 ここまでお読みいただきありがとうございます。


 次回も頑張ります ( ゜Д゜)9

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ