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第38話 ここはどこ?われはだれ?

 書きたいこと全部書いたら今までで最多になった!

 とはいっても、5000字くらいなのが俺クオリティ。


 では、本編どぞー

  …………ガダダダダダダダダダダッ!


 「…………あだだだだだだだだだだだだだ!」


 ドガシャン!


 「うがふっ!」


 ごほがは、げほ……や、やっと止まった……。くっそ、身体中がミシミシ鳴ってやがる。幸いどっこも骨は折れてはなさそうだけど。

 つか、壁を抜けたら即下り階段とかないわぁ。この城を建てた責任者出て来い!

 もう寿命で亡くなってるか。

 

 さて、ここには何があるんだろう?ってか狭いな!俺の部屋と同じくらいの広さしかないじゃねぇか。

 しかも、さっきの倉庫みたいな場所よりも更に長い間、人が入った気配が感じられねぇし。


 「上に戻りたいのに、何でどんどん地下に潜ってんだ俺は。また今の階段を上らなくちゃいけないのか……」


 結構な距離転がり落ちてきて身体中痛いのに、これからその階段を上らなくちゃ行けないとか何の罰だよこれ。


 流石にこんな経験をしたことは……あ、母さんに崖から突き落とされた上で登ってこいって言われたことがあるな。

 なんだ、あの時に比べたら楽勝じゃねぇか。おや、目から汗が出てくる。何でだろう。


 「さてと、それじゃあ楽しい階段上りと参りますか……ん?」


 んん?さっき階段を落ちてきた時は気が付かなかったけど部屋の中に箱が置いてあるな。

 しかも、この形状は所謂宝箱ってやつじゃないか?鎖で雁字搦めにされてるけど。


 これはお宝の匂いがぷんぷんするねぇ。

 だって、王城の隠し地下室に置かれた封印されてるっぽい宝箱だぜ?これはもう、開けるしかないでしょ。


 「つっても、こんだけ鎖に巻かれてたんじゃあ手の出しようがないか。どっかに錠前でも付いて」


 パァンッ!


 「うひゃうっ!?」


 おおおお、ビックリした!調べようと思って、ちょっと触ったら鎖が弾け飛ぶとか何の罠だよ。

 しかも、弾け飛んだ鎖どっかに消えたし。なにこれ。


 まぁいいや。さて、中身を拝見拝見。

 何が入ってんだろうな。あれだけ厳重に封がされてたってことは、相当なお宝だろうな。

 王国秘蔵の装飾品とか入ってたらどうするよ。エ、モチロンアーサーにカエシマスヨ。


 さて、ご対面!!


 ギィィィィ…………


 「…………なんだろう、これ」


 いや、何が入ってるかは分かるんだ。

 簡単に見た目を説明すると、根元から真っ二つに折れた今にも崩れ去りそうなボロッボロの剣らしきものなんだけどさ。錆で朽ちる寸前だしな。

 ただ、何でこんな物がこんなに厳重に封されてここにあるのかが分からなかったんだ。


 「なんだこれ、ここまで錆びてたら打ち直しも出来ないただのガラクタだな」


 この持ち手の所の革も塵に還る寸前で…あ痛っ!


 ああもう、触ろうとしたらどっかに指引っ掛けた!

 ちょっと血が出てるし……あーあー、剣の残骸に滴っちまったよ。

 拭くものなんて持ってないし……血が付いた残骸は紅く輝き始めてるし……ん?


 「え、なにこれ。何でこのガラクタこんな禍々しく輝いてんの!?」


 ガタガタガタガタッ


 うわぁ、しかも何か震えはじめた。


 (血……約は果た……た。汝、我との契……望…か?)


 うわぁ、更に何か聞こえはじめた。


 「すみません、よく聞こえないので失礼しますね」

 「血の盟約は果たされた。汝、我との契約を望むか?」


 うお、急にはっきり話はじめやがった。なんか錆を擦りあわせたかのような音だな。

 いやまぁ、うちの母さんも喋る道具はいくつか持ってたけどさ。ここまで、自己主張は激しくなかったなぁ。

 それに、ここまで高圧的に言われて頷くと思ってんのか。


 「……血の盟約は果たされた。汝、我との契約を望むか?」

 「いいえ」

 「血の盟約は果たされた。汝、我との契約を望むか?」

 「いいえ」

 「血の盟約は果たされた。汝、我との契約を望むか?」

 「いいえ」

 「…………………………しない?」

 「しない」


 むう、こいつも意外と強情だな。誰がこんな怪しい剣と契約なんかするかよ。


 「試しにしてみない?」

 「してみない」

 「どうしても?」

 「どうしても」

 「………………………」

 「………………………」


 お、静かになった。って、こういう奴はここからがやばいんだよなぁ……。


 「ならば、力ずくでも我が傀儡としてやろう!」


 ほうら、来た!どう来る……?ん、何か徐々に意識が……遠く……

 

 

 

 

 「なって……って、どこだよここ!」


 立ちくらみに似た感覚があったかと思えば、次の瞬間にはさっきまで狭い地下室ではなく上下左右にだだっ広い真っ白い場所にいた。

 王城の広間もたいがい広かったけど、ここに比べたら……いや、壁も天井も見えないからどんだけ広いかすら分かんねぇや。


 で、俺をここに連れてきてくれた張本人はどこに……あ、いたいた。

 真っ二つのボロッボロの剣が宙に浮いてるわ。


 「おい、こら鉄くず。ここどこだよ」

 「この状態でも動じぬとは。阿呆なのか大物なのか」


 おい、顔は無いけど呆れてんのが分かるぞ。


 「まあいい。ここは夢の中とでも言えばいいか。あの状態では話も出来ないのでな、貴様の魂のみを連れてきた」

 「へぇ、それはご苦労なこって。で、ここに連れてきてどうすんだよ。俺は絶対にお前なんかと契約しねぇぞ」

 「なに、そこは心配ない。血の盟約により我と貴様の立場は対等。ここで貴様の魂を葬れば、貴様の抜け殻を我の傀儡と化すなぞ造作もない」

 「つまり、俺の身体を乗っ取ろうってか?悪いが、はいそうですとは言えないし、ボロ剣に倒されるつもりもねぇぞ?」


 いや、流石の俺も今にも朽ちそうなこいつには勝てるだろ。

 一発でも攻撃が入れば粉々になりそうなやつだぜ?


 「そこは問題ない。流石に現実では手も足も出ないが、ここは夢の世界。魂の力のみが物を言う世界」

 「で、そろそろ戻りたいんで殴っていいか?」

 「まぁ待て。今から貴様の相手を用意してやる」

 「いや、お前が直接戦えよ」

 「我は勝てる戦いしかしない。さて、覚悟はいいか?」


 こいつサラッとカッコ悪いこと言いやがった。でも、用意するってどうやるんだろうな。

 そして、何が出てくるんだろう。


 「喜べ、貴様の記憶から最も強い者を選んでやったぞ」

 「え、ちょ、それってまさか」


 ボロ剣の言葉に呼応するかのように、俺の眼前に光が集まっていく。

 

 サラサラと風に靡く黒髪。息子がいるとは思えない若々しさ。鍛え上げられた肉体。そして、戦乙女に例えられたその美貌。

 

 その名はルシア・エンフィート


 「くははは、これは面白い者が呼び出されたな!」

 「か、母さんが相手かよ……!?」

 

 ぎゃー、一気に形勢が不利になったー!!

 相手が母さんとか聞いてねぇよ!?つか、勝てるやついんのか!

 

 「貴様の記憶から読んだ、最も強き者を最も強き状態で再現した。さぁ、どうする?降伏するのであれば、一思いに砕いてやるぞ」

 「それって俺が負ける前提かよ。おいおい、俺も舐められたもんだぜ」

 「そういう言葉は、その足の震えを止めてから言った方がいいと思うぞ」

 「うるせぇ!これは武者奮いだ!」


 いやぁ……でも実際母さんに俺の得意な小細工なんて通用しないんだよなぁ。全部、力技で突破されるからな。

 つか、俺の記憶の中で最強の母さんてなんだよ。どこの場面思い出しても母さん最強だっつうの。


 「さぁ、彼奴を打ち砕け!!」


 ああでも、本当に強いなと思ったのはあの時か……母さんと一緒に初めて村の外に出た時に、足を怪我した俺を魔物から守ってくれた時だな。


 あの背中は頼もしかったな……そうそう、今みたいに大きな背中を見せて魔物の群れを一蹴してくれたんだよなぁ……。

 ん?何で俺と対峙してる筈の偽母さんの背中が見えるんだ?


 「お、おい、待て!相手は我ではない!そこの小童だ!そこの小童を」


 ブオンッ!


 パキィィィィィィン…………


 おっと、ここで偽母さんの回し蹴りがボロ剣の胴体部分に直撃したー!

 これにはたまらずボロ剣は光の粒となって砕け散りましたね。


 最後まで言わせてもらえずに砕かれた……自分の生み出した偽母さんに蹴り砕かれるとは哀れな……。


 つか、どういうこった。あれか。俺の記憶にある最強の母さんって、俺を守ってくれる場面の母さんだったからか。

 ……修行中の母さんが最強じゃなくて良かったと心から思う。





 「さて、悪が滅びたところで帰りたいんだがどうすればいいんだ?」


 無理やり連れて来られたから帰り方が分かんないんだけど。出口探そうにも、果てが見えない程に広いしな。

 

 「うーん、これはどうしたもんか。何かこう、考えるだけで帰れたり……しないな」


 ポンポン

 

 ボロ剣は消えたけど、何故か残ってた偽母さんが何か言いたげに俺の肩を叩いてきた。

 

 「ん?ああ、母さんまだ残ってたのか。ところで、帰り方知らない?」


 コクコク


 「え、知ってんの!?教えてくれ!」

 

 おお、まさかの解決方法きたこれ。いやぁ、一時はどうなるかと思ったけど偽物でも母さんは頼りになるなぁ。


 ところで、偽母さんは何故右足を振りかぶってるのかな?そこからだと、俺に直撃するんだけ


 ドゴォ!


 「うごはっ!まじ……かよ……。げ、身体が……消え……」




 


 「ていく……って、あら。消えてないな。つか、ここ元の地下室か」


 母さんの渾身の中段蹴りを喰らってそのまま消滅するかと思ったけど、ちゃんと元の場所に戻れたな。

 つか、あれしか戻る方法がないってどうなんだ。完全に死を覚悟したんだけど。


 「そういえば、あのボロ剣はどうなった?」


 今回の騒動の元になったボロ剣を確認しようと宝箱を覗きこむが、そこには金属の破片が散らばるだけであのボロ剣の姿はどこにも無かった。

 ということは、向こうで砕かれた影響がそのままこっちの世界にも及んだのか。


 うわぁ、さっきので俺が負けてたらこうなってたのか……。


 つってもあれだな、こんな場所で朽ちていくだけだった事を考えるとあのボロ剣の必死さも分かる気がするかな。

 いや、たかだか十数年しか生きてない俺が、何十年、下手したら何百年孤独だったこいつの事を分かったつもりになるのは失礼か。


 せめて、破片だけでも外に運び出してやるか……。


 「そう考えると、契約してやってもよかったかもな」

 

 そうすれば、こいつもあそこまで強硬的な手段には出なかったかもな。それか、嬉しそうな声で返答したりしてな。


 「その言葉我が聞き届けた。ここに契約成れり!」


 そうそう、こんな感じで…………ん?


 「ふっはっはっは!刀身は朽ちたが、我は不滅なり!それに、おあつらえむきの憑代まであるとは!」


 そう叫びながら、砕けた金属片から滲み出してくる光り輝く霧みたいなもの。

 しかもそれが、俺が提げている両手剣の周りに纏わりついてきてすごく気持ちが悪い。


 「ちょ、待てお前!滅ぼされたんじゃねぇのかよ!」

 「危うい所であったがな。もう少し契約の成就が遅ければ、消滅していた。礼を言うぞ小童」

 「いやいやいや、認めねぇ。そんな契約は無効だ無効」

 「残念ながら、契約とは双方の同意なしでは無効に出来んのでな。我がここを気に入ったので、契約の無効は無いと思ってくれてけっこう」

 「はああ!?そして、何でお前は当然のように俺の剣にとり憑いてんだよ!」

 「そう邪険にするな。これから我と主は一心同体なのだからな!」


 うわぁ……やっちまった……。何か余計なもん拾っちまった……。

 

 「つか、何だよその主ってのは。さっきまで貴様呼ばわりだったじゃねぇか」

 「過去は気にするものではない。我が主と認めたからに相違ない」

 「いや、そこは気にするだろ。はぁ……まあ、いいや。それで、俺はお前のことなんて呼べばいいんだ?」

 「我か?我の名は魔剣ライオゾーム!昔は数多の冒険者が我を手に入れようと熾烈な争いをしたものだ。主は特別にライオゾーム様と呼ぶことを許す」

 「ここに置いていくか」

 「ライオとお呼びください」


 アリスは魔剣ライオゾームを手に入れた!


 まさか、魔剣一歩手前だった俺の愛剣がそのまんま魔剣になるとは……。

 あーあー、刀身も少し黒いぐらいだったのが漆黒になっちまった……。


 「それで、ライオ。お前って何が出来るの?」

 「我の特性は無形。出来ることは出来るが、出来ないことは出来ない」

 

 ……謎かけか何かかな?

 

 「それじゃあ、ここから出たいんだけど何か出来る?」

 「それくらいならお安い御用。ちょうどよく十分に魔力も貯まっている」

 「へぇ、心強いな。それで、俺は何をすればいい?」

 「それでは、まず我を構えて」

 「ふむふむ、構えて?」

 「上に向けて数度振るう」

 「天井に向けて何回か刃を振る、と」


 シュシュシュンッ……


 …………え、これだけ?何も起きない


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………


 「え、なになになに!?」

 「主、今の内に階段へ」

 「え、お、おう」


 何が何だか分からないけど、ライオの言うとおりに最初に落ちてきた階段へ逃げておく。

 そして、階段を数段登ったところで


 ドドドドドドドドドドドドッ!!


 という、轟音を立てて天井が崩れ落ちてきた。


 ライオが「む、威力の調整が」とか呟いてるけど、そんなことは気にしてる暇は無


 ドガラガラガラガラ…………!


 「まじかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………………」

 ここまでお読みいただきありがとうございます。


 次回も頑張ります ( ゜Д゜)9

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