第12話 むらのなかにいる
ウィザードリィってまだ続編出てるのかしら
と、関係のない話
では、本編どぞー
「そういやぁ、助けを呼んでくるっちゅうてた疾風は無事にむこうの村に着けたんかのう」
「んだなぁ。出来るだけ早く戻ってくるちゅうてたから、もしかしたらあっこの恐ろしい森ん中でも通ってるんじゃあるめぇな」
「いんやぁ、いくらあん子が強いっちゅうても限度があるわな。森の外をぐるっとやっと半分くらいさ行ったくらいじゃなかろうか」
「そんれもそうだなぁ。あん子が頑張ってる分、ワシらも頑張って畑耕さにゃなるめぇ」
「んだんだ。おいや、何だか風が出てきたかの?」
「いんや、こりゃああれだ。あん子がよく使うとる風渡りってやつの風だぁ。こうしちゃいらんねぇ、村長呼んでこにゃあ」
「おお、そんならワシも行こう」
「着いたでござる!ここが拙者が世話になっている村で……って、大丈夫でござるかアリス殿?」
「うおぇ……大丈夫といえば大丈夫なんだけど、ものすごく内臓が気持ち悪い……うぷ」
なんというか、高い場所から降りて股間がヒュンッとなるのを内臓で受けた様な不思議な感覚だ。
「うぅ……ってあれ!? ここどこ?」
「いや、さっきから言っているように拙者が世話になっている村でござるよ」
「つうことは、さっきの忍法とかいうのでここまで移動してきたのか。なにそれすげえ!!」
この術を覚えればどこでも行き放題じゃないか! つまり、世界の神秘を解き明かし放題に
「まあ、自分が行ったことのある場所にしか行けないという制限はあるでござるがね」
そうですよねー。移動した先で かべのなかにいる とかなったら洒落にならないしねー。
「で、来たのはいいけど俺は何をすればいいんだ。飯の途中だったから何も持ってないんだけど。とある事情で脱げないから鎧は着てるけど」
「先ずは村長に会ってもらい、そこ後に村の顔役を集めた会合があるのでそこに参加してもらいたでござる」
「俺完全に部外者なんだけど、そんな大事な会合に出ていいのかよ」
「もちろんでござる。むしろ、その為に来てもらったのに出ていけとは言われないでござるよ」
「来たっていうか、連れてこられたんだけどな」
あ、こいつ目を逸らしやがった。強引に連れてきたことは認めるんだな。まあいいさ、乗りかかった船だ。俺の無い知恵を絞ってやろうじゃないか。
「じゃあ先ずは村長に会えばいいんだな。どこに行けば会えるんだ?」
「ここから見える一番大きな屋敷が村長の住居でござるゆえ、まずはそこに向かうでござる」
「ああ、あれか。なんか土埃のせいで霞んで見えにくいけど確かにあるな。そういえば、村長ってどんな人なんだ?」
「そうでござるな……無邪気、でござるかな。丁度、あそこを土埃を上げながら走ってくるのがそうでござる」
無邪気な村長ってなんだ! そして、さっきからやけに土埃が上がってるの村長のせいかよ!
「ほう、それはどんな人か楽しグホゥッ!!」
「疾風君見つけた!」
「アリス殿!?」
おーっとアリス選手、村長選手の全速力から体当たりで派手に吹き飛びましたねー。これは立ち上がれないかー。
「や、野郎……いや野郎じゃないけど、不意打ちとはやってくれるじゃねぇか……」
「大丈夫でござるかアリス殿!? 村長も早く謝るでござる」
「あっちゃあ、ごめんね。私集中すると周りが見えなくってさー。あと疾風君、私のことはイセスって名前で呼んでいいって言ってるのにー」
「人を吹っ飛ばした謝罪にしてはえらく軽い気がするけど、まあいい。あんたがここの村長なのか?」
「そうだよ。私がこのインテ村の村長をしているイセスです。ところで、貴方はだぁれ?」
村長が妙齢の女性ってのも驚いたが、これは確かに無邪気って感じだな。
腰まで伸ばした金髪と白い肌も印象的で黙ってれば綺麗なお姉さんって感じなんだが、残念美人か。
「拙者から紹介するでござる。こちらはアリス殿、拙者がお連れしようと考えていたルシア殿は生憎留守でござったため、ご子息であるアリス殿に助力を願ったのでござる」
「なるほどー。今回の助っ人さんってことだね。さっきは吹き飛ばしてごめんなさいー」
「いや、特に怪我もないし気にしなくていい。誰かさんのおかげで、身体の頑丈さだけは人並み以上なんだ」
ああ、組手で満身創痍になったり、泳ぎの訓練とかいって滝から落とされたのも今となってはいい思い出だ。
俺って実は何回か死んでるんじゃね?
「それじゃあ、詳しい話をしたいから私の家に集合ね。先に帰ってるから二人はゆっくりおいでねー」
「いや、別に話しながらいけばいいんじゃないのか」
「それじゃねー」
「人の話を聞けい!!」
登場した時と同じように土埃を上げながら帰っていくイセス村長。調子を乱されて固まる俺。いつものことと苦笑いの疾風。
「…………疾風も大変だな」
「分かってくれるでござるか」
ええ、そりゃあもう。身近に理不尽の塊がいますから。というか、肉親ですから。
「大人しければ美人なひとなのにな」
「村長はエルフでござるからな」
「へぇ、道理で。自分たちの森から出ないエルフがこんな所にいるとか珍しいな」
「なんでも、人の文化や歴史を研究するために人里に下りてきたらしいでござるよ。あの屋敷もほとんど文献や資料で埋め尽くされているでござる」
「うへぇ。成金趣味とかであんな大きな屋敷にしたのかと思ったら、あれ倉庫の代わりかよ」
そんな量の文献とか聞いただけでも頭が痛くなってくる。人の趣味だからとやかく言うつもりもないが。
「でもあれだな、村長エルフってことは魔術の腕とか結構なものじゃないのか。よく伝承とかで見るエルフは得てしてすご腕の魔術師で描かれてるけど」
「村長に限っていえば攻撃魔術の腕はからっきしでござるな。その代わりに回復の魔術に関しては当代一の腕前であると思うでござるよ」
「へぇ、うちの戦乙女様とは正反対だな。あの人、モノを破壊することに関しては古今東西でも類を見ないと思うから」
「ほほう、それは是が非でも一度はお目にかかってみたいでござるな」
こいつ、完全に俺の冗談だと思ってるな。いいか、想像をする時は常に最悪を想定しろ! 現実は常にその想像を軽く超えてくるぞ!!
と、声を大にして言いたい。言わないけど。現実は地獄耳ですし。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回も頑張ります ( ..)φカキカキ




