突然の別れ
アルバイトは順調だ
皿洗いに酒の提供、料理に清掃
月8万ぐらいしかならないが、充実している
怪我や病気もない。
雲の隙間から差す太陽の光みたいに
心は希望に満ちている
好きな女性もできた
まぁ相手は彼氏持ちだから一方的な片思いだけど
胸の奥に気持ちはしまっている
嫌な事もない
昔みたいに時間に追われる事もない
賄いも出る、悩ましいのは性欲が満たせないだけ
だが、それも慣れた
笑顔はまだ出来ない、ぶっきらぼうみたいだからな
自分をさらけ出して生きて行ける奴らが
羨ましい、くすぶっていたころが懐かしいな
まぁ暗い話はどうでもいいや
どんなに醜くても汚くても
人と触れ合えるのは楽しい
人が好きなんだ
まぁ仕事場まで通うのは1時間もかかるのが
ネックだよなぁ行きと帰りで2時間無駄にしている
こんな汚くて狭い店によく客が来るから不思議だ
疲れたサラリーマンがよく足繁く通いにくる
近くに歓楽街もある
まぁ興味ないけどな
仕事は夕方4時に始まり6時頃から開店する
宴会の団体客も予約がある
コンパニオンまで用意してくるから
少し羨ましい艶めかしい服を着てもてなす
目に毒だな、メニューは幅が広い
基本は鍋なのだがいろんな料理があり
何でも作れる料理長がいる
今日は忘年会の集まりがあり
鍋の出汁を先に作りあとから肉や野菜など
ぶち込む、、、重くて大変だ
ビールから日本酒などありとあらゆるお酒が
作れるカルーアミルクとかね、女性に人気だ
注文は紙とペンしかない
まず、おしぼりを出し、準備していたお皿を出す
まぁ色々つまみながら、酒を飲む
メインは鍋だが、先にお通しを出す
焼酎などボトルキープが出来て名前が書いてある
常連客の顔は一通り覚えているので大丈夫
だと、いいんだが客が多くて覚えていない
皆楽しくて幸せそうだな
俺は満足そうにくだらない話、笑顔が見えるから
好きだ。死ぬまで働きたいくらいだ
でも、9時間も休みなく働くのは違法だけどな
今日は余ったもつ煮定食にありつけた
帰りにゲロった油がギトギトなんだな
マサトの家に居候しているのもちょっと心
苦しいので帰りにセブンのおでんを
買い込んで帰路につく
ただいまー!マサトいないのか?
おでん買ってきてやったぞ!
返事がない、、、2階で寝てるんかな?
トントンと2階に上がる
何してんだよー!また新しいゲームに
夢中になっているのか?
、、、返事がないので部屋を開ける
最初に飛び込んで来たのは異臭だ
臭い、、、排せつ物とゲロの混ざった臭いがする
明かりくらいつけろよな!まったくもー!
リモコンで電気をつける
臭いから窓開けるぞ!漏らしたのか?!!!
部屋の中央にはユラユラと動く物体がある
え?思わぬ光景が僕の視界を奪った
揺れていたのは首吊って死んでいるマサトの顔だ
目玉は飛び出して口からは
舌が飛び出している口からはよだれとゲロと
泡を吹いている鼻からは血と鼻水が出ている
ズボンからは糞尿が垂れ流されて
いる、、、
「うわぁぁぁぁがががあああああ!!!」
必死で2階から転げ落ちた
警察と救急車が来た
電話したのはお手伝いさんだ
マサトはもう助からないみたいだ
マサトの父や母が来た
どちらも後悔の色を表していた
何が正しかったのか?
何が間違っていたのか?誰にも解らない
検死の結果は間違いなく自殺だそうだ
俺はどうすればよかったのか?
何をしてあげるべきだったのか?
俺には何も解らなかった
失った喪失感と胸に溜まったガスで埋めつく
された
マサトが何を考えて何を感じて生きていたのか
辛く苦しい姿は俺には見せなかった
なんの意図があるってそうしていたのか
困らせたくなかった
何をやっても上手くいかないそうゆう
ジレンマを抱えていたのか
久しぶりになつみが来た
葬式の為にわざわざ休みをとったみたいだ
俺とは喋らなかった俺を
責めるわけでもなくただただ泣いていた泣いていた
棺桶に入っているが首の縄の跡が酷いので
見せてはくれない、、、
葬儀はつつがなく行われた




