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第一話


私はC県K村で21年間生まれ育った。


人口は5000人ほどの小さな村。

地主と歴代続く地元政治家だけが裕福で、それ以外は普通の人が慎ましく暮らす村である。

村の財政も、前述のとおり七年祭という全国的に有名で経済効果のかなり高い催しがあるため、そこまで困窮はしていない。

しかし、東京からそこまで遠くない地理的な問題などによる、とまらない人口流出が年々続き、市政はおろか町の区分にもなれていない。


地理的な問題“など”と表現したのには、ほかにも細かいものの根深い問題が、この村にはあるからだ。


その問題などについては、後述させてもらう。


だらだらと飲んでいたためぬるくなった缶ビールを飲み切る。廃棄の味噌汁の残りも合わせてすすりきる。冷蔵庫にはってあるアラーム付きの時計を見ると、時刻は22:40。


アルバイトから帰宅したのは20時ごろだったはずだが、いつのまにかもう2時間以上経っていた。

スマホの画面にはまだ、地元の賑やかな祭りの様子がまだライブ配信されている。


もともとはいつも見ている推し配信者の定例配信を見るつもりでつけたライブ配信であった。

配信主も、今回はお出かけ企画と銘打っていたのは、SNSで告知されていたのは知っていた。


だけど、よりにもよって。

せっかく脳内から自分なりに極力努力して消し去っていた光景を、生々しく見てしまった。


見ているうちに、心が体から分離して、遠くに行ってしまっていたようだ。穏やかな気絶のような。

私は時々このような感覚を味わうことがある。


そんな感覚にながいこと溺れていたため、結構な時間が経ってしまった。

瑛良は大きくため息を吐くと、スマホを充電器につなぎ、そのままシャワーを浴びた。





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