避難(準備)
昨日の夜は、核爆弾の爆風が激しくて、どこに放射能を帯びた灰が落ちるか分からなかったため関東と首都圏では、異例の戒厳令が出ていた。それで里奈たちはすぐに避難できなかったのだ。しかし、ここにきて政府のトップ機関宇宙航空自衛隊が、訪ねてくるとは思ってなかった準だった。準はもしかして昨日の夜に月に行ったことが、ばれたかと思ったがどうやらそうではなかった、自衛隊は市民の首都圏からの避難の為に、あちらこちらに市民を誘導すべく走り回っているようだった。たまたま高級車はそこに止められていたただけで、高級車と彼、柳一位は全く関係ないようだった。そう言っている魔に、その辺の家に沢山の自衛隊員が避難誘導を始めている。
しかし、放射能を帯びた灰は、準が家に帰ってきてからしばらく起きて気流の動きを南東に流していたので、陸に住んでいる人々は無事にすんでいた。船舶も事前に気象衛星を使い、この時期には珍しい風邪を観測していたので、今日の朝になって、関東圏の自衛隊も動けるようになったのだ。
「被害はどのくらいになるのですか?」と準が柳に聞く
「残留放射能が強くてまだ、被災地に残念ながら行けてませんが、おそらくは横浜米軍基地は全滅かと思われます。中国軍は、月の裏側からの奇襲と言う事をやった上に、そのミサイルがステルス機能も同時に備え付けられていたようで、全く事前情報が無い状態でしたので、ただアメリカ軍の情報によると、何故だかは分かりませんが、中国軍基地は、謎の爆発により大打撃を受け、その体制を整えるまでに、しばらくかかるようだ。という事です。さ!早く、避難の準備をして自衛隊員の誘導に従ってください。今回の避難は長丁場になりそうです。時間はありませんが、市民に準備の時間は与えろと、上からの命令ですので、急いで!」
柳は続けて言う「攻撃されたのは、横浜だけではありません。南方の自衛隊駐屯地、その他の日本のアメリカ軍基地が攻撃され、ほぼ日本の基地は、壊滅状態です。それだけではありません。その他、アメリカ本土の基地、グアム、サイパン、その他の軍事基地は、ほぼ壊滅状態です。」
「EUや、イギリス、ドイツなどは、どうなっているのですか?」
「香港をめぐる、民主化の強制的、鎮圧でアメリカをはじめ、各国中国包囲網が、完成されつつあったのですが、それを挫く形で、攻撃されています。しかも、中国は、アメリカ軍がガタガタになったのを良いことに、他の国の、戦略核兵器を警戒して、中国は哨戒機を、中国の海沿いに飛ばして、潜水艦発見にやっきになってます。このコロナ過で、動けない世界をいち早くコロナから脱した中国は、中華思想の実現を目指して、日本にも一気に攻め込もうとしているのだと思います。まず、危ないのが、台湾です。」
と、あらかた、新聞やネットで見ている情報を、詳しく教えてくれる、柳だったが、準はどうにも腑に落ちなかった。それは、軍事的には、アジアでは、完全に覇権を握っている、中国が核を使った本当の理由についてだ。核を使えば、デメリットの方が、大きいと思われたのに、何故か中国は、核を使った。それに、日本にとっても、これは国民全員の感情を考えない、卑劣な行為ともいえた。