航空宇宙自衛隊とボロアパートと。
その後、準とミリムは無事に日本のいつもの、おんぼろ文化住宅に帰ってくることが出来た。しばらく攻撃はないだろうと考えた、準は少し眠ることにした。ミリムは量は少しで良いと言っていたが、やはり準にとっては、けっこうな血の量をミリムに上げたし、その後の月で使った力が影響して、体力がほとんどなくなっていた。
「今は、何も考えずしばらく寝よう」と思う、準だった。ミリムもそんな準の事を察してその場から消えるのであった。
そして、次の日。朝早くから起きた準だったが、何を思ったか急に運動用のジャージに着替えて、霧に包まれている外に、ランニングjに行き始めた。そこにミリムが出てくる。その姿はまた、あの珍竹林な幼い姿であった。
「おっすライル、今から体力向上を目指して、これから起こる動乱の世の中、我とお前の力だけで、やっていけると思うなよ。」
「そう言っても、昨日は助けてくれたじゃないか?それに、大きな力を使うたびに倒れてたんじゃ、話にならない。ある程度、出来うる範囲内で、体力を向上させておかないとね。」
そう、二人楽しそうに、話ながら霧の中を走っていると、ランニングから戻ってくると、いつものボロ文化住宅の前に、一台の高級車が止まっていた。(変な車だな)と一瞬思ったが、すぐに準はピンときた。(どこかの政府関係者の車ではないか)と考えた準は裏口から母まりを起こして入っていった。するとすぐに、体力を回復させるために、いつもより多めに食事を済ませ、水を飲み、着替えてソファーで、金属バットを持って、相手の出方を待った。するとチャイムが鳴り、紳士的な挨拶をドア越しに、一人の大男が家の中に居る順に話しかけてきた。
「あのー、峰永さんのお宅はこちらで、間違えないでしょうか?」
準もドア越しに「そうですが。」と答えた。その瞬間、何か仕掛けてくるかと思ったが以外にドアのポストに名刺が放り込まれ。
「こんな形の挨拶になって申し訳ありません。自分は、航空宇宙自衛隊の柳拓馬一位であります。警戒されるのは、分かるのですがこのドアを開けてもらえませんか?」
と言ってきた。準が、あまりにも警戒しているとき母のまりが、何ら警戒すること無く「いらっしゃい」と言って、準の背中越しにドアを開けた。
「ちょっ」と言って、準が焦ると「大丈夫。こんな親切な挨拶してくる人に悪い人は居ないって昔から、決まってるの。準も挨拶はちゃんとしなさいよ。学校の先生だけでなくてご近所にも。じゃないと、め!だからね。」とからかうように言ってくる母に、準は、一瞬湧いた怒りもどこか行ってしまった。
そして、玄関前に立っている柳一位を家に入れる。
そしてまた、玄関で柳がいきなり、謝りだす。「申し訳ありません。」と。準もまりも何のことかさっぱり、解っていなかったが、まりが、すぐに気が付く。
「ああ、あの攻撃?どこの国の名の?」
「中国に決まってんだろ。」と準が言うと。
「そう、でもあなた達は、不意を突かれたんだから、それに私たち家族は事情があって、シングルマザーの親一人子一人の、貧乏家族です。親戚はいないから、安心してね。」その時だった。荷物をまとめた、里奈が、二回から会談で降りてきて、玄関に準とまりを一緒に逃げるために、誘いに来た。
「おい!準 まり、早く逃げ……なんだ。このデカいおっさんは?」
「おっさっ?!」ろ柳が、その里奈の口の悪さに、ビックリしていると、まりを中心に緊張が一気に解け、準もまりもゲラゲラ、笑い始めるのであった。
つづく。