VIII-3永遠に・・・?
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秋晴れの、空の高い雲ひとつない朝だった。
曙の広間では、いつもと変わらず黄金の草木がさわさわと気持ち良さそうにその葉を揺らしている。
わたしの腕ごとナギに抱きついて離れようとしないロウちゃんを、アルミスさんがそっと引き離し、気を付けてと言ってくれた。
ロウちゃんは泣きじゃくりながら、“また来てくださいね”と。
ナギは頷いたけれど、わたしは何も言うことができなかった。頷くことさえも…。
だって……だって、わたしが元の世界に帰ってしまったら、もう2度と会う事はできない。そんなこと、言えないよ……。
ウェーアは、離れた所からでそんな私たちを眺めていた。
いつものように、穏やかな無表情で。
『そろそろ行くよ?』
珍しく控え目なルシフに促されて、わたしとナギの足は、地上から離れた。
「さようなら!皆さん、お元気で!!」
「バイバイ、ロウちゃんアルミスさん!ウェーア、案内ありがと!!」
私たちは空高く舞い上がり、大きく手を振った。
もう、皆には会えないんだ………
仲良く、なれたのに……
胸の奥がものすごく締め付けられた。
苦しくて、苦しすぎて……
それでも、泣いてなんかいられない。
大好きな人達のためにも、一刻も早くケイを集めなきゃ!!
「またな。セリナ、ナギ!!」
わたしの脳裏に、辛うじて聞こえたウェーアの声と、いつまでも手を振り続けていたフォウル兄妹の姿が焼きついた。
ノストイ二章終了。
次回から第三章です!
今まで大勢でワイワイやってきましたが、これからは。。
頼りだったウェーアとも別れてしまったセリナとナギ。
彼女たちに降り掛かる事件とは!?
次回も乞うご期待!




