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英雄ドルドラス三世  作者: 三国志浪
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それぞれの任務

これで新しい仲間は、フェンダ・ローエル・ルーガ・ウルドの4人になった。これからの事について話し合うために全員を集める。カドリアが、

「今日は頼もしい味方を3人も得ることが出来た。それを祝い特別な料理を用意した。今宵は料理を楽しみながら今後について話し合おう」

豪華な料理が次々と運ばれ食事が始まる。やがて腹が満たされた頃に、

「さあ、これからが大事だ。これからどうしたらいいだろうか?」カドリアが皆に諮る。

「まだまだ人が足りませんかと・・・」すぐにローエルが答える。

「さよう、人集めが急務だ。」フェンダも同意し、カドリアも頷く。

「どうやったら効率良く優秀な人材が集まるだろうか?」

「武術大会を開いたらいかがでしょうか?私が実際に闘い品定めを致します。」ルーガが提案する。

「それは良い。ならば我は知り合いの求道者たちを集めよう。彼らはその道を究めんとする者たち、きっと王子とは気が合うはず。」

「ならば私は、善良な良識人を集めよう。制圧した後の統治が上手くいかないと崩壊します。しかし、私は武の心得が無い。兄貴と一緒に行動できれば心強いのですが、いけませんか?」

ローエルがカドリアを見る。

「フェンダ、ローエルと共に人材を集めてくれ。」

「主の命令、謹んでお受けいたします。」

フェンダが恭しく頭を下げ、ローエルが飛び上がらんばかりに喜ぶ。

「では」

と言いウルドが突然立ち上がる。

「腹一杯だ。俺は部屋に戻るぜ。」

歩き出そうとするウルドの前にフェンダが立ちはだかる。

「片目、我が主はお話し中だ。座れ」

ウルドの顔が引き攣る。

(こいつは苦手だ・・・)

堪らなくなったウルドは、

「おい、坊ちゃん。何とかしてくれ」と情けない声を上げる。

「フェンダ、からかうな。通してやれ」

「はっ」

フェンダがニヤリとしてウルドの前を開ける。その前をウルドが恐る恐る通る。ドアの前でウルドは振り返り、

「ある程度、情報機関が出来上がったら知らせるから楽しみに待っていてくれ。金が足りなくなったら手下を向かわせる。じゃあな。」

そういうとウルドは出て行った。それを見送るとカドリアが話を戻した。

「私は何をしたらいいかな?」

「王子は、城に戻り足場を固めるのがよろしいかと存じます。」

ローエルの提案にフェンダ、ルーガも同意する。

「ふむ、ではそうするか・・・」

カドリアはその美しい顔を曇らせ、気乗りの無い返事をした。

「我が主よ。お気に召しませぬか?」

「もう少し外の世界を回り色々な人物と語り合いたかったが、まあそういう訳にもいかないか・・・」

「お気持ちは分かりますが、ここはお味方の状況把握とこれから新たに入ってくる者の配属先などを考えて頂かなければなりません。」

ローエルが申し訳なさそうに言うと、フェンダも

「我がすぐに求道の者達を主の元に送りますゆえ、その者達と語らい下され。彼らはその道に詳しい者。きっと退屈はしませぬかと・・・」

カドリアは、

「うん、フェンダ。気遣ってくれてありがとう。」とにっこりと笑う。

「おー、おおっ、恐れ多い。」

フェンダはすぐに平伏する。そして、すくっと立ち上がると、

「ローエル、急がねばならん。早速出かける。準備をせよ。」

とローエルに命令する。

「えっ、今から?」ローエルがぎょっとしてフェンダを見る。

「当然だ。これ以上我が主の御心を痛めるわけにはいかぬ。早く用意をしろ。10分後に出るぞ。」

慌てて出て行こうとするフェンダをカドリアが呼び止めた。

「フェンダ、私はもう少しお前たちと時を過ごしたい。出発は明日、共に朝食を取った後にしてくれないか?」

「お許しいただけるなら我もそうしたいです。」

「ならばそうしてくれ。さあ、明日からの方針は決まった。これからの皆の成功を祈念して杯を挙げよう。」

4人は杯を持ち上げる。

「世界平和のために」

カドリアが言うと、カドリア以外の3人が杯を額の前に押し上げて杯を干した。それを見届けてから、カドリアも自分の杯を干した。

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