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第6話


なんで…なんでこんなことに



「見つけたか?」



「いや、こっちにはいなかったよ」



声が聞こえ声を押し殺し隠れる



「はぁ…はぁ…はぁ…」



一ノ瀬は息を切らしながらなぜか物陰に隠れていた



ちくしょう!俺は村の人達と仲良くなるために外に出たんだ!なのに…なのになぜ



「みんなー見つけたぞー!」



「ちくしょーーー!」



なぜ俺は村の子供たちに追いかけ回されてんだよ!




遡ること1時間前…



「村の人達と仲良くなる?なんでじゃ?」



雷華の質問に一ノ瀬が答える



「んー説明すると長くなるんだが…とりあえず必要な事だから?」



「それは答えになっておらんのじゃが?」



雷華がジト目でこちらを見てくるが



「気にするな。とりあえず外に出ようぜ」



「むう、なぜ儂まで行かねばならぬのじゃ」



ため息をつきながらに言う雷華だったが、そう言いつつもきちんと付いて来てくれる所を見ると雷華って良い子だよなぁ



そう思いつつ宿屋から出る2人…部屋を出てすぐ目の前には家が数件立ち並んでおりその数は少ないそして奥には森林が見える。



「んー村と言うより集落に近い感じだなぁ。んで奥に見えるのがさっき言ってたヘクトール大森林か…」



宿屋もあって集会所みたいなのもあるから村だと思っていたが…



「まぁ、これだけの物をあの状態から作れるだけ大したものじゃがなぁ…しかしあれじゃな意外と活気があるではないか」



雷華が感心した様に言う



「ん?あの状態ってなにかあったのか?」



「儂らがここに来た時に魔獣に襲われておっての?邪魔じゃったから儂が蹴散らしたのじゃよ。ひどい物じゃったぞ?村は半壊しておったからのぅ」



待って…ほんと待って



「お前なにさらっと救世主になってんだよ!てか俺ってここに来てから何日寝てたんだよ!」



思わず大声で叫ぶ一ノ瀬に



「なにを騒いでおるのじゃ?大した事はしとらんではないか。あとお主は1週間ずっと寝ておったぞ?」



もう…色々とひどすぎるだろ…



「聞かなかった俺が悪いんだろうけどさぁ?ちゃんと情報の共有は必要だと思うんですよ」



「知らんわ!聞かれなかった事は話す必要はないじゃろうが!」



「ばかやろう!情報は大事なんだぞ?だからこうして色々と俺がやってんのに!」



一ノ瀬と雷華が口論していると



「雷華お姉ちゃんをいじめるな!」



その言葉が聞こえたと同時に一ノ瀬の頭に激痛が走る



「痛え!なんだ!?何が起こった!」



見ると後ろで子供4人が石を構えて立っていた



「あいつ!雷華お姉ちゃんをいじめてるぞ!みんなでやっつけろ!」



そう言って石を投げ始める子供たち



「はあ?ちょっとまて!誤解だ!とりあえず石投げるのをやめろ!」



そう言って反論しようとするが



「嘘つくな!雷華お姉ちゃん泣いてるじゃないか!」



あいつがそんな事で泣くわけ…



「ひどい…ぐすっ…そんなに怒鳴らんでもよいではないか…ぐすん」



このやろう!ふざけんな泣き真似なんて汚い事を!



「みんなで雷華お姉ちゃんを助けるんだー」



「「「おーーー!」」」



「雷華!お前覚えてろよーー!」



そう言って走りだす一ノ瀬に雷華は舌を出して笑っていた




それからずっと子供に追いかけ回らせているのである



「くっそ!子供ってなんであんなに体力あるんだよ…もう俺は限界だってのに」



走りながらにボヤく一ノ瀬だったが…



「みつけたぞ!」



目の前からも子供が追って来た



「やべっ!」



まずい囲まれた…石って殺傷力あるんだぞ!痛いんだぞ!



「みんなやれー!」



一ノ瀬が観念して目を瞑る………が、一向に痛みが来ない。ビビりながらも薄目を開けると



「……なにしてるの?」



赤髪の少女が俺の前に立っていた。すると赤髪の少女は



「こんな大勢で1人を寄ってたかっていじめるなんて最低な事だよ!」




そう言い叱りだす少女



まさか23歳にもなって…子供達に虐められてるのを少女に助けられるって悲しすぎやしませんかねえ?



しかし子供たちも必死に反論する




「ウィル姉ちゃん!そいつが雷華お姉ちゃんをいじめてたんだ!」



「そうだそうだ!雷華お姉ちゃん泣いてたんだぞ!」



なるほど、この子はウィルと言うのか…後でお礼を言わねばな



「今の話は本当ですか?」



なぜか俺の方を睨みながらにそう聞いてくるウィル



「いじめてねぇよ、ただ少し口論になっただけだ」



「なるほど、なら泣いてたと言うのは?」



はぁ、なんでこんな説明を俺がしなきゃならんのだ



「あいつが俺を困らせるために泣き真似してただけだよ。」



本当の話だ。嘘偽りは一つもない。しかしウィルは正義感の強い子らしく



「それが嘘の可能性もありますよね?いじめてなかった証拠はあるんですか?」



「この場面で証拠を提示するのは無理だろ?そもそも君は子供達を止めに来てくれたんじゃなかったのか!?」



なんで俺が尋問されなきゃならんのだ!



「確かにそうですが…」



そうウィルが考えていると



「一ノ瀬よこんなところまで走っておったのか探したぞ?」



雷華がなんの悪びれもなく現れた



「おい雷華!お前のせいで酷い目にあったぞ!」



一ノ瀬が雷華に抗議するも



「ふん!お主は少し痛い目に遭ったほうがいいと考えただけじゃ」



クッソ!この借りは必ず返すからな!



「すまんのうウィルとやら、儂の連れが世話をかけた」



雷華がウィルに対しそう謝罪する



「いえ、とんでもありません。この方雷華さんのお知り合いだったんですね」



なんでお前が謝ってんだよ!お前がこの状況を作り出したくせに!



「うむ、こやつと少し口論になっての?仕返ししてやろうと儂も少しいたずらが過ぎたのじゃ許してやってくれ」



雷華がそう謝ると



「そうでしたか…ほらみんなもお兄さんにちゃんと謝って!」



そう子供達に促すと、子供達は渋々そうに



「……ごめんなさい」



そう謝ってきた



心こもってないし、しかもめっちゃ睨んでますけど?



「はぁ、もういいよ。気にしてないから」



言ってもしょうがないしな…



「あ、そうだ雷華さん!今日、うちでご飯食べて行きませんか?そちらのお連れの方のお詫びもかねて」



そう提案してくるウィル



「うむ、それは助かるのう。早速行くとしよう!一ノ瀬もそんなとこで座ってないでさっさっと立たぬか!」



そう急かすなよ…さっきまで走りっぱなしだったんだぞ?



「わかったわかった。すぐ行くよ」



重い腰を上げ立ち上がる一ノ瀬それを見てウィルが



「さぁ、行きましょうかすぐ近くなので案内しますよ!みんなも暗くなる前に帰りなさいよ?」



子供達にそう促すと



「はーい」



子供たちは素直に家へと戻って行った



「はぁ、あれだけ聞き分けがいいのなら俺の話も聞いて欲しかったよ…」



そうボヤく一ノ瀬に



「お主の言葉じゃ無理じゃろ?あれはウィルの言葉じゃから言うことを聞くのじゃよ」



そう雷華が返答してきた



なるほど。あの子供達のお姉さん的存在か



そうこう話してる内にウィルの家に着いたらしく



「お二人とも着きましたよ。狭いですけどゆっくりしていってください」



そう言うウィルだったが外見はきちんとされてる立派な木の家だった



「なかなか良い家ではないか」




「ありがとうございます。さぁ、中へどうぞ」




「「お邪魔しまーす」」



2人が家に入ると



「あ、お帰りお姉ちゃん。あ!雷華さんもいらっしゃったんですか?」



中には茶髪の子がエプロン姿で出迎えてくれた



「ただいまウィズ今日は家でご飯食べて行ってもらう事になったからご飯多めでお願いね?」



そう言いつつウィルが部屋の奥へと入っていくのを見てウィズが俺の方を見てきた



「えっと…そちらの方は雷華さんのご友人ですか?」



そうウィズが聞いてきたので



「あっと…俺は一ノ瀬瞬。雷華とは…そうだねぇまぁ、出会ってまだ1週間くらいの付き合いだな」



笑いながら言う一ノ瀬にウィズも笑って返答する



「そうなんですか?それにしては仲好さそうですけど…」



その言葉に雷華と一ノ瀬は



「バカな事は言うもんじゃないぞウィズよ」



「こいつと仲が良い?趣味の悪い冗談だな」



そんな会話をしているとウィルが戻って来た



「ほら、喋ってないで早く用意しましょ」



「あ、ごめんなさいお姉ちゃん」



そう言って2人が用意を始める



そんな2人を見つつ、一ノ瀬と雷華はテーブルに座るとテーブルに料理が並べられていく。その料理を見て一ノ瀬は感動してしまった



「な、まさかこれは!?O・KO・ME!」



テーブルには銀色に輝くお米が用意されていた



まさかこの世界にもお米が存在しているなんて!感動するしかねぇだろ!



一ノ瀬が1人感動していると



「喜んでもらえてなによりです」



ウィズが嬉しそうにそう答えた



「さあ、どうぞお二人とも遠慮なく召し上がって下さい」



準備が出来たらしくテーブルには魚や野菜やお肉などいろいろなおかずが置かれていた



「おおーすごい豪勢じゃん!じゃあさっそく…いただきます」



「うむ、いただきます」



その後、夕食をご馳走になった2人はウィルとウィズと少し談笑をして後、宿へ戻ることとなった



「おーす妖華ー戻ったぞー」



「もー遅いよぉー1人は好きだけど独りは嫌いなんだからね!」



そう怒りながらにいう妖華に対して



「なんじゃそのめんどくさい持論は…まぁそのかわりにお土産を貰ってきたのじゃそれで許せ」



そう言って雷華が先程ウィズから貰った物を渡す



「え?なになに?」



妖華が袋を開けると中には3つのおにぎりが入っていた



「先程、ウィズと言う者にお主の話しをしたらお腹が空いてるだろうからと持たせてくれたのじゃよ」



そう言って雷華は疲れたのかベットに腰掛ける



「なんていい子なのー今度お礼を…言っといてね」



そう一ノ瀬を見ながらに言う



「アホか、お前が貰ったんだから自分で言えよ。ところで例のブツは?」



一ノ瀬も椅子に腰掛けて妖華に返答と質問をする



「ぶーぶーまぁいいやぁー。例のブツは全て用意出来てるよーちょっと待ってねぇー」



妖華がそう言いつつベットの下から物を取り出す



「はい、まずは君の武器とタバコねぇー」



渡されたのは2丁の黒い銃とタバコの入った箱だった



「これってべレッタか?なかなかいい趣味してんじゃん。あとこれがタバコか…てか火は?」



まさかこの世界に来てベレッタを撃つことになるとはな、てか早くタバコ吸いたい



「でしょでしょーベレッタいいよねぇ。火も抜かりなく用意してるよーはいマッチー」



マッチかーい…まぁライターとかジッポなんてあるわけないわなぁ、まぁそこは置いといて



「おう、ありがとよそれじゃあさっそく一本吸わせてもらうかな」



一ノ瀬がタバコわや一本取り出し火をつけて一口吸ってみる



「……これ…うめぇ…」



前の世界で吸ってた奴よりもうまいってびっくりなんだけど



「ドヤァ!味を追求してみましたー」



妖華が自慢げにそう言ってくる



「それで?このベレッタはなんか特殊な機能とか付いてんの?」



一ノ瀬がタバコをふかしながら妖華に質問すると



「まだつけてないーでも近いうちに付くから安心してーあ、これがホルスターねぇー」



こいついちいち気がきくなぁ



「ありがとう。まぁ気長に期待しとくよ」



そう言いつつホルスターを着けてみる一ノ瀬



うむ、びっくりするくらいジャストフィットなんすけど



一ノ瀬が驚きつつホルスターに銃を仕舞っていると



「んで、これが最後に言ってたやつー。魔獣を呼び寄せる装置なんだけど…これなんに使うの?」



妖華が円盤の形をした物体を取り出しながら聞いてくる。すると雷華が



「む?それがお主が先程言ってた追加で作って貰った機械か?なんじゃ?そんなもの使い道なんてないじゃろ?」



妖華も雷華も不思議そうに聞いてくるのを見て一ノ瀬はタバコをふかしながらクズ顔で答えた




「この村を魔獣に襲撃させる」















































































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