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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

冒険者が産まれた背景と冒険者ギルド、考察

作者: 亜細万

 しつこくてすまないが、感想によってこれも考察しなくてはならないと思ってしまったので、書かせて貰う。


 なろうで言う冒険者とは、人類の敵である魔物と戦う兵士であると同時に、古代文明の遺産である遺跡の調査、及び発掘を行う考古学者的側面のある住所不定無職だと定義してもいいだろうか?

 良ければ先に進んでくれ、ダメな方はブラウザバックだ。




 一般市民目線で見ると、冒険者はこう見える。


 武装している上に、統制の効かない集団。

 一般市民から見れば、野盗も冒険者も変わらない、武器を持ち、殺し合いと強奪を生業にする人間達と認識されてもなんら問題はない集団である。


 本来ならば、そんな無頼漢達は国に排除されてしかるべきだと言うのに、彼らは野放しにされており、一般市民達は眠れない夜を過ごすのだった。


 一言でまとめるなら、冒険者は公認犯罪者予備軍である。


 現代社会に例えると、アサルトライフルを背負って、ボディアーマーと野戦服で武装した強面集団が街をウロウロしていると考えてくれれば、分かるだろう。

 怖い、怖すぎる。


 人民を統制し、守るべき国家がこれを野放しにしているとなれば、いくつかの理由が存在するべきだ。



①そもそも無政府地帯

 これならば、誰にも文句は言われないだろう。

 取り締まる軍隊も、税金を取る役人も誰もいないのだから、武装集団がウロウロしていても、なんの問題もない。


②冒険者強すぎィ!!

 もっともいけないパターンだ。

 国家が統制の取れていない武装集団に頭を下げているならば、最早この世の終わりだろう。


③国家公認

 なんらかの理由があって、冒険者を認めていないと経済的、またはその他の理由で国家が成り立たない場合である。

 軍隊を編成する経済的余裕がないので、予備兵として冒険者を認めている場合だったり、そもそも冒険者が打ち立てた国なので、基本的に軍隊は冒険者です。なんてパターンが予測できる。


④熱烈歓迎冒険者ギルド

 とりあえずこうやって設定しとけばいいやw

 軽く考えた作者によって生み出された狂気。モンハンのギルドをモデルにしているなら未だしも、それすらモデルにしない、ただの中間業者の場合があるが、私が国家の長であったならば、全軍差し向けてつぶすだろう、危険すぎる。



 ①と②は解説しなくても、わかってくれるだろう。

 ③と④について、考察してみようと思う。




 ③の場合。


 再び私の小説から例題を出す。

 「異世界で薬屋を経営しているのだが、俺はもうダメかも知れない」

 から冒険者についての設定を提出しよう。


 この世界では、数年前に大規模な戦争が終わったばかりなので、国土は焦土、経済は衰退、都市のすぐそばにまで、危険な肉食動物の縄張りが広がっている世界観だ。

 当然、戦争に勝ち抜いた国家も、侵略者を追い返しただけなので、得る物はなく、ただただ金子を消費しただけの結果に終わった。


 軍隊を編成するより先に、灰になった都市やら村落を復旧させなくてはならないので、軍に金を回す余裕のない国家は、冒険者制度を打ち立てる。

 冒険者制度とは、土地もねぇ、金もねぇ、頭もさほどは良くはねぇの三拍子を持つ次男坊や三男坊を、非常時の戦力として抱えておく制度である。


 封建制の世界では、領土内にあるものは全て領主の物であり、他領から来た奴等が勝手に持って行ったりなんかすると、犯罪な訳である。

 しかし、この冒険者として国家登録を受けると、どこの領でも狩猟や採取が可能となり、その成果は決して奪われることはないし、どこの領でも許可証なしで商売できる、と言う制度だ。


 国家を行き来する行商人すら減っている世界なので、冒険者達は流通と調達を担う大事な仕事になった訳だ。

 ちなみに、国家からの徴兵は絶対に断れない、断ったら指名手配の上、捕まったら死刑である。

 許可なき逃走もアウトだ。再編成の点呼の際に居なければ、指名手配の上、死刑だ。


 金を稼ぎたいから勝手に強くなるし、放っておいても勝手に経済を回してくれるし、戦争で死んでも国家は遺族年金すら払う必要もない上に、戦争での食料武器は全部冒険者負担なので、凄くお得な制度だ。給料もでないからね!!

 とまぁ、国家認定だったら、こんな感じになるだろう。


 他にも、フロンティアに出来たばかりの若い国家なので、そう言った人材が必要不可欠な場合も、国家認定式冒険者になると思う。





 ④狂気の産物冒険者ギルド


 基本的にギルドとは相互扶助の為の組織であることを念頭に置いてほしい。

 労働者組合とかも、いわば労働者ギルドである。


 冒険者とは、一定の場所に定住しない者が多いと思うが、あっちこっちに好き勝手に出かける兵士もどきの相互扶助組織など、どうやって発足させればいいのか、亜細万にはさっぱりとわからない。


「とにかくギルドはあるんだよ! ケチつけんな!」


 と言う作家はブラウザバックしておいてくれ、これはそう言った部分を考察して楽しむエッセイだ。

 冒険者同士が徒党を組んで、広いダンジョンや強力なモンスターを討伐する為に発足した組織を、便宜上ギルドと呼ぶ事には、なんら問題ない。

 しかし、なろうにある冒険者ギルドとやらは、明らかに営利団体であり、よくわからないランクを作って冒険者を管理している。


 そっちのパターンを考察していこう。

 基本的にギルドと言うのは、必要にかられて作られるものである。


 鍛冶師ギルドなんかは、石炭木炭の独占を禁止し、鉄鉱石などの材料の流通を握って、相互に仕事が出来るように取り計らう組織だ。

 商人ギルドなんかもそう、よそ者が遠くから好き勝手な品物を運び、市民に安く売って価格崩壊を招いたり、逆に保護されない行商人を保護する代わりに、行商人の品物はそこのギルドで独占する等の、利益やなにやらを保証する組織である。


 冒険者ギルドは一体何を保証して、取り計らうのだろうか。

 依頼の独占禁止とかも、まずありえない。

 強い冒険者がわざわざ報酬の少ない薬草採取とかをやるわけもないし、冒険者の権利なんて保証しなくても意味がない位の吹けば飛ぶような権利ばかりだ。


 依頼の斡旋等も、わざわざ営利団体を作ってやることではないだろう。

 依頼はピンキリであるが、それこそ依頼に関するルールを作っても、住所不定無職の武装集団達は窮屈になればどこかに行ってしまうからだ。

 仲介料を取ると言うのも、土台おかしな話である。


 例えばだが、おばあちゃんが腰を痛めたから、そこの森で薬草を採取してきて、なんて依頼からは仲介料なんて取れないだろう。

 逆に山のドラゴンやべぇから討伐してきて、なんて依頼からも取れないだろう。そう言った依頼をするのは国家か領主でなくてはならない。


 そこに「冒険者ギルドを通してください、ルールですので」とでも言ってみろ。

 あっと言う間に活動禁止の布告が出され、住民からはそっぽ向かれ、依頼なんて来なくなるし、討伐した魔物の部位を買い取ってくれる商人からもノーセンキューと言われてしまう。


 ん?「冒険者は国家を倒せるくらい強い」だって?

 マイルール無視されて、逆ギレかまして国家を倒したテロリストの所に国民が集まってくるわけがない。行政とはシステムであり、そのシステムから外れた冒険者に内政なんて出来る訳がなく、国家討伐の際にはそこの国民たちはとうに逃げ出しているだろう。


 そもそもそうなったら、全世界で冒険者禁止の制度が出来上がり、居場所なんてなくなってしまうだろう。一人で生きていける能力があるのなら、冒険者になる意味はない。

 人は集団の中でしか生きていけない、生産者からそっぽを向かれた武装集団の末路は、どこの歴史を参照しても哀れなものである。


 さて、逆説的に考えよう。

 何故、冒険者ギルドを作る必要があったのか、と考えてみると、案外答えは浮かぶものだ。


 冒険者が危険だから、首輪をつけるためのギルド、と考えれば納得は行く。




 以上である。

 もう疲れたので、終わりにしよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 先ず「冒険者」ってナニモノよ?ってな所から。 起源として、実在の各地の神話や伝承のヒーロー達みたいな活躍、強力なモンスターを倒した、未知の遺跡からとてつもない財宝を得た人物がいて、自らの名…
[一言] ギルドって言葉自体がドイチェ語だからゲームや小説等で設定されるギルドの多くはヨーロッパの十二世紀辺りに台頭して来た一般市民の自治都市に寄るギルドが元ネタ。 但し、ギルドの様な相互扶助を元にし…
[一言] うわぁー異世界ってすごくロアナプラみたいな街ってことになりますね。 そんなところに強制トリップ食らってなんとか生き延びている、日本人ってそれ自体がチートな気がする。
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