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アドルフ  作者: Morrissey
1/1

ロバート・テン

小説書くのは初めてで見様見真似ですが。

薄気味悪いテン・シティの裏路地で、俺は葉巻を蒸していた。

葉巻を少しずつ燃やしていく小さな火だけが、ここを明るく保っている。

ああ俺はこんなとこで何をしている。


12月25日、

その日俺はクリスマスだってのに、その年で最悪の朝を迎えた。


俺は本業で探偵をやっていて、その日の依頼人は…口に出すのも危機を感じる、大悪党ロバート・テン。

ここテン・シティを仕切っているマフィアのボスだ、街の名前も奴から来てる。


早朝この豚面の大男が事務所に上がり込んできた時にはてっきり息の根を止められるものだと思ったんだが、奴は1人だったし、扉もゆっくり開けた。


テンは真っ黒なコートの中から分厚い札束を取り出し、それを俺にちらつかせながら言った。


「これで庭の手入れをしてくれ」


その一言が何を意味するか、俺はすぐに悟った。

まずひとつは、ここで堂々と要件を口に出さないと言うことは外で犬が張っている証拠だろう。


そしてもうひとつ、これは殺しの依頼だ。


本当に面倒な事になった、依頼を引き受ければ、犬に俺が奴とグルだと思われる。かと言って依頼を断れば、大悪党ロバート・テンは黙っちゃいないだろう。


俺はかなりヤバイ状況だった。目を覚まし、焦げ目のついたトーストをかじり、迷い猫のアドルフを探しに行くはずだったのに…、それがたったの1分でこれだ。情けないというよりも、とことんついてない俺に嫌気がさした。


俺は最善の道を選んだ。

この街を仕切ってるのは犬共じゃない、俺の目の前に立っている、この豚面の大男だ。


「引き受けた」


スカした風にそう言い返した。少しでも強気な態度を表し、奴にできる男だと信頼させる為に。

だが同時に、俺の中で終末を知らせる鐘が鳴った、終わった…。


所詮犬共がテンにかなわなくとも、俺は別だ。

一旦依頼から離れた途端、そこでいよいよ最後を迎える、袋のねずみさ。


「外に車を待たせてある、庭掃除道具を揃えて来いよ」


奴の言葉に少しだけ安心した。

どうやらこの檻においてけぼり食らわすわけではないようだ、もしそうなりゃ外の犬共の餌になるだけだからな。


普段は俺だけの核シェルターであるこの場所が、たったの1分で監獄だ、どこにも逃げられやしない。


それも全てこの男のせいだ、いつかその歯を全て砕き割ってやる。


奴の言った通り、外には黒いバンが停めてあった。

中にはまるで007の悪役みたいに格好つけた男が数人いて、俺はなんだかトニー・モンタナにでもなった気がした。


周りに犬共の姿は見えない、おそらくどこかの柵の影にでも隠れているに違いない。


俺とテンを乗せて、バンは静かに動き出した。こんな大男にこのバンは小さすぎる、俺は押しつぶされそうになりながらも、必死に息を整えていた。


12月25日、

その日俺はクリスマスだってのに、その年で最悪の朝を迎えた。

いかがだったでしょうか?恐らく多々邪道な点が多かったと思います。今後の参考にしていきたいので、どんなことでもご指摘よろしくお願いします。

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