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襲撃と出会い

この話を読んでくださる皆様ありがとうございます。


 ピタッ。


「二人とも、どうしたの?」


 スターチスとマチルダさんはじっと前の方を見る。


「待ち伏せされてるな。」

「そうですね。前に500待機されてますね。」


 それって軍隊が出動されてるってこと?


「とりあえず、こっちだ。」


 スターチスの言葉に右側の森に突入する。

森の中をつっきり、もう少しで抜け出せそうなところで、


「止まって。」


 スターチスの制止にボク達は足を止める。


「隠れて。」


 その言葉に木の陰や茂みに隠れる。


「おい! いたか!」

「いや! まだだ!」


 兵士がこちらにも捜索に来ているみたいだ。


「しつこいな。しょうがない。俺が囮になるから、お前達はここから逃走して、南にいった所にセレストの街で落ち合おう。」


 スターチスはそう言って茂みから飛び出す。


「いたぞ!! 追え!!」

「射殺せ!! 弓兵を連れてくるんだ!!」


 そんな叫びが聞こえる中しばらくすると、叫びが聞こえなくなったので、ボクとマチルダさんは森を突破する。

街道を走り続ける中、


「危ない!」


 叫びながら、魔剣グラムを抜いたマチルダさんがボク目掛けて飛んでくる聖なるオーラを刀身で受け流す。


「…気づいたか。堕天使の犬よ。」


 その声とともに聖騎士様が歩いてくる。


「リスさん。ここを逃げてください。」

「で、でも、マチルダさんを放って逃げるわけには。」「私なら大丈夫です。それよりも速く逃げてください。」


 マチルダさんの言葉にボクは首を横に振る。ボクは故郷を潰した魔剣士に復讐する。そのためにここまで頑張ってきた。


「大丈夫です。私もスターチスもセレストの街で待ちます。」


 その言葉に頷いてボクは右手側の森の中に突入する。森の中を暫く走っていると、殺気を感じて右に跳ぶ。それまで立っていた空間を矢が通過する。矢が飛んで来た方を見ると、弓兵が弓をボクに狙いを定めていた。


「射れ! 避ける間もないくらいに矢で射殺すんだ」


 隊長の言葉に弓兵が矢を射かけようとした時、


「右に逃げて!」


 その言葉に従い、右に逃げたら、辺りを濃霧が包んだ。どうやって逃げようと悩んでいたら、誰かに手を掴まれた。


「こっち。ついてきて。」


 声からすると、先ほど、ボクを逃げるように指示した人だと思う。しばらく、その人に引かれて走ると、濃霧もはれる。それでも、森の中には変わらないけど。


「ここまでくればもう大丈夫。」

「ありがとうございます。おかげで助かりました。」


 助けてくれた女性がこちらに振り向いたので、その女性に頭を下げる。


「気にしない。あの場に偶然いたから、なんとかしようと思っただけ。」


 そう言いながら、その少女はニコリと笑う。

その少女はボクと同じか少し上くらいかな? 東方にある島国のジャポンの民族衣装着物を動きやすいように改造したものらしい。袖がなく、また、太股のほとんどを晒すキモノを着ている。愛嬌のある可愛らしい顔に笑顔を浮かべてボクを見ている。


「私は巴。よければ名前を聞かせて欲しい。」

「ボクはリス=ノワールです。助けてくださいましてありがとうございます。」

「気にしないで。事前にここに軍隊がこちらに来ているって情報を掴んだから足止めのために来たらリスを見つけたから助けただけだし。」


 その言葉から、ボクはトモエさんを観察する。右手に鞘に納められた緩いカーブの入った剣が目についた。まさか、この人、魔剣士? それとも、聖騎士様? わからない。出来れば、監視したいけど。そうだ!


「実は、その軍隊のせいで仲間とはぐれちゃって。セレストの街で合流することになってるんですが、1人だと心細いですし、その………。」


 ボクの言葉にトモエさんは困ったように頬を掻いた。


「わかったわ。これも何かの縁だし。セレストの街まで一緒にいくわ。よろしくね。リス。」


 ジャポン特有の黒髪のポニーテールを風に靡かせながらトモエさんは苦笑する。

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