崩壊
感想頂きました〈魔剣士〉 高天原 A様、レフェル様。並びにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
また予定より少々遅れました申し訳ないです。飼い犬が逃げ出して探し回ったり(よその家に飼われてましたが。)後、思いつきをプロローグだけでもと書いてました。そのために遅れました。
「ごめんなさい!」
トモエさんが魔剣士だと知った直後、ボクはトモエさんに謝罪していた。
「え、えっと、何があったのかな?」
「実はトモエさんがスターチスやマチルダさんの敵じゃないかと疑っていたんです。」
「あぁ。それで、監視していたのね?」
どうやらバレバレだったらしい。誤魔化す事もできず素直に頷いた。
「しょうがないよ?逆に私がリスさんの立場なら警戒せざるを得ないし。
立ち話もなんだし、宿屋に戻って話そう。」
トモエさんはニコリと笑いながらの提案にボク達は素直に頷いた。
「それで、トモエは何で、リスと一緒にいたんだ?」
ボク達の泊まっている部屋に到着してからのスターチスのといに頷いてから答える。
「それは、皆や聖騎士達の動向を把握するために帝国に潜り込んでいたのよ。」
トモエさんは豊かな胸を張るようにして答えた。
「それで情報を集めていたら、あなた達に軍が差し向けられたと聞いて救援に向かったらリスが弓矢を射かけられそうで助けた後はリスの連れと合流するためにセレストの街で待ってたの。」
「なるほど。ありがとう。トモエ。
それで他の魔剣士達の情報は何か掴んだのか?」
「そうね。後、30日後にいくつもの町を潰した魔剣士を公開処刑に処するだって。」
何かを考えているのか宙を睨んでいたスターチスはさらに別の質問をする。
「トモエ。他に魔剣士の情報は何か掴んだのか?」
「いいえ。無いわね。」
スターチスの問いにトモエさんは首を横に振りながら答えた。
「そっか。じゃ、憐れな生け贄の羊を助けに行くか?」
「え?」
その言葉にボクは小さく呻いていた。
「多分、この処刑は囮だ。偽情報で俺達を誘き寄せ、聖騎士達を結集させて一網打尽にするってところじゃないかな?」
スターチスの言葉にボクは固まっていた。そんな事で無関係な人の命が奪われるの?
「そんな事許されるの?」
「聖騎士達には許される許されないなんて感情は持ち合わせてないさ。」
「………え?」
ボクはスターチスの言葉に小さく呻いていた。
「聖騎士達は選ばれたが故に奪われた憐れな存在だ。」
その言葉にボクの中の聖騎士象が崩れた瞬間だった。




