表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

【プロローグ】

 この世界は、どこか壊れている。

 それが露呈したのは、いつの頃だったか。


 時空を割ってこの世界にやってくる侵略者・インベーダー。

 彼らの目的は地球の植民地化である。

 彼らは自身の武器をカードに封じ、それらを解放(バースト)することで地球を制圧しようとした。

 これに対し人類側はあらゆる最新兵器による抵抗を試みたが、全て無意味な結果となった。

 通常兵器ではインベーダーに傷1つとして与えることはできなかったのだ。

 しかし、神は決して人を見捨てなかった。

 一人の科学者が、インベーダーが使うカードを入手した。

 それを研究し、科学者は六種類のカードを創り出すことに成功した。

 1つは、インベーダーを倒すための武器――ウェポンカード。

 1つは、自分の身を守る鎧――アームドカード。

 1つは、杖属性の武器によって発動される魔法の力――スペルカード。

 1つは、捨て札となることで効力を発揮する引き金――ブレイクトリガー。

 1つは、逆転の可能性を秘めた大いなる希望――クラッシュカード。


 そして1つは、人間をインベーダーと同じ存在に書き換える、使用者の分身――アバターカード。


 アバターカードを使う人間は“アバターユーザー”と呼ばれ、インベーダーと戦い、この世界を守る義務を課せられる。

 科学者は言った。

 これはゲームだ、と。

 私はこのゲームを『アバターズ・レギオン』と名付ける、と。

 このアバターズ・レギオンの勝者こそが、世界の主導権を握る、と。




◆◆◆◆◆



【六道ラグナさまへ】

【この度、度重なる厳正な審査の結果、貴殿はアバターユーザーとしての十分な適性があることが判明しましたので、ここに通知します。適性者である貴殿にはアバターユーザーとして戦うことが義務付けられる。そこに拒否権は一切存在しない。インベーダーと戦い、人類の勝利の礎となるのだ。我々の未来のために】



 今日、私の元に赤紙が届いた。

 家族は泣いた。決して嬉し泣きではない。

 インベーダーとの戦いは生半可なモノじゃない。常に死と隣合わせだ。

 命の保障はできない。

 つまり、私はいつだって死ねる存在になった、ということだ。


 私は、通知書と共に届けられた小箱を開ける。

 中に入れられていたのはブレスレットとアバターカード。

 アバターカードには、まだアバターが表示されていない。

 これから軍事機関に向かい、そこで私のアバターが決定するんだ。

 そして、アバターカードをブレスレットに装填することで、私の肉体はアバターに変換され、インベーダーと戦う兵器となる。

 ブレスレットには、既に50枚のデッキが内部に収納されている。ただし、全て白紙。

 このデッキのカードも、私のアバターが決定した瞬間に、初めてカードとして誕生する。


 私はブレスレットを左手首に填める。

 もう、後戻りはできない。

 私は戦わなければならない。

 人類の勝利のために。

 たとえ、私自身が、この戦いに何の意義も見出せなかったとしても、だ。


 それでも、戦わなきゃいけないんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ