表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

3月うさぎ

作者: 日暮舞子

うさぎ、うさぎ、

わたしのうさぎ。

3月うさぎが驚いた。

うさぎ、うさぎ、

わたしのうさぎ。

あなたの尻尾を踏んだから?

怒ったの?

もう嫌い?

ごめんね。

もうしないわ。

だから、

会いたいの。

会いたいわ。

3月うさぎに会いたいわ。

わたしの3月うさぎちゃん。

春にはまだまだ遠いから。

今頃うさぎは冬眠中。

そうでした、うさぎは冬眠なんてしやしない。

雪に紛れてかくれんぼ。

誰があなたを探してくれる?

誰があなたを見つけてくれる?

わたしでしょ?

わたしでなけりゃ、あなたなんて探し出せやしないでしょ。

まっ白雪に身を隠す、臆病者のうさぎちゃん。

うさぎ、うさぎ。

あなたはよく知っているのでしょう?

あなたが作る雪だるまも。

あなたが口にする砂の果実も。

わたしの頬を包むその手のひらも。

わたしを熱くするその唇も。

すべて、すべて、

わたしが大好きだってことを。

わたしが必要としていることを。

わたしが待っているってことを。

わたしのこの身体の熱さが雪を溶かす。

早く春が来るようにと。

いいの?

いいでしょ?

いいよね。

わたしはうさぎを見つけちゃうよ。

そうしたらね、

いつまでも終わらないお茶会へ。

二人だけのお茶会へ。

連れて行ってね。

早く。


春まではもう待てないよ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ