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入学式

桜架高校おうかこうこうの入学式


 東京都立の名門校、桜架高校。

新たな制服に身を包み、初々しさが残る趣で新入生達が体育館で静かに校長の話を聞いていた。



「えー、我が桜架高校は近年類のないほど成長しました。生徒の質・各委員会の充実、教師の意識向上、すべては皆の努力の賜物であります。新入生の諸君、我が高校に入学したからには……」



だるい。

確かに、新しい高校生活が始まるという高揚感で今ならどんな下らない長ったらしい話だって我慢できると思っていた。しかし、もはや新入生の中にも姿勢を崩し、眠りこける生徒が出始めた。


やっぱり校長の話というものは小中高どの学校でも長くてつまらないというのがデフォなのだろうか…。と、勝手に今を実況している俺はこの桜架高校をぎりぎりのラインで合格した東條とうじょう 弥勒みろく

彼女いない暦=年齢

という可哀想な人生を送ってきたわけだが、そんな人生、今日でおさらばだっ!!!!


「最後になりますが、我が校が誇る生徒会執行部の挨拶をさせていただきます」



校長の言葉とともに、前に出てきたのは髪が長くて足が長くて、スタイルのいい……


『男ぉぉぉおお!!?』


はあああ?まじありえねーよ、俺のハッピーライフはたった今終わりを告げた!!

理想の女生徒会長とか…ツンデレとか…萌えとか…


『…ん?…あ、す、すいませんでした』


気づいたらかなりの注目を浴びていた。

やっべぇ、大声で叫んでしまった…。

「…新入生の諸君。生徒会長が男で悪かったな?俺様が妋崎せざき 泰斗ひろと、桜架高校3年生徒会執行部会長だ。」


ひぃぃ!こっち見られてるし、絶対目つけられたこれ!!


「俺たちの仕事は学校を盛り上げる事でも、各委員会の指示を出す事でもない…各々の問題や事件を解決するためにある。持ち込まれた事件は必ず解決してやる。ただし…依頼料は高いぜ。以上」


生徒会長の発言に周りはざわつき始めた。


「事件て何ー?」

「謎、なぞなんですけどwww」


だがイケメン生徒会長は女子ウケは最高にいい。

「ファンクラブとかってやっぱりあるのかなー」


「ぜったいはいろー♪」


っけ、あんないかにもナルシストな生徒会長のどこがいいんだか。

これだから女はわからねーっ


生徒会長の挨拶も終わり、入学式は無事終了した。

これから俺たち新入生は各々の教室に戻ってLHRが始まる。



「おい!」


「おいってば!」

「あ、俺を呼んでんのか?」


生徒会長が男である衝撃が強すぎて話しかけられている事に気づかなかった。


「俺、山田 徹! 1−A出席番号29番彼女ナシ! よろしくなー!」

「お…お前、よく彼女ナシなんて堂々と言えるな……」


俺には無理だ…


「君って同じA組の東條君だよねー! さっきの心の叫び、切実だよな! 俺も衝撃的だったわー」

「!!! わかってくれるか!?」

「男が生徒会長とかあれだなー、萎えるよな。妄想ライフが台無しだぜ!」

「そうだそうだツンデレとか萌えとか…!なぜこの学校にはそれが無い!!!」


……(ガシッ)


何故だかわからないが、俺たちは同志のようで思わず握手をした。

「心の友よ!!(叫)」

「ちょ、お前みんな見てるからやめろ!叫ぶな!」

「同じクラスに君がいてよかったよーみろろん!」


「み、みろろんって何だー!!!!!」



初めて言われたぞそんな呼び方。

「みろろんはみろろんじゃん。みろろんの呼び方ね♪ハイ、けってーぃ!あ、僕の事はとおるんでいいからねvみろろんならそう呼ばせてあげる!」


「…山田」

「(ニコ)」


「と…とおるん?」

「なーにー?」


今何か黒い物を感じた……







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