第1話 合コンでアイツに再会
クリスマスなんて、大嫌いっ!
日本人はどうしてこう、イベント好きなのかしら。
キリスト教でもなければ、たいして神様も信仰してないのに、十月のハロウィンが終わると十一月には早々とクリスマスカラーで街中が彩られる。
店内のBGMにはクリスマスソング。いたるところでクリスマスツリーやクリスマスのオーナメントが飾られ、店頭にはクリスマスに関連した商品が並べられる。プレゼントのラッピングだって、クリスマスカラー。
日本人なら誰でも好きそうなクリスマスだけど……私は、大っ嫌いだ。
それなのに、どうして私はこんなところにいるのだろう。
クリスマス目前の十二月十九日、日曜日。
流行りのクリスマスソングが流れる大型ショッピングモールのメインゲートに立つ私の横には、親友の順子さんと悠ちゃん、それから――男の子が三人。
この時期は、ショッピングモールに来るのも嫌なのに、順子さんがどうしても欲しい物があるから買い物に付き合ってくれって、そう言われて引っ張られて来たんだけど……これって、合コンよね?
「彼が、私の友達の山口 健君」
背が小さく、少し染めた茶髪のウェーブヘア、くりっとした瞳が印象的な順子さんが男の子のうちの一人を紹介する。
「山口です、こっちにいるのが、石川と香川」
紹介された山口君は、さらに横にいる男の子を紹介してくれるのだけど、それまで上の空だった私は、山口君の横に立った男の子をちらっと見て、その瞬間、ドキッとする。向こうも私に気づいたようで、指をさして叫んだ。
「……千葉 花音?」
そう叫ばれて、私はぎゅっと眉根を寄せて、そう言った男の子を睨んだ。
「香川 理桜……どうしてあなたがいるの?」