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第五章 憑依型に必要なもの(前編)


■3つの必要なもの

 この章では、憑依型執筆スタイルの実践面での話になります。


 憑依型に必要なものとは?と考えた時、なんだと思いますか?

 想像力?それとも奇抜なアイデア?

 確かに想像力も発想力もあったほうが良いのは間違いありませんが、これらは意図的にどうにかできるものではないので、重要度は低いです。そもそも、憑依型の人は妄想グセのおかげで想像力が鍛えられているからこそ、憑依型になっている可能性もありますからね。すでに想像力は備わっているとも言えます。

 つまり、想像力や発想力だけあっても意味がないと言いたい。


 私は約5年の執筆活動のあいだに、長短あわせて40程度の作品を執筆してきました。その上で自分が憑依型だと知り、憑依型での執筆する上で、3つ必須なものがあると考えています。これは、自分の経験から導き出された考えになります。


①脳内の妄想を忠実に再現するための、文章力

②憑依中に得られる多くの情報の中から、効果的に取捨選択するセンス

③脳内で作り上げる人格の幅を広げるための、人生経験


 私が執筆を始めた当初は、当然①と②が弱くて、書きたかったことが充分に描写できておらず、今読んでも憑依型の強みが充分活かせていません。でも、この5年の経験で随分と鍛えられたという自信も生まれました。

 なので、素人の根性論と片付けずに、少しでも参考になればと思います。


 では、それぞれの重要性を、ここで解説したいと思います。



■文章力の重要性

 憑依型が実際に執筆する時、脳内で見えるシーンをリアルタイムで文章に起こしていきます。

『書きながら妄想を広げていく』と言ったほうが分かりやすいかもしれません。ライブ中継しながら筆記していくのに近いですね。

 これは私自身の話なので、他の憑依型もそうなのかは分かりませんが、リアルタイムでどんどん展開していくし、情報も次々と入り込んでくるので、書くほうもそのスピードでついていかないと、なにが起きていたのか見逃してしまう(私自身の感覚では、「何が起きていたか、忘れてしまう」)のです。

 つまり、見たもの(感じたもの)を文章化するスピードが必要です。


 そして、スピードだけではなく、見えたものを再現する描写力や表現力も重要。

 脳内でせっかく面白い展開が起きていても、それを文章で的確に再現する描写力や表現力がなければ、面白さが読者へ伝わりません。最初に述べた「想像力だけではダメ」とは、このことです。



■文章力の鍛え方

 文章力の鍛え方に関しては、人ぞれぞれ自分にあった方法があるかと思いますが、私は兎に角書くことでした。

 それも、ただ書くだけではなく、課題を設定して、それを意識しながら。

 例えば、『キャラのテンションを文字でどう表現するか?』と課題を決めて、会話シーンでのセリフを書いていきます。プロット設計型のような「〇〇はテンションが上がっていた」なんて説明臭い説明はしませんからね。

 句読点を増やしてセリフの間を表現したり、句読点を無くすことで勢いを表現したり、と試行錯誤しながら文章での表現力を鍛えていきます。それも、リアルタイムで筆記しながら。

 そうやって何十作も書くことで、スピードも表現力も鍛えられました。なので、私の場合で言えば、『課題を意識しながら執筆訓練をする』ことで鍛えられています。


 ちなみに、憑依型だけではなくプロット設計型にも当てはまると思います。

 面白いプロットが作れても、場面場面での描写が拙ければ、面白くなくなります。

「戦闘シーンが説明だらけでキャラに躍動感がない」とかありがちですよね。

 また、作者の意図を見せないように表現できなければ、読者は主人公よりも作者の顔ばかりが見えてしまいますから、白けますよね。

 もっと酷いものだと、説明セリフのようで本筋に関係のない細かい知識などを挟んでいる作品を見かけますが、あれは最悪です。「作者が知識自慢したいんだろうな」と見えてしまいます。作品が物語を語る場ではなく、知識自慢の場になっているのです。だったら、小説じゃなくて実用書でも書けばいいのに。

 念のために言いますが、私はプロット設計型という執筆スタイル自体を否定するつもりはありません。プロット設計型の強みを活かせず、稚拙な描写を説明過多のセリフや低レベルのギャグで誤魔化そうとする作者の意図が透け透けの作品が大嫌いなだけです。あとテンプレを恥ずかしげもなく使う思考停止作家も。


 すみません。つい本音が零れてしまいました。

 小説家にとって文章力が大事なんて当たり前の話で、「今更なにを言ってるの?」と思われるかもしれませんが、ネットでweb小説をたくさん読んできた読者さんなら、「確かに、文章力のない作家って多いよな」と感じるのではないでしょうか。小説創作の敷居が下がった分、文章力の質も下がっているのです。素人だけでなく、プロでもそうです。「これで書籍化して本当に大丈夫なの?」と心配になるレベルも普通にあります。

 そして、それが当たり前という甘えが蔓延して、作家の自発的な文章力への向上心が低下しているのが、今のネット小説界隈なのです。


 だからこそ、憑依型にとって、脳内の物語をアウトプットする手段である文章力は、生命線であり必須だということです。



 残りの2つは、中編と後編にて解説します。





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