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夏休み初日の朝。
いつも通りの時間に起きて、いつも通り朝食を食べる。
「今日もダンジョンに行くの?」
「うん。せっかくだからいろいろ試したいんだよね。」
「あなたのことだから、勉強の心配はしていないけどケガしないで帰ってきてね。」
「わかっているよ。安全マージンはしっかりととって行動するよ。」
昨日と同じ装備をして玄関を出発する。
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ダンジョン内は、昨日と同じく薄暗く冷たい。
賢は深呼吸をして、昨日の感じた魔力を全身に流していく。
『魔力を全身に流すことができています。身体能力が5%上昇します。』
少し流せるようになっただけで感覚的には差がはっきりとしている。
「なんでほかの探索者は、これをやらないんだ?」
『他の探索者はそもそも魔力を自分たちで圧感覚を持っていません。スキルを使用する際に自動で使われていくことしかないと思っています。ただし、熟練の探索者などは無意識下で魔力を全身に流していることはあります。』
熟練の探索者の異常な身体能力はこれが原因なのか。しっかりと今のうちに練習しておくと将来的にも使うことができるな。
「まずは基礎から確認していこう。」
探索していき昨日と同じくスライムを見つける。刀を使ってスライムを切る。
「身体能力が上がっているからか、昨日よりも刀がスムーズに降ることができているな。」
『魔力だけでなく昨日でレベルも上がっています。』
「そういえば、昨日の探索後にステータスを確認していなかったな。」
周りを見渡しスライムがいないことを確認してから、ステータスを確認する。
名前:神谷 賢 年齢:15
レベル:3
スキル:
(ユニーク)Magical Intelligence Lv:-
(コモン)剣術初級 Lv:5
(コモン)魔力操作 Lv:4
剣術スキルは手に入れてよかった。レベルも多少は上がっているな。
魔力操作もスキルとなって上がっているな。練習していたおかげか、レベルも上げられている。
スライムを狩りながら、魔力操作の練習をしていこう。
スライムと数戦して次のスライムを探しているときに、近くでほかの戦闘音が聞こえてきた。少し気になってしまい、その音に向かって近づいていく。2人組の探索者を見つける。本当は迷宮内でのほかの探索者への接触は問題が起きやすいため、できる限り避ける方がいいという暗黙のルールがあることも知っていたが今回は何かに吸い込まれるように近づいてしまった。
そこで見たのは2人の探索者で、一人が県と盾を持っておりもう一人は後ろで杖を構えていた。杖を持っているのは純粋魔法使いのみなのですぐに魔法使いと分かった。何かつぶやいたのちに、目の前に火球が表れた。初めて魔法をじかに見ることができた。
『魔力を目に集中させることで、周囲の魔力を知覚することができます。これを魔力視といいます。』
なにぃ!俺はすぐに魔力操作で目に魔力を集中させることでいつも見えている景色の中に、光が見えている。それは探索者の体の中にあり、もう一回魔法を発動させるときに、体の中の魔力が移動して腕の先から杖へと移動していって、魔力の質が変化したと思ったら、火球と変化していった。
そのあとは、探索者にたまたま通ってしまったといって挨拶だけしてまた一人になった。
「MI、先ほどの魔力の変化を見ていたか?」
『はい。同じ景色を見ていました。』
「あの変化を再現できれば、俺も魔法が使えるのか?」
『先ほどのは火球しか見ることができませんでした。なので、火球の再現はできますが、スキルがないとその他の魔法を習得することはできません。ほかの魔法を知覚することで再現することは可能と推察はします。魔法の再現を行いますか?』
「いや、魔法の再現は俺の目指すとこではない。しかし、今魔法を見られたのはとても参考になった。錬金術と魔力操作で魔法はいくらでも再現できるのは分かった。魔力の変化の仕方、魔力の流れがわかった。ならばこれを変化させるとどうなるのかを分析して、使いやすいように変化させていけば自然と目指しているものに近づける。大事なのは一個ずつ積み上げていくことだ。」
そのあとは、スライムを同じように倒していく。途中から階層をおりてスライムの集団との戦闘も行った。MIのアドバイスもあり集団戦でも問題なく戦うことができた。
「最後にステータスの確認も行おう」
名前:神谷 賢 年齢:15
レベル:8
スキル:
(ユニーク)Magical Intelligence Lv:-
(コモン)剣術初級 Lv:9
(コモン)魔力操作 Lv:10
昨日よりも戦うことができていたのでその分レベルも上げることができた。剣術スキルや魔力操作のレベルが10になればそれぞれ進化する。明日にでも進化できることを確認してステータスを閉じる。
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家に帰ってからは、いつも通り今日の反省を行う。
•魔力循環:かなりスムーズに行うことができてきている。
•魔力膜による防御力に関しても確認
•集団戦闘による意識の配分
•火球に関して魔法の分析
「魔力循環による、身体強化は安定着ているな。目に集中させることによる魔力を見ることもできるようになったし。魔力膜は軽くスライムの攻撃を受けてみたが、しっかりと防御することができていた。」
『魔力膜については、受けきれる攻撃に限界があるので万能ではありません。』
「そんなことわかっているよ。流す魔力を増やせば受けられる量も増やせるだよな。」
『はい。』
「なら、問題ない。これから増やしていけるようにする。集団戦闘については意外とやれるな。」
『今回の集団戦闘の成功は、相手がスライムだったこともあります。スライムは知能が低く戦闘方法も決まっているので、ゴブリンやコボルトとの集団戦闘とでは大変さが大きく変わります。』
「そうか。明日はさらに階層を降りていく、3層からはゴブリンが出てくるから気を付けよう。さて、今日のメインは魔法だな。」
『魔法の再現を行いますか?』
「さすがに家の中で火球は火事になったらまずいから、属性だけ変化させて水球にしよう。」
『わかりました。水球の再現を目指します。』
火球の魔法を発動させるときのことを思い出して魔力の流れを再現していく。性質を変化させるときだけさらに注意して水に変化させていくことで目の前に水球ができる。
「まさか、本当に成功するとわな。」
『おめでとうございます。スキルなして魔法を再現させる世界で初めての快挙です。』
「まだだ。ここは通過地点だ。しかも一回再現できたおかげで、魔法の原理に関して理解できた。これを基準に考えることができる。」
『では、魔法陣の作成にさっそく取り掛かりますか?』
「当たり前だ。この興奮は久々だな。」
そこから賢はMIと相談しながら、魔法陣の構想を立てていく。
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翌朝、夜と同じく賢は使えに向かったままであった。さらにノートに向かって多くのことをメモしながら図を書いていく。机に上はコーヒーがなくなりかけたマグカップや母親が晩御飯代わりに用意してくれたおにぎりが乗っていた皿などが並んでいるがそんなものは県の視界には入らず真っすぐノートに向かっている。賢は勉強しているときに気になる問題や深堀したくなる問題に向かうと時間も忘れて徹夜してしまうことは昔からあり、母親も理解してくれていた。
そんな中、急にノートの1ページを破って凝視しながら手を窓の外に向けて伸ばす。すると、手の中から水球がベランダの壁に向かって飛んでいき壁に当たったらただの水に戻る。次にノートの別の図を見る。すると次は、水でできた槍が浮かび上がる。同じようにベランダの壁に当たってただの水に戻る。
「成功だ。水球だけでなく水槍も再現できたし、威力の調節もできるようになっている。これで魔法陣の変化のさせ方がわかった。」
『おめでとうございます。これは完全に魔法の再現を超えています。魔法よりも自由に形も威力など多くのことを変化させることができる新しい魔力の体系になります。』
「これを、魔術となづけてさらなる活用を行う。とりあえず、今日は朝になったしいったん寝る。」
『おやすみなさい。』
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昼過ぎに「いい加減起きなさい。」と母親に起こされる。机の上を見ると昨日の激闘が残っている。
『賢、おはようございます。今朝の魔術が完成してから私に新しい機能が追加されました。』
「新機能?そんなことがあるのか?」
『スキル同士が共鳴しあって、新しいスキルを生み出すことなどはあるのですが、今回の魔術の開発は世界初になると考えられるのでそれに付随して追加された機能だと考えます。』




