8話「部隊」
2040年3月27日。
埼玉古墳群の中の一つには
ポッキー500万匹が集まっていた。
そこでは、ポッキーの遺伝子情報を解き明かすことができる科学者ポッキーが500万匹のポッキーをまとめて検査するべく、装置を作っていた。
その間、俳優ポッキーはネズミウイルスの量を増やすべく演技を磨いており、初代ポッキーはいくつかの部隊に分けようと考えていた。
まず一つ目の部隊は“戦闘隊“。読んで字の如く戦闘をする部隊だ。この部隊のポッキーは人間の頃に自衛隊であったり、プロレスラーであったり、プロボクサーであったりなどと、戦いに向いた職業だった者だ。
二つ目の部隊は“製造隊“。この部隊は銃や刀などの武器から、飛行機や戦艦などの戦闘向けの乗り物を造る部隊だ。この部隊のポッキーは人間の頃にエンジニアであったり、機械設計技術者であったり、航空宇宙技術者であったりなどと、ものを造る技術があった者だ。
三つ目の部隊は“頭脳隊“。この部隊は研ぎ澄まされた頭脳で作戦を考えたりする部隊だ。この部隊のポッキーは人間の頃にコンサルであったり、起業家であったり、将棋棋士などの先を読む、頭脳が優れている職業だった者だ。
四つ目の部隊は“医療隊“。この部隊はポッキーが傷ついた時に治療する大切な部隊だ。この部隊のポッキーは人間の頃に医師であったり、医師を補助する看護師であったりなどと、医療に関係する貴重な者だ。
五つ目の部隊は“特別隊“。この部隊は他の四つの部隊のどれにも属さず、特に貴重なポッキーでその貴重さのあまり他の部隊のポッキーに守られる立場である。例を挙げるならば初代ポッキーや、俳優ポッキー、科学者ポッキーがこの部隊に属する。
2040年4月15日。
19日間の時を経て、ようやく500万匹のポッキーをまとめて遺伝子情報を解き明かすことができる装置の開発を終えた。
この19日間、初代ポッキー、科学者ポッキー、俳優ポッキー以外はカントウ地方を駆け巡り、すべての人間をポッキーに変える事ができた。
その結果、古墳に集まったポッキーの総数はおよそ3500万匹に達していた。
3500万匹のポッキーを7回に分けて検査をしたところ、初代ポッキーが考えた部隊の振り分けはこの様な結果となった。
戦闘隊2100万匹、製造隊1140万匹、頭脳隊250万匹、医療隊10万匹、特別隊10匹。
古墳の入り口から足音がした。そうヨンクニ地方を征服したポッキー1300万匹が戻ってきたのだ。
ここからまた、科学者ポッキーの遺伝子情報業務が始まるのであった。