垂れた夕日は空模様
トントン拍子の上の空
消えた理想の金縛り
自業自得の空回り
ポコちゃん今日も悲しいね
ろくねんせーになったポコちゃんは
過去に戻りたいと願ってる
戻ってもっと
愛想良く
普通の子
になりたいと
今更遅い願望を
ウジウジ願ってる。
最近心がスカスカし
重たい汗が背後に回る
教室にいるのが辛いけど
何とか今日も登校日
クラスの友達グループに
誘惑目線で泣きそうで
自分にすがる ものもなく
ただ募る悲しさに
耐えうるしか
ないんだね
最近さ
ポコちゃんなんだか
妄想症
行ったこともないカラオケで
クラスの子達と歌ってる
物珍しい曲歌い
ポコちゃん一目置かれてる
終わると自然と泣けてくる
虚しい空の
妄想も
彼女の少しの安定ピン
好きに させて あげましょう
ポコちゃん目前修学旅行
班は 名前だけ知る同級生
いわゆる知人 赤の他人
先生は
仲良し同士を組んだらしい
ポコちゃんは
仲良しな子がいないから
空いてるとこに入ったの
仕方の無い事だけど
ポコちゃんなんだか気分悪い
班の子達は全部
女の子
性別だけが
浮いてない
一方美人な班の子は
笑顔でポコちゃんに話しかけてきた
「弱井…さん だったよね?」
ポコちゃんびっくり黙ってさ
不自然目合わせ不審者さん
「あれ?違った?」
班の子少し焦りだし
ポコちゃんそれ見てもっとダメ
まともに人と
話せてない
なのにいきなり本番で
ポコちゃん焦って焦ってる。
声が喉に釘を刺し
出ること拒んであばれ散る
ポコちゃんなんとか首をふる
「あ、やっぱり弱井さんであってるよね
あーえっと…一緒班だし 楽しもう(?)ね」
班の子やっぱり困ってる
ポコちゃんマトモに返事しない
これじゃあポコちゃんダメだよ本当
行先やっぱり奈良京都
班行動でも黙ってて
班の子だけが喋ってる
「あ、弱井さん大丈夫?」
焦り汗と顔を青く
動悸もしているポコちゃんを
班の子達は心配し
ポコちゃんの周りに群がった。
ポコちゃんやっぱり声出ない
だから首を振る。
班の子達も不安にさ
なっていくよどんどんと
身体の体へ嫌がらせ
名前のない体調不良
顔をしかめ
うつむいて
鹿を一つも見ていない。
班の子やっぱり不安なり
ポコちゃんに声かける
「本当に大丈夫?」
「休んだ方がいいかもよ?」
ベンチを指さす班の子達は
本当にポコちゃんを心配してる
だけどねポコちゃんもうダメね
情けなくて涙でそう
誰も悪くないのにさ
自分の恥で
傷ついて
善人たちを振り回す
せめてほっていてくれると嬉しいな
絞り出して
言いたいよ
「……もしかして……私達といるのが嫌とか?」
違う
本当に違う
なのにポコちゃん答えれない
もうどうしようないくらい
頭の筋は膨らんで
涙腺崩壊直前だ
なんとかなんとか首を振る
そして 班の子目を合わす
「本当に……大丈夫だか……ら」
掠れたか弱い乙女の声
班の子少し 安心そう
ポコちゃんの心配をしてくれる
この子達は優しいね
ポコちゃんこれ気に口開く
受け答えまでは楽になり
声のトーンも戻ってく
班の子はとても優しくて
ポコちゃんに色々してくれる
情けないと思ったけど
ポコちゃん凄く嬉しかった
泊まった宿屋の同じ部屋
班の子達と眠ってる
だけどやっぱり子供だな
みんなみんなで恋バナだ
楽しそうな雰囲気に
ポコちゃん横目で見ているね
「あ、弱井…さんも
好きな人とかいるの?」
すぐに首振るポコちゃんに
班の子みんな笑ってる
反応可愛いポコちゃんを
「ふーん…でも一人くらいいるでしょー?」
煽るように聞く班の子ら
ポコちゃん顔が赤くなる。
「い いないから。本当」
班の子笑ってる向き直る
そしてまた輪の中に。
修学旅行が終わるとね
班の子 いつしかいなくなる
あれだけ
優しく
してくれた。
だけどもそれは
その場だけ
空気を崩さず
処世術
ポコちゃん期待はしてたみたい
だけどねポコちゃん
受け答えもまともに出来ない人間と
友達になりたいやつなんていないんだよ
トントン拍子で時進み
ポツポツポツポツ
雨が降る
半径ポコちゃんのマブタくらい
塩っぽい雨が
降っている
腫れてしまった目の周り
肉が少し垂れている
夕日のような目ん玉に
涙もまた
垂れている