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燃え盛る闇と迫る影

真夜中の闇に、屋敷の近くにある古びた蔵の一角から、揺らめく灯りが漏れていた。

誰かが明かりを灯している。そんな不自然さに蓮は目を覚ました。


「こんな時間に、ランプの灯り……?」

窓の外から漏れる光が、暗闇の中で異様に目立つ。


慎重に外へ出ると、ひんやりとした夜風に混じり、独特の油の匂いが鼻を突いた。

ランプの灯りは蔵の小さな窓から漏れていた。


蓮は蔵に近づいた。

足音を殺して、扉の前に立つ。


その瞬間、小さなポタリという音とともに、ランプから灯油が漏れ落ちた。

油は地面に滴り、燃えやすい干し草にまで染み込んでいく。


そして、火花が散った。


「しまった!」


蓮が声を上げたその直後、蔵の壁に火が燃え移り、炎が一気に燃え広がっていく。


「火事だ!」


叫び声が屋敷に響き渡った。


蓮はすぐに屋敷の中へ戻り、全員を起こして回った。

慌てて集まった面々は、燃え盛る蔵を見つめる。


炎はあっという間に蔵の外壁を焼き尽くし、黒煙が夜空に舞い上がっていた。


「誰かがこの蔵を使って何かを隠していた。犯人は焦って火をつけたのかもしれない」

蓮は冷静に言った。


「でも、これで重要な証拠も燃えてしまっただろう」

館林は歯噛みしながら答えた。


その時、蓮の目に一瞬だけ、ある人物の髪に白いフケのようなものが付着しているのが映った。

だが、その場にいる誰もがその異変には気づかず、会話は別の話題に流れてしまった。


翌朝、燃え尽きた蔵の灰の中から、館林が小さな金属の欠片を見つけ出した。

「これが何かの手掛かりになるかもしれない」


蓮はその欠片を手に取り、鋭い眼差しで皆を見渡した。


「犯人は間違いなくこの中にいる」


屋敷の闇はさらに深まっていく――。


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