第四話:師匠と弟子
前回までのあらすじ:暗影連盟の動きが活発化する中、颯斗の平穏な日常は一夜にして崩れ去った。星見町にある神楽家に訪れたのは暗影連盟の幹部、白蓮。白蓮は颯斗の両親を無情にも手にかけ、颯斗は怒りと絶望を感じるしか無かった。しかし、絶望の中で神聖が颯斗の精神である中村に代わって完全詠唱の攻撃を放ち撤退させることに成功する。両親を失い、親の仇をうつ覚悟を決めた颯斗は堕天、神聖と共に暗影連盟を倒すことを決意した。そんな颯斗の前には謎の青年が現れて.........
??「そこの君、これはどういう状態だ???」
颯斗「あなたは.........聖剣騎士団団長の白石修司さん??」
修司「あぁそうだ。君の名前は?」
颯斗「神楽颯斗です。」
修司「神楽か......まぁいい。この状況の説明をしてくれ。」
颯斗「はい。」
颯斗は白蓮が襲ってきたことを話した
修司「暗影連盟が襲ってきたのか....おかしいな。」
颯斗「おかしいと言いますと?」
修司「暗影連盟が街の中の一家を襲うという前例が無いんだ。」
堕天『颯斗、お前は転生者だから狙われている。それは知っているだろう?』
颯斗『あぁ。それがどうした。』
堕天『それは誰にも言うなよ。』
颯斗『分かった。』
修司「神楽。今日から君は私の家で暮らしなさい。」
颯斗「え?」
修司「君は暗影連盟の幹部と対峙した人だ。またいつ狙われるかわからない。だから俺が君を保護するという名目で預かりたい。いいか?」
颯斗「はい!よろしくお願いします!!」
〜白石家〜
修司「ここが俺の家だ。」
颯斗「ここが団長の家....凄い豪邸だな。」
修司「俺の親を紹介する。あそこにいる竹刀を振っているのが俺の親父、白石智昭だ。」
颯斗「あれが団長のお父さん.....」
修司「俺と親父は2人で暮らしている。」
颯斗「2人で....?」
修司「あぁ。母は2年前、俺が18歳の時に腐乱の束縛で死んだ。」
颯斗「腐乱の束縛.......」
修司「あぁ。おそらく暗影連盟の奴の力術だろう。」
智昭「よぉ小僧。君が白蓮と戦った小僧か?」
颯斗「はい!えっと、智昭様!!」
智昭「君は何になりたい?」
颯斗「俺は、黎明学園に入学して暗影連盟を倒すべく聖剣騎士団に入隊し、戦士になりたいです。」
智昭「それは何のために?」
颯斗「この国に平和を取り戻すため。そして父、母の仇をうつためです。」
智昭「なるほどな。やる気は感じられた。君、年齢は?」
颯斗「今年で11です。」
智昭「11か....あと1年で黎明学園に入学できる年齢だな。」
修司「こう見えて親父は俺の師匠でもある。」
颯斗「そうなんですね!」
智昭「そうだ。小僧、君はまだ黎明学園に入学できる実力を持っていない。」
颯斗「それは重々承知です。」
智昭「そこでだ。黎明学園の入学試験までの残りの1年、俺と特訓しないか?」
颯斗「いいんですか?こんな俺と.....」
智昭「あぁ。君はまだ力術が発現してからまだ時間も経っていないのにあれほどの威力の技が打てた。君には才能を感じる。」
颯斗「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
修司「親父の特訓は一筋縄ではいかない。心してかかれよ!」
颯斗「はい!頑張ります!」
〜翌日〜
智昭「そういえば小僧の力術はなんだ?」
颯斗「俺の力術は修練です。」
智昭「修練か。じゃあまずは俺の力術、地碧で特訓してみよう。」
颯斗「地碧ですか....」
神聖『地碧の鑑定が終わりました。まずは地裂斬を使ってみることを推奨します。』
智昭「まずはあの岩に技を撃ってみろ。」
颯斗「いきます。地裂斬!!!!」
岩が真っ二つに割れた
智昭「おぉ、意外とやるな。だが威力が足りん。俺のを見とけ。地裂斬!!」
岩が粉々になった
颯斗「すごい....俺のとは威力が違う.....」
智昭「コツとしては技を放つ前に自分の手で小さくまとめるんだ。そしてそれを放つ。無意識にそれが行えたら一人前だな。」
颯斗「小さくまとめる....」
智昭「そうだ。次は剣術を教える。武器庫へ来い。」
〜武器庫〜
智昭「ここには刀や拳銃がいっぱいある。好きなものを選ぶと良い。」
颯斗『なぁ堕天、どの武器が扱いやすい?』
堕天『武器というのはな、自分が一番見惚れたものを使うんだ。』
颯斗『自分が一番見惚れたもの.....じゃあ.....』
颯斗「これで。」
智昭「破邪剣を選ぶか....いいだろう。」
堕天『なんでこんなに種類があるのによりによって破邪剣を選んだんだ?こいつ。』
神聖『運命的な巡り合わせなのでは?』
堕天『そうなのかもな。』
智昭「よし小僧。打ち込み練習をするぞ。」
颯斗「はい!!」
智昭「どこからでも来い!!」
颯斗「うおおおおおおお!」
智昭「遅い。」
颯斗「グハァッ」
堕天『颯斗ってもしかして剣技下手か?』
神聖『もしかしなくても下手ですね。』
颯斗『剣なんて振ったこともないんだから当たり前だろ。そんなこと言うなら堕天の手本見せてくれよ。』
堕天『あぁいいぞ。よく見とけよ。』
智昭「まだいけるか?」
颯斗「もちろんだおっさん。行くぞ!」
智昭『こいつ、急に速くなったぞ?』
颯斗「遅いな、おっさん!!」
智昭「まだまだ!!!」
颯斗『すげぇ。レベルが違う戦いだ.....』
神聖『堕天様は昔から剣術で戦ってきましたからね。それに堕天様は独術で未来視を持っていますからね』
颯斗『未来視.....相手の軌道を見ているのか。』
神聖『そうです。かなり高度な技ですね。』
堕天『颯斗、代わるぞ。』
颯斗『はぁ?』
ズンッ!
颯斗「いってぇ。」
智昭「戦場では一瞬の油断もしてはいけないぞ。」
颯斗「はい!」
智昭「それにしてもさっきの動きは凄かったぞ。まるで人が変わったかのように。」
颯斗「それほどでも.....」
堕天『ごめん、颯斗。』
その後も颯斗は師匠の白石智昭と共に1年間、毎日練習を続けた。颯斗の力術の扱いは瞬く間に成長し、鍛えられた身体と精神でさらに高みを目指していた。しかしその一方、剣術は成長することはなかった........
智昭「よく1年間頑張ったな。まぁ剣術はまだまだだが力術の方は一人前になった。明日の入学試験、油断するなよ!!」
颯斗「はい!!お世話になりました!!!行ってきます!!!」
修司「頑張れよ!!颯斗!!」
颯斗「はい!ありがとうございます!!!!」
To Be Continued