第十六話:帰れる場所
前回までのあらすじ:聖剣騎士団と黎明学園は神楽颯斗奪還のための作戦会議を始めていた。しかしその束の間、暗影連盟が聖剣騎士団に宣戦布告をしに黎明学園へやってくる。全面戦争の日程は8/1、そう言い残し闇影と神楽颯斗は去っていった。去るのと同時に神楽颯斗の独術により複数の精霊が呼び出され暗影連盟を追うことは断念し、対精霊戦を行った。神楽颯斗が憑依魔法を行った際、神聖が顕現し聖剣騎士団側の戦力となるのであった....そして無事精霊を倒した黎明学園は本日より、授業が再会されるのであった.....
黒川「おはよう。」
霧島「.....。」
黒川「今日から授業を再開する。」
霧島「.....。」
黒川「霧島....?」
霧島「はい...」
黒川「その....なんだ、霧島以外がいなくなって悲しいのは俺も一緒だし分かるが、楽しく行こうぜ!!颯斗もそのほうが安心してくれるだろ!!」
霧島「楽しめないですよ。如月が暗影連盟の一員で全国指名手配、颯斗は攫われて洗脳されたんですよ...そのうえ大量殺人犯として全世界指名手配....」
黒川「......。」
夜月「黒川君、ちょっと話が。」
黒川「校長...?」
〜校長室〜
黒川「話って何ですか?」
夜月「君のクラスは解体する。」
黒川「解体....なんでですか!!!霧島はどうするんですか!!!!」
夜月「彼は星野君のクラスへ移籍してもらう。」
黒川「B組にですか?」
夜月「そうだ、君は今厳重警戒をすることとなっている。理由は言わなくても分かるだろう?」
黒川「クラスから指名手配犯を2人も出してしまったから...ですよね。」
夜月「そうだ。こんな事例、今までに無いからまだ処罰は決まっていない。」
黒川「......。」
夜月「そんな君に引き続き霧島君を生徒として持ってほしくは無いんだよね。だからA組は解体。」
黒川「わかりました。失礼します。」
〜A組教室〜
黒川「待たせたな霧島。」
霧島「いえ、大丈夫です。」
黒川「突然なんだが、今日から霧島はB組の人と合同になる。要するにA組とB組は合体する。」
霧島「颯斗と如月はどうするんですか?」
黒川「.......。」
霧島「颯斗と如月の帰って来れる場所はあるんですか!!」
黒川「それは俺にはわからない。」
霧島「.......俺は颯斗と如月が戻って来れる場所を作りたい。だから学校側の判断で決まったにしろ俺は従わない。」
黒川「そうか....ところでずっと立ち聞きしているのは誰だ?」
星野「ごめんなさい、話の入りどころがわかんなくて.....」
黒川「別にいい。何のようだ?」
星野「霧島君がB組と合同になるって校長から聞き、A組を尋ねに来ました。」
黒川「そうか、霧島をよろしく頼む.....」
霧島「俺はB組になんか行かない。A組を残して颯斗と如月が帰って来れる場所を残します。」
星野「そっか.....そうだよね、帰って来れる場所は残しとくべきだよね...」
天城「霧島、すまんが俺たちも立ち聞きをした。」
霧島「天城....」
星野「君たち....!!教室でしばらく待機って言ったじゃん!!!」
天城「星野先生、指示を無視してしまって申し訳ございません。霧島、その帰って来れる場所ってやつを俺たちにも作らせてくれよ。」
霧島「.......。」
柳瀬「莉央ちゃんと颯斗君は私たちも友達だし帰ってきて欲しい!!!だからみんなでお迎えしようよ!!!」
霧島「でもみんなのことを裏切った2人だし....いいように思ってる人なんていないんじゃ....」
鳴海「そんなことないぜ!!ニュースとかでは2人のことを嫌なふうに言ってるけど俺たちはそんなこと思ってないぞ!!」
桐生「そうだよ!!!如月さんと神楽君はとっても優しくしてくれた!!!中間試験の時だってチームが違うのに特訓に付き合ってくれたりしてくれたし!!!」
未来「みんなの言うとおりだよ陸、颯斗君はいつだって誰にでも優しかった。そんな彼のことを嫌な風に思ってる人はここにはいないんじゃないかな!!!」
霧島「姉ちゃん、みんな.....」
堕天「あいつはいつでも俺と神聖のことを気にかけていた。霧島が1人で居場所作りなんてずるいぞ。俺たちにも手伝わせろ!!」
霧島「堕天さん.....」
星野「神楽君は黎明学園を、みんなを白蓮から救ってくれた英雄なんだよ!!!みんなでお迎えしようよ!!!」
霧島「いいんですか....?」
星野「もちろん!!!如月さんも神楽君も、また一緒に過ごせる日をつくろうよ!!!」
霧島「....はい!!!!」
黒川「霧島、先にB組へと行っててくれ。俺は後から行く。」
霧島「わかりました!!!」
未来「頑張ってね陸!!!!!」
霧島「うん!!ありがとう姉ちゃん!!!」
〜B組〜
柳瀬「いらっしゃい霧島君!!!!!」
霧島「失礼します...」
天城「霧島の席ここだぞ!!」
霧島「ありがとう...!!」
星野「いい感じに溶け込めてそうだね!!」
未来「よかったです。陸のこと、よろしくお願いします!!!」
星野「任せて〜!!未来ちゃんもありがとね!!」
未来「いえいえ!!じゃあ私、教室に戻ります!!!」
星野「うん!!!」
星野「じゃあみんな席に着いてね〜。授業を始めるよ!!!」
一同「はい!!!」
桐生「ねぇ先生、後ろにある2個の席って誰の??」
星野「あれは神楽君と如月さんのだよ!!いつでも帰って来れるようにね!!!」
霧島「ありがとうございます.....!!!」
星野「じゃあ授業を始めるよ!!!天城君、号令よろしく!!!」
天城「はい!!!」
こうして霧島は新しいクラスでの授業が始まった。
To Be Continued




