第十話:覇道の試験-弍-
前回までのあらすじ:ついに中間試験が始まった。颯斗は座学試験は難なく乗り越え実技試験に挑み始めた。作戦通り高台を取ることができた颯斗一行だったが霧島の奇襲に遭ってしまう....他のチームも戦闘が激化して、現在は天城兄弟が白熱した戦いを繰り広げていた.....
天城「霜刃斬!!!」
直哉「氷雷撃!!!」
ドォォォォォォン!!
お互いの技と技が激しく衝突した
天城「クソ、煙で前が見えねぇ。」
直哉「どこ見てんだ蒼!!!!」
ドゴッ!!!!!
鈍い衝撃音が辺り一帯に響き渡った
天城「グハッ.....!!」
直哉「俺をもっと楽しませろよ!!!!」
天城「チッ、寒氷突!!!」
直哉「閃雷加速!!!」
天城「速い...!!!加速のバフ技か.....」
バシッ!バシッ!!ドスッ!!!!!!ゴンッ!!!
鈍く重い打撃の音が何度も辺りを包み込んだ
天城「グフッ!!ガハッ!!!!!」
直哉「雷雪破!!!」
天城「極氷・霜刃斬!!!」
直哉「何ッッッ!!!!」
ゴォンッ!!!
直哉「痛え。ほんと強くなったな蒼。だが、俺は負けねぇ!!!」
天城「俺だって負けない!!行くぞ兄貴!!!閃雷加速!」
直哉「俺の技を使うか。面白い。閃雷加速!!!」
日向「なんだよあの兄弟。速すぎんだろ。」
鳴海「あれが蒼の本気....」
藤堂「いつもの蒼君とは違うね...今の蒼君は私たちじゃ到底追いつけないよ。」
鳴海「中間試験が終わったら特訓に付き合ってもらおうぜ!!」
藤堂「そうだね!!!」
日向「よし、そろそろ決着がつきそうだな。おい2人とも、行くぞ。」
2人「はい!!!」
天城「氷霧剣!!!」
直哉「雷氷剣!!!」
ズン!!ガン!シャキン!!!カン!!
連続する剣の衝突が雷鳴のように轟く
直哉「次で終わらせにいく。蒼も本気で来い!!!」
天城「わかった!!俺が今出せる全力でいく!!」
直哉「極雷・氷雷崩滅!!!!!」
天城「極氷・冰裂斬!!!!!」
グワァァァァァン!!!!!!!!!!
二つの必殺技が激しく衝突し、空間が震えるような轟音が響いた。光とエネルギーが交錯し、破壊的な力が周囲に広がる。爆風が巻き起こり、戦場全体がその激震に包まれた。
アナウンス
「天城蒼/天城直哉、脱落。よってグループC/グループD、脱落」
直哉「引き分け......か....」
天城「兄貴、また戦おうな.....」
直哉「そうだな!!」
日向「なーんだ、2人とも脱落かよ。」
直哉「日向先輩、何しに来たんすか。」
日向「何しにって、おこぼれを拾いに来たんだよ。」
直哉「また楽してポイント稼ぎですか。」
日向「楽してじゃないよ。戦術だよ。」
直哉「そうなんすね。」
鳴海「蒼、めっちゃ強いじゃん!!!」
藤堂「最後の技、威力もすごかったね!!広場一体が消し飛ぶくらいに。」
天城「ちょっとやりすぎたかも。まぁ兄貴と本気で戦えたから満足かな。」
日向「蒼君も強かったね。今度機会があったら手合わせしようよ。」
天城「俺でよければ喜んで!!あ、救助隊来ちゃった。2人とも、俺の分まで頑張ってね。」
鳴海「任せろ!!」
藤堂「頑張る!!!」
直哉「日向先輩も頑張ってくださいね。観戦部屋で応援してます。」
日向「ありがとう。頑張るよ。」
直哉「はい!!」
日向「さて、あっちの様子はどうかな。」
鳴海「今も戦闘は続いているっぽいです!!」
日向「そうか、じゃあ久々に本気出すか!!!」
サッ!!
日向「誰だ!!!!」
禍者「私の名前は禍者。我が主人の御命令により参りました。さぁ、戦いましょう。」
〜40分前〜
〜黎明塔〜
霧島「颯斗、戦場でよそ見は命取りだぞ!!!いきなりで悪いがこれは試験なんだ、霧襲!!!!」
月白「神楽君危ない!!!」
颯斗「月白先輩っ!!!!」
アナウンス
「月白結菜、脱落」
霧島「颯斗を先に倒しておきたかったんだが、まぁ人数も減らせたしいいか。」
桐生「霧島君、1人で戦いに行くのは危ないよ。」
未来「まぁ1人減らせたのは偉いけど!!!」
颯斗「先輩、戦えるか?」
白崎「え?うん...!!!」
颯斗「俺が霧島たちの2人の相手をする。先輩は桐生さんの相手を!!」
白崎「わかった!!真流・青耀波動!!!」
桐生「痛っ....!!」
霧島「俺たちの相手は颯斗か....」
未来「戦ってみたかったから嬉しいな!!」
颯斗『1対2の戦況をどう覆すか....神聖、憑依魔法は使えるって言ってたよな?』
神聖『はい!!いつでも使用可能です!!使用しますか?』
颯斗『あぁ、1人だけでいい。』
神聖『わかりました。』
颯斗「幽影顕現、禍者。」
堕天『よりによって禍者かよ....』
霧島「何をする気だ....」
未来「憑依魔法....!!!噂では聞いてたけどすごいね颯斗君.....」
霧島「姉ちゃん、憑依魔法ってなに??」
未来「聖霊を無機物に憑依させる魔法のことだよ。今颯斗君が憑依させてるのは精霊の中でも聖霊級っていう上から2番目の強さの級の精霊、禍者。」
颯斗「そう。でも憑依魔法は自分の強さより下の精霊しか憑依できない。そのことは頭に入れておけ。」
霧島「.....あいつ本当になんなんだよ。」
禍者「我が主人、何の御用で。」
〜観戦部屋〜
黒川「あいつ憑依魔法なんて使えるのか。」
星野「黒川君も知らなかったの!?!?」
黒川「あぁ。この前気になって修練で使える力術を聞いたんだが、また新たな力術を得てるなあいつ。」
藤原「俺は力術じゃないと思うぜ。」
黒川「力術じゃないって、どういうことだ。」
北条「独術ってことですか?」
黒川「独術だと....」
藤原「そうだ。俺の独術、灼瞳予言で見ても何も反応がない。」
星野「灼瞳予言って相手の使用している力術が見えるやつですよね??」
藤原「そうだ。俺が何度見ても反応がないってことは独術を使用しているってことだ。」
黒川「まぁあいつの独術が憑依魔法だということを知れただけいいか。」
星野「そうですね。」
〜黎明塔〜
颯斗「目の前に2人いるだろ?どっちと戦いたい?」
禍者「強さ的に見ると右の男の方が強いですね。本当は強い方と戦いたいけれど、それでは主人が退屈してしまう。主人、左の女と戦いたいです。」
未来「私....!!」
颯斗「わかった。手加減しろよ!!」
禍者「承知しました。聖禍斬。」
未来「強いっ........!!!!!」
颯斗「これで1対1だな。」
霧島「クソッ、人数さが埋まった.......どうする、ここで素直に戦っても勝てるわけないだろ.....」
アナウンス
「霧島未来、脱落」
霧島「は.......?」
禍者「我が主人、任務は完了しました。」
颯斗「お疲れ様。どうする、このまま戦うか?」
禍者「目の前の方は主人にお任せします。それより遠くで私たちの戦いを見物している方たちのお手並み拝見したいです。」
颯斗「わかった。行ってこい。」
禍者「承知しました。」
颯斗「さ、俺たちはのんびり戦うか!!」
霧島「言われなくてもそうするさ!!!霧刃!!!!」
颯斗「そうくるか、ならば俺も...!!霧刃。」
霧島「クッ、威力が高い....」
颯斗「どうする、このままおとなしく降参すれば俺が今だせる1番の技は使わない。」
霧島「降参するわけないだろ!!!颯斗に勝てる勝率は1%も無い。だが今の颯斗にどのくらい通用するのかが見たい!!!来い!!!!」
颯斗「凍焔月影!!!!!!!!!」
霧島「霧影剣!!!!」
〜観戦部屋〜
藤原「おい黒川。神楽が今使っている技の属性、火と氷と月属性だぞ!!!!」
黒川「マジかよ、何でもありだな.....」
〜黎明塔〜
霧島「クソッ、負ける.........」
ドゴォォォォォォォォォォン!!!!
アナウンス
「霧島陸、脱落」
霧島「やっぱり颯斗は強いな.....」
颯斗「霧島も強くなってるじゃん!!!」
霧島「また力術の特訓に付き合ってくれ!!!」
颯斗「任せろ!!!!!!」
アナウンス
「鳴海悠人/藤堂清花、脱落」
霧島「おいおい、一気に2人倒してるぞお前の精霊。」
颯斗「3人倒してくれてもよかったんだけどな....」
霧島「もうお前が怖いよ.....」
禍者「我が主人、ただいま戻りました。」
颯斗「おかえり。って日向先輩捕まえてどうする気だ?」
禍者「この方が主人と戦いたいと申してきましたので....」
アナウンス
「桐生千夏、脱落」
白崎「神楽君、勝ってきたよ〜!!」
颯斗「お疲れ様です!!白崎先輩は待機で大丈夫です!!」
日向「俺のことを甘く見てるだろ君....」
颯斗「甘くなんて見てないですよ。俺が勝てる確率は50%もない。今、日向先輩と戦ったら負けることが濃厚。白崎先輩と2人がかりで戦うと勝率は90%くらいに跳ね上がるが、それでは日向先輩の要望に応えられない。俺に残った手段は日向先輩と全力で戦うことだけだ。」
日向「全力で戦ってお前が負けた後はどうする気だ?」
颯斗「禍者に戦ってもらって白崎先輩が残って俺たちのチームの勝ち。」
日向「確かに俺の実力じゃ禍者には勝てない。結局俺は詰みってわけか。」
白崎「そういうことか!!」
颯斗「そういうこと。そろそろ戦わないと時間ももったいないし戦おうぜ先輩。」
日向「わかった。どうせ実技試験に負けるならここで全力を出させてもらうぞ、神楽颯斗!!!!!闘神鎧装!!!!!!!」
To Be Continued




